2024/7/18(木)第16週「女やもめに花が咲く?」
あらすじ
優未が亡き父親の話を聞きたがりました。
高瀬が森口に対して激昂したのは兄の死を受け入れられていないからではないか。航一の言葉を聞いた寅子は、自分のことをを言われているような気持ちになりました。寅子は、優三の死を受け入れられていないことを自覚したのです。
その日の帰り道、寅子は河原で本を読んでいる高瀬と会いました。寅子は高瀬に謝罪しました。これから先も上司として波風と立ててしまうだろうことを。一方の高瀬は、大学に入っても書記官になっても生きづらさを感じる苦悩を寅子に打ち明けました。
その翌日、高瀬は出勤しました。寅子は高瀬に対して山の境界線をめぐっての民事調停のための資料収集の協力を要請。要請を受けた高瀬は江戸時代の古文書が有力な資料になることを突き止めました。
しかし杉田は先手を打ち、山の境界線をめぐって対立していた両者は和解しました。すべて穏便に済ますことが自分の役割だと信じる杉田は高瀬の一件も丸く収めるつもりでした。しかし寅子は裁判所の信頼を守るためにも高瀬を処分することを決めました。
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感想
航一さん
航一さん、もしかして「訳あり」の人?
前回、トラちゃんが泣いたことを見抜いた航一さんは、高瀬くんの心の痛みをもするどく見抜きました。
そして今回。
トラちゃんが優未ちゃんとの間に生じた心の溝を埋めることに必死になっていることまで航一さんは見抜きました。
そんなトラちゃんに対して航一さんが言いました。
自分は、あえて溝をつくろうとしてしまう。
さらに、溝を埋めようと必死なトラちゃんに対して、とんでもなく諦めが悪いですね、とも。
航一さん、生じた溝を埋めるどころか、わざわざ溝を深くしてしまった過去があるのか?
その過去を後悔しているのか?
次週、航一さんは自らの過去を語るらしいですが、今のところそれがどんな過去なのかは不明です。
しかし、それなりの過去があるから「訳あり」感たっぷりの今の航一さんがある。
航一さんはどんな過去を持っているのか?
航一さんから目が離せません。
杉田弁護士とトラちゃんの正義
地縁社会では杉田弁護士の考えにも一理ある。
しかし日本は法治国家なので、ましてトラちゃんは裁判官なので法律の遵守が最優先。
このギャップをトラちゃんはどう解決するのか。
一方、このギャップに対して杉田弁護士はこれからどう出てくるのか。
思うに杉田弁護士は、歴代の三条支部長をうまいこと丸め込んでいたのでしょう。
三条支部長すなわち判事を味方につけ、訴訟が起こった際には当事者間で妥協する道を探りつつ、判事にそれをのませていたことが考えられます。
杉田弁護士はこれまでのやり方がトラちゃんにも通用すると考えたのでしょう。
トラちゃんが赴任したときのドン引きしそうな大歓迎ぶり。
一方で今回は手のひらを返したようにトラちゃんのことを頭が固いと言って斬って捨てる。
このギャップで確信しました。
あのときの杉田弁護士の態度はやっぱりトラちゃんを丸め込むためのものだったと。
さて、杉田弁護士はトラちゃんが容易に丸めこめない相手であることを理解しました。
これで杉田弁護士はトラちゃんを丸め込むことをあきらめてしまうのか。
あきらめはしないでしょう。
杉田弁護士は「地域の平和」が自分のミッションであると信じているので。
杉田弁護士にも正義がある。
トラちゃんにも正義がある。
ところが二つの正義はなかなかうまく噛み合わない。
杉田弁護士は、これからも落とし所を探ろうとあの手この手を繰り出してくるような気がします。
一方、トラちゃんは落とし所を探るようなやり方はしない人。
噛み合わない二つの正義がどこで落着するのか。
こういった抽象度がほどよく高いドラマ、ブログ主は大好物でした。
予習レビューと史実のリアルエピソード
判事と判事補の違い
トラちゃんが判事補から判事になったのを機に、判事と判事補の違いを簡単に解説。
周知の通り、裁判所で裁判を行うのが裁判官です。
そして裁判官には、最高裁判所長官、最高裁判所判事、高等裁判所長官、判事、判事補、簡易裁判所判事という職位が存在します。
これら職位の一部を構成しているのが判事と判事補です。
判事と判事補とでは職位は判事の方が上です。
多くの場合、判事補を10年経験した人の中から判事が選ばれます。
法律上では、10年以上の法律家としての経験がある検察官、弁護士、大学教授などから選ばれる場合もあります。
ちなみにリアルトラちゃんの判事補の経験は3年でした。
しかし弁護士の経験が加算され、法律家としての実務経験が通算で10年に達しているとみなされ判事補から判事になりました。
判事と判事補とでは職権にも違いがあります。
裁判所法では、判事は裁判官として完全な職権を持っています。
具体的には、1人で審理を行って判決をする、平たく言えば1人で裁判をできるということです。
裁判所で事件を担当する場合、3名の裁判官が事件を担当する場合と、1名の裁判官が事件を担当する場合があります。
前者は合議事件、後者は単独事件と呼ばれています。
そして後者の単独事件を担当できるのが判事です。
判事に対して判事補は、特別な場合をのぞいて1人で裁判することができません。
さらに判事補は裁判長になることもできません。
大雑把な解説ですが、以上が判事と判事補の違いです。
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「自分の話をされているようでした。」大切な家族の死。その痛みは自分の胸の中だけにしておきたい。「諦め悪く頑張って下さい。」彼一流のエール。調停の続き。出来レースの円満解決。高瀬君の処分は本人納得の上でのけじめ。