虎に翼

原爆裁判の口頭弁論開始 / 虎に翼 第112回

2024/9/3(火)第23週「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」

あらすじ

昭和35年(1960年)2月、「原爆裁判」の口頭弁論が始まりました。口頭弁論が始まってすぐに一人の老人が傍聴席にやってきました。記者の竹中でした。竹中は、裁判の経過を記録し後世に残してほしいと雲野から頼まれていたのです。

そのころ、星家では百合の物忘れが少しづつ進行していました。一方で、寅子も体調のすぐれない日が続いてました。そして、その体調不良は更年期障害ではないかと、航一は寅子に告げました。

それから1年半ほど経過した昭和36年(1961年)6月。百合の物忘れはますますひどくなっていました。そこで話し合いの結果、平日の昼間は「お手伝いさん」を呼び、百合の世話を託すことにしました。

そんな中、「原爆裁判」の鑑定人尋問が始まりました。ある国際法学者が原爆投下は国際法違反であると主張する一方で、別の国際法学者は原爆投下は国際法に違反しないと反論。議論は平行線をたどったままでした。

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感想

百合さんの痴呆が進行

百合さんの状態がますますひどいことになってきました。

炊飯器のスイッチを入れ忘れ。

しかも炊飯器のスイッチを入れてくれて優未ちゃんに頼んだつもりでいる。

のどかちゃんは大学を卒業して今は銀行で働いているらしい。

しかし、百合さんはその事実を忘れている。

炊飯器のスイッチのときは、物忘れが激しくなったのかな、程度にしか思いませんでした。

ところがのどかちゃんが大学を卒業していることを忘れていること。

すでに社会人になっていることも忘れていること。

これはまずい。

それから一年半。

百合さんの痴呆はさらに悪化していました。

自分だけが除け者にされていると被害妄想まで出てきました。

顔色も悪くなってきています。

トラちゃんと優未ちゃんが星野家を初めて訪問した頃の百合さんの姿はもうありません。

昼間はお手伝いさんを呼んで面倒を見てもらわなければならないほどに。

百合さんの気の毒な姿をいつまで見続けることになるのでしょうか。

竹中記者

竹中記者が久しぶりに登場しました。

すっかり老いた姿になって。

傍聴席に入ってきたときの竹中さん、歩くのもやっとの様子でした。

こんな状態では取材に歩きまわることなどもう出来ないかと。

なので竹中さん、すでに引退されているのでしょうか。

そんな状態の中、竹中さんは雲野先生からの頼みを引き受けたらしい。

最後の仕事ぐらいに考えているのかな?

雲野先生も前回でドラマから退場しましたが、竹名さんの退場の日も近いのかもしれません。

戦前戦中の時代にすでに中高年だった登場人物たちが少しづつ少なくなってきました。

そういえば笹寿司の大将はどうしたのかな?

ちょっとネタバレになりますが、次週、どうやら笹寿司と竹もとが合併するらしいです。

合併した後の店名は「笹竹」。

道男くんと梅子さんの共同経営になるらしい。

しかし寿司屋と和菓子屋の併設店、イメージがわきません。

かつて、そういう業態があったのかな?

