2024/8/7(水)第19週「悪女の賢者ぶり?」
あらすじ
美佐江への対応が思うようにいかず、落ち込む寅子を航一が訪ねてきました。航一が訪ねてきた理由は溜まった書類を寅子の家で読むことでした。航一は一言も話をしませんでした。しかし、航一の沈黙が寅子の気持ちを軽くしました。
書類を読み終え一息つく航一と、寅子は向き合いました。そして一緒にいてくれた礼を、寅子は航一に述べました。一方で寅子は、息が詰まるような感情が込み上げてくるのを自覚していました。しかし寅子はその感情から目をそらそうとしました。
昭和28年(1953年)3月。美佐江が東京大学に合格したと森口が三条支部に報告に来ました。その日、三条支部では高瀬と小野が寅子たちに結婚を報告。しかし、二人が選んだのは「友情結婚」でした。
高瀬も小野も家族から縁談を強いられるのを避けるために「友情結婚」を選択したと寅子に告げました。そんな二人に対して、優三との結婚を思い出した寅子は言いました。もっと慎重に考えた方がいいと。そんな中、花江がやって来ました。
虎に翼|感想あらすじネタバレトップページ
感想
東京でトラちゃんと美佐江ちゃんは再会?
美佐江ちゃんが東京大学に合格。
本来なら喜ぶべきことですが、美佐江ちゃんに限っては怖さしかありません。
心の闇を抱えたまま、親元を離れ、唯一相談できそうな相手だったトラちゃんもいない環境に一人で行く。
東京大学の中で出会った(または目をつけた)特別な存在に赤い腕飾りを贈るのか。
東京に行った美佐江ちゃんが何かをしでかす予感でいっぱいです。
ちょっとネタバレになりますが、次週トラちゃんは東京への転勤が決まります。
美佐江ちゃんが東京大学に合格したのが昭和28年春で、トラちゃんが東京に戻るのが昭和30年春。
美佐江ちゃんが大学三年生になったときです。
東京に戻ったトラちゃんが東京大学の学生になった美佐江ちゃんと東京で再会することになるのはまず間違いないでしょう。
美佐江ちゃんの心の闇は未回収なので。
ただし、その再会が喜びの再会になるのか。
それとも、また何か事件を起こすか事件に関わるかして、裁判所での再会となるのか。
おそらく9月に入ったあたりから美佐江ちゃんのサイコパスドラマが始まるものと思われます。
こみあげてくる感情
ナレーションを通してではありますが、トラちゃんの中の航一さんへの感情がここまではっきりと言葉になったのは初めてのことではないでしょうか。
「胸が苦しくて息が詰まる」
この表現で、トラちゃんがすでに航一さんに対して恋愛感情を抱いているのは確定です。
トラちゃんもはっきりと自分の中の感情を自覚しているはずです。
初めての恋ではないのだから、自分の感情の正体が何かくらいは分かるでしょう。
そして、自覚した感情に対してトラちゃんは
「こみあげてくる感情から目をそらす」
目をそらす理由は、おそらく優三くんに対する申し訳なさ。
目をそらすことで、自分の中の感情をなかったことにし、優三くんに対する申し訳なさから逃れようとしているのかな?
一方の航一さんは、すでに自分の中の感情を自覚するだけでなく、目をそらそうともしていないらしい。
これから航一さん、静かに、しかしグイグイと押してくるのかもしれません。
静けさあふれる大人の恋。
朝ドラでここまで本格的な大人のラブストーリーが見られる日が来るとは意外でした。
高瀬くんと小野さん
前回だったか前々回だったか、昼休みにロシア文学の話に花を咲かせながら妙に仲のいい高瀬くんと小野さんの様子が描かれました。
二人が「友情結婚」を選択すことは事前に知っていました。
しかし、仲の良さそうな二人の姿を見て恋愛結婚に限りなく近い友情結婚なのかなと推測していました。
今回、その二人が結婚を報告。
恋愛結婚の要素は微塵もない友情結婚を選んだらしい。
ところで、同様の結婚を選択したトラちゃんも優三くんへの恋愛感情はありませんでした。
しかし優三くんの中にはトラちゃんへの恋愛感情がありました。
その感情は封印されてはいましたが。
どちらか片方に恋愛感情があったからこそ、最終的に相思相愛になれたとも考えられます。
高瀬くんと小野さんは、双方ともに恋愛感情は皆無。
二人の落とし所はどこにあるのか。
新潟編は明日まで。
明日には二人の今後が決まるのかな?
予習レビューと史実のリアルエピソード
名古屋時代のリアルトラちゃん
今週の物語の時代背景は昭和27年から昭和28年にかけてのころです。
ドラマの中では、航一さんとの距離が縮まるプロセスと、美佐江ちゃんの心の闇が描かれますが、史実では当時リアルトラちゃんは何をしていたのか。
リアルトラちゃんの名古屋時代の情報は非常に少ないのですが、方々からかき集めてみました。
ドラマの中のトラちゃんは、三条支部勤務以外の場面はもっぱら自宅かライトハウス。
一回だけ杉田弁護士主催の麻雀大会で料亭らしき場所もありました。
一方、リアルトラちゃんは裁判所以外の場所でも活躍されていました。
名古屋市教育委員会の社会教育委員。
各婦人団体の講演会に講師として登壇。
名古屋大学の女子学生たちが結成した「女子学生の会」への助言などなど。
またリアルトラちゃんが名古屋で勤務時、女性の判事補が徳島から赴任してきました。
その女性判事補・永石泰子さんはリアルトラちゃんの大学の後輩にあたる明大女子部法科卒。
リアルトラちゃんは永石さんを連れて様々な場所に出かけていたと言われています。
なお、リアルトラちゃんや永石さんが名古屋に転勤したころは、主に判事補が3年ごとに転勤する人事のルールが出来上がりつつあるころでした。
そして、女性にも等しくこのルールが適用されていました。
しかし、ルールの形骸化により女性裁判官を採用したくないという考え方が最高裁の内部で生じるようになりました。
その一方で、リアルトラちゃんが明大女子部で講師をしていたときの教え子や、リアルトラちゃんに憧れて法曹界に入る女性も増加。
そんな中、リアルトラちゃんとともに日本初の女性弁護士となった久米愛さんが、昭和33年に当時の最高裁長官と法務大臣に要望書を提出。
人事のルールの改善を求めました。
虎に翼|感想あらすじネタバレトップページ
今日のエピソードでは,航一さんがなんとなく気の毒でした。寅子さんは自分が彼に寄り添いたいと言っていましたが、今はその余裕はなく、自分の気持ちを抑えるのに必死でした。せっかく寄り添いたいと,訪ねてくれたのに、なんともお気の毒でした。 優三三はもうなくなっているので、そのことをはっきり受け止めることです。亡くなった人を偶像化することは,誰も幸せにしません。思い出を大切にしつつも、今を生きてほしいでスそのことをまさに優三さんは願っていたのだと思います。
優未さんやはり大人。航一さん突然の来訪。無言の読書。不思議な癒し効果。優三さんの遺品。「ごめんなさい。すみません。」屈折してるなあ。胸の苦しさ。お互い好きと素直に言えればいいのだが。美佐江さん東大合格。嫌な予感しかしないんだけど。でもなんで父親お礼を言いに来たの?意外なカップル結婚へ?寅子さんの忠告、深田さん手のひら返し。