2024/7/25(木)第17週「女の情に蛇が住む?」
あらすじ
職場からの帰り道、寅子は優未が同級生たちと会話する現場を目撃しました。優未は同級生たちに言いました。無理して自分と一緒にいなくていい。無理をしても誰も幸せになれないと。優未のしっかりとした考え方に寅子は心を動かされました。
一方、玉から悩みを打ち明けられた寅子は、何日も答えを考え続けました。しかし答えを見つけられなかった寅子は玉に言いました。涼子と真正面から向き合えと。寅子に背中を押され、寅子のいる前で玉は自分の気持ちを涼子に打ち明けました。
涼子が自由になれないのは自分がいるからだと。中途半端に生き残った自分が涼子を縛っているのだと。そんな玉を涼子は一喝。自分こそ玉の人生を奪ってしまった。玉と暮らせて幸せだと涼子は玉に告げました。
涼子と玉の会話を聞いていた寅子が、二人には対等であってほしいと言いました。寅子の言葉を受けて、玉は涼子に英語で告げました。あなたなしの人生は考えられない、親友になってほしいと。玉の言葉に対して涼子はもう親友だと英語で応えるのでした。
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感想
優未ちゃん
優未ちゃんが大人以上に大人。
「お互いに無理をするのは誰も幸せになれない」
「一緒にいてくれてありがとう、誰も悪くないよ」
優未ちゃんの言葉を同級生たちはまったく理解できなかった模様。
大人だって理解できない人はいるのではないか。
おそらく担任の先生はわからないかと。
担任の先生は同級生たちに「優未ちゃんと友達になること」を強制しているらしい。
同級生たちも怒られたくないばかりに担任の先生の言うとおりにしました。
「同級生になること」は学校運営の規則で決まっていることなので、その規則を受け入れざるを得ない。
しかし「友達になること」はルールでは縛れない。
こういった切り分けをできるのは、法律家の母と法律家を目指した父を持つ優未ちゃんならではのことなのか。
優未ちゃんはきっとクラスの中で孤立すること確定でしょう。
でも優未ちゃんは孤立を孤立と思わぬ強さを持っています。
無理して友達のフリをするくらいなら、孤立している方が居心地が良いと。
優未ちゃんは大人以上に大人であることが判明。
トラちゃんもそのことを理解したのかな?
優未ちゃんが大人になったとき、もしかすると主人公のトラちゃん以上に面白いキャラになるかもです。
涼子さまと玉ちゃん
前回、玉ちゃんからこっそりと相談を受けたトラちゃん。
涼子さまがいないところで受けた相談に対する答えを、涼子さまがいるところで言ってしまうトラちゃんの判断が素晴らしい。
このトラちゃんの判断によっ涼子さまと玉ちゃんはようやく向き合うことができました。
玉ちゃん、こんなに苦しんでいたとは。
中途半端に生き残ってしまったから涼子さまを縛ることになってしまった。
自分さえいなければ涼子さまは自分のやりたいことを出来たのに。
玉ちゃんの苦しみ、分かるような気がします。
ところが、そんな玉ちゃんに対して涼子さまが一喝。
「おぞましいことおっしゃらないで!」
本気で怒鳴る涼子さまの姿は初めて見ました。
そして涼子さまもまた同じようなことを玉ちゃんに対して考えていました。
一人で生きていくのが不安で玉ちゃんを自分に縛り付けてしまった。
その結果、怪我をさせてしまった。
自分が玉ちゃんを縛り付けなければ、今頃は結婚しているかもしれないと。
涼子さまと玉ちゃんのすれ違い。
でも、そのすれ違いは、同じ方向を向いているすれ違いでした。
そして、すれ違っていなかったことが一つ。
涼子さまも玉ちゃんも、お互いの存在が自分には必要だと思っていたことです。
トラちゃんが二人には対等であってほしいと言いましたが、これでようやく涼子さまと玉ちゃんは対等になれたかと思います。
対等になれた涼子さまと玉ちゃんが、東京にいるよねちゃん、梅子さん、香子ちゃんと再会できる日が到来しますように。
予習レビューと史実のリアルエピソード
今週放送されるドラマの中で、家庭裁判所で裁判官としてキャリアを積み始めたトラちゃんは始めて刑事事件を担当します。
ドラマの中のトラちゃんのキャリアは家裁→地裁です。
しかし史実のリアルトラちゃんの裁判官としてのキャリアの積み方はドラマとは正反対です。
しかも、正反対の道を自ら選択したのだそうです。
リアルトラちゃんが家庭裁判所の判事となったのは昭和37年(1962年)48歳のときです。
それまでリアルトラちゃんは家庭裁判所の判事になることに対して前向きではなかったと言われています。
今はどうなのか知りませんが、リアルトラちゃんが裁判官として活躍していた当時は、女性は家庭裁判所が向いているという考え方に支配されていたのだとか。
なぜなら、地方裁判所では殺人や婦女暴行などのおぞましい事件を扱うことになり、これは女性には厳しいだろうという「配慮」があったようです。
そんな考え方によりレッテル貼りをリアルトラちゃんは恐れていました。
そこでリアルトラちゃんは、家庭裁判所以外での活躍の場を奪われないようにと、まずは民事事件でキャリアを積む。
その後、人の心を取り扱う家庭裁判所の裁判官になるという計画を立てました。
その計画の中で、リアルトラちゃんは50歳前後までは家庭裁判所の判事にならないと決意。
そして実際に48歳のときに家庭裁判所の判事となりました。
家庭裁判所の判事となった際、リアルトラちゃんの希望は家事審判でした。
しかし実際に配属されたのは少年部。
そして少年部で初めて刑事事件(少年事件)を担当することになりました。
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優未ちゃん、合理的というか辛辣というか。涼子さんと玉さんの問題。善意のすれ違い。母の遺言。和解二人は既に親友。