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予習レビュー

今週、直明くんがついにお父さんになります。

そこで、直明くんがお父さんんになったのを機に、これまでの直明くんの特に重要な場面の振り返りをしてみました。

振り返りを通して分かったこと。

それは、直明くんがトラちゃんの人生に大きな影響を与えているということです。

トラちゃんの梅丸少女歌劇団入りを阻止

直明くんの初登場場面はトラちゃんが家出に失敗した場面でしょうか。

見合いを逃れ梅丸少女歌劇団に入ろうと、トラちゃんが家出を試みるものの、お手洗いに目覚めた直明くんに見つかってしまう場面のことです。

もし、このとき直明くんが目を覚ましていなかったら。

トラちゃんは家出に成功。

負けず嫌いで努力家のトラちゃんのことなので梅丸少女歌劇団でそれなりの活躍をしていたはず。

福来スズ子とラインダンスを踊っていたことだって考えられます。

直言さんとはるさんが、桃色争議に巻き込まれて山寺にこもっているトラちゃんに会いに行く、そんな展開だってあったかも。

そう考えるとトラちゃんの人生に最大の影響を与えたのは直明くんなのかもしれません。

トラちゃんが裁判官になる道を開く

5歳のときに初登場した直明くんが、その後次々と姿を変えて、今の姿になって登場したのは戦後になってから。

東京帝国大学に入学するために岡山で寮生活を送っていた直明くんが登戸の猪爪家に帰ってきたときのことです。

すでに大人になっていた直明くんは猪爪家が困窮していることを理解しました。

しかも、当時の直言さんは身体を悪くしていたため、直言さん一人だけでは困窮から抜け出すことは出来ない。

そこで直明くんは大学進学を断念して仕事をすると宣言。

このときの直明くんは見ていて本当に切なかった。

家族に隠れて本を読む姿からは、学問への未練が見え見えでした。

しかし、このときの直明くんの宣言もまた、トラちゃんの人生に大きな影響を与えました。

直明くんの宣言を受けて、トラちゃんは自分が働こうと決起したわけですから。

その結果、トラちゃんは裁判官にもなりました。

トラちゃんと優未ちゃんの関係修復

トラちゃんと優未ちゃんとの間に生じた心の溝を厳しく指摘したのも直明くんでした。

心の溝を認識していなければ、トラちゃんと優未ちゃんの関係は修復されてはいなかったでしょう。

もし仮に心の溝が修復されていないままだったら、トラちゃんはもしかすると新潟への転勤は単身赴任の道を選んでいたかもしれません。

転勤が決まったタイミングで心の溝を認識したからこそ、トラちゃんは優未ちゃんを連れて新潟に行ったわけです。

心の溝を認識していなければ、花江ちゃんたちにすすめられるまま、トラちゃんは優未ちゃんを猪爪家に預けたままにしていたはず。

そうなっていたらトラちゃんと優未ちゃんの母娘関係は修復できなところまで悪化していたことも考えられます。

直明くんの他の活躍

トラちゃんの人生に大きな影響を与えるほどではありませんが、直明くんがトラちゃんに貢献したことは、思い出す限りあと2つあります。

一つは、家庭裁判所の設立にあたり、対立していた二つの組織をまとめたことです。

二つの組織の統合は多岐川さんも苦心していました。

トラちゃんでは成し遂げられなかったかもしれない。

しかし、直明くんが見事なまでにきれいにまとめてしまいました。

さらに、明律大学の同窓生たちを集めた直明くんの功績も大きい。

特に、同窓生たちに顔向けできないと考えていたヒャンちゃんは涼子さまを他の同窓生たちに再会させた活躍ぶりは評価しきれないほどです。

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POSTED COMMENT

  1. こし餡 より:

    いつも、丁寧に、あらすじや予習レビュー、放送後は、あらすじ書きかえ、さらに詳しく感想をありがとうございます。
    大変な作業なのに、毎日欠かさず更新し続けておられること、素晴らしいです。お疲れ様です。

    寿司店と和菓子店の業態についてなのですが、昭和生まれの私は、何軒か見かけております。
    「竹もと」ほどの種類はなかったかもしれません。子どもの時に帰省先の祖母に連れて行ってもらった記憶をたどってみました。おはぎや、おしるこ、あんみつ、かき氷などがあったとおもいます。
    お寿司は、、もしかしたら巻き寿司といなり寿司だけだったかも、、?押し寿司はあったような、、。
    和食と和のスイーツ、今も昔も人気がありそうです。

  2. 還暦のたつお より:

    原爆裁判の行方、果たして。竹中さんと雲野さん意外な関係。百合さん危ない。のどかさん銀行員。百合さん、身近にこういう症状の人がいるので見てるのちょっと辛い。舌鋒鋭く、被告側証人の国際法学者詰め寄るよねさん。止めに入る裁判官が汐見さんというのも何やら因縁めいた物が。

  3. あさのあさみ より:

    予習レビューを読んで、
    改めて直明くんの活躍を認識しました
    今作品には、クセ強の魅力的な男性キャラ(女性もですが)がたくさん登場するので、
    直明くんのような非の打ち所がないような優等生キャラは存在感が薄かったのですが、
    こんなにも裏でトラちゃんの人生を動かしていたのですね!

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