虎に翼

寅子が美佐江と向き合う / 虎に翼 第92回

2024/8/6(火)第19週「悪女の賢者ぶり?」

あらすじ

昭和27年(1952年)冬。新潟市内で高校生による売春事件が発生しました。美佐江がその事件に深い関わりを持っているのではないかという疑惑が浮上。事件を起こした高校生たちも赤い腕飾りをつけていたことが寅子は気がかりでした。

そんな中、寅子の職場を訪ねてきた美佐江に寅子は尋ねました。赤い腕飾りを付けていたという事件を起こした高校生たちも、美佐江にとって特別な存在なのかと。しかし美佐江は寅子の質問に答えはしませんでした。

一方で美佐江は寅子に尋ねました。法律の条文を読めば悪いことをすれば量刑を課せられることはわかる。しかし、どうしても分からないことがある。何故「悪いこと」と定義されているのか。何故、自分の身体を好きに使ってはいけないのかと。

答えを見つけるために一緒に考えてみないかと寅子は美佐江に提案しました。しかし寅子は美佐江への対応を失敗。美佐江の父・森口を激怒させてしまいました。翌年1月。美佐江の審判は行われないことが確定。しかし寅子は釈然としませんでした。

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感想

サイコパスドラマがついに始まりました。

赤い腕飾り

「差別主義者のクソ小僧」の「こうるさいクソババア」への態度がずいんぶんと変わりましたね。

関係性に変化が生じた「クソ」二人の会話からスタート。

入倉くんの報告を受けたトラちゃんが入倉くんに尋ねる。

補導された二人は赤い腕飾りをしてなかった?と。

このトラちゃんの質問に入倉くんは真剣に驚く。

でも赤い腕飾りが何を意味するのか、トラちゃんは入倉くんには話はしませんでした。

その赤い腕飾りの中心人物がいきなりトラちゃんの執務室にやって来ました。

美佐江ちゃんが来たのはなぜ?

トラちゃんの執務室にやって来た、赤い腕飾りの中心人物・美佐江ちゃん。

どうしてこのタイミングでやって来たのでしょうか。

それが今回のブログ主の最大の疑問です。

自分が補導されたのは、それが本当か嘘かわかりませんが、自分は巻き込まれただけだということを早い段階で三条支部長に伝えておくつもりだったのか。

言うなればトラちゃんへの根回しです。

それとも救いをトラちゃんに求めていたのか。

世間で「悪いこと」と定義されていることが、なぜ「悪」と定義されるのかが分からない。

人を◯すことが、なぜ「悪」と定義されるのかが分からない。

自分の身体を好きなように使うことが、なぜ「悪」と定義されるのかが分からない。

こんな質問誰も答えてくれるはずもない。

まして、美佐江ちゃんのお父上はこんな抽象的な議論ができるタイプにはほど遠そう。

美佐江ちゃんのお母上にしてもこんな問いかけに答えてはくれないかと。

美佐江ちゃん、トラちゃんなら答えとまでは言わなくても何らかのヒントをくれると期待したのかな?

一緒に考えて答えを探さないかというトラちゃんからの提案。

美佐江ちゃん、その提案を受け入れていたかもしれない。

しかし、そこへ優未ちゃんが!

トラちゃん、優未ちゃんを咄嗟にかばってしまう。

そのトラちゃんの行動が意味するところを美佐江ちゃんは察してしまったらしい。

トラちゃん、痛恨のミスでした。

美佐江ちゃんの憔悴は本物か?

美佐江ちゃんのお父上・森口氏がトラちゃんの執務室に怒鳴り込んできました。

美佐江ちゃんが犯罪者扱いされたと憔悴しきって帰宅したとか。

美佐江ちゃんが言う「犯罪者扱い」とは、トラちゃんが優未ちゃんを咄嗟にかばった行動を指すのでしょう。

しかし一つ疑問があります。

美佐江ちゃんが憔悴しきっていたということですが、その「憔悴」は本物なのか演技なのかということです。

その後、トラちゃんがライトハウスに足を運ぶとそこに美佐江ちゃんが。

しかし「憔悴」したはずの美佐江ちゃんはトラちゃんの後ろ姿を見つめてニヤリ。

まるでトラちゃんを追い詰めていることを楽しんでいるかのよう。

サイコパスドラマがどのように回収されるのかはまだわかりません。

しかし、今週中にサイコパスドラマがさらに恐ろしい展開になるフラグは立つはずです。

来月は本作の最後の放送月。

クライマックスはもしかすると美佐江ちゃん救済エピソードになるのかな?

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予習レビューと史実のリアルエピソード

リアルトラちゃんと麻雀

ドラマの中でトラちゃんと航一さんが仕事以外で共通の話題となったのは麻雀でした。

今週も、航一さんが麻雀を教えるためにトラちゃんの家を訪問する場面が描かれます。

トラちゃんと航一さんが新潟県で再会後、二人の距離を縮める小道具の一つになった麻雀ですが、リアルではどうだったのか。

リアルトラちゃんとリアル航一さんこと三淵乾太郎氏。

お二人には共通する趣味がいくつかありました。

絵画、焼き物、旅行、ゴルフ、そして麻雀です。

実際にリアルトラちゃんと三淵乾太郎氏、そしてそれぞれの長男の4人が雀卓を囲む写真が残されています。

またリアルトラちゃんと三淵乾太郎氏、長男の芳武さん、そして芳武さんの友人の4人で麻雀を楽しんだ際に、こんなエピソードが残されています。

芳武さんが安手(やすて)で先にあがったときのこと。

当時、麻雀では安手であがってはいけないという不文律があったそうで、その安手であがった芳武さんに対してリアルトラちゃんは激怒。

「この親不孝者!」と怒鳴り声をあげ友人たちの度肝を抜いたのだそうです。

実際、芳武さん自身が語った次のような言葉が残されています。

母はマージャンを必死でやります。母が高い点の手を狙っているとき、僕が安い手で先に上がってしまいました。すると母は烈火のごとく怒りました。そして僕に『この親不孝者!』と怒鳴るのです。僕は母が怒るのには慣れています。しかし僕の友人はすっかりビビっていました。

このエピソードはトラちゃんを演じた伊藤沙莉さんもご存じのようで次のようにコメントしています。

「あるとき(麻雀で)悔しい負け方をしたのか、本気で怒ったんですって(笑)。すごく印象的なエピソードだし、かわいらしい人だなと思いました」

また、上にも記した通り、リアルトラちゃんと三淵乾太郎氏には麻雀以外に共通の趣味がいくつかありました。

そんなお二人は、休みの日は絵画や焼き物の展覧会に足を運んだり、一緒にゴルフを楽しんだりされたそう。

なお、共通の趣味ながらもゴルフについては二人とも全く異なるスタイルでプレイをしていました。

三淵乾太郎氏の長女によれば

「父は理屈でやるゴルフ、母は力で飛ばすゴルフ」

だったのだそうです。

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POSTED COMMENT

  1. まぼろし より:

    「魔女ファイブ」という表記について。
    魔女ってよく「常識外れに強い力を持つ女性」の意味で使われます。必ずしもよい意味ではないことも多く、男性が女性を揶揄したり貶めたりする時に使うことも少なくないので、正直、違和感を感じます。

  2. 還暦のたつお より:

    すみません。重複してしまいました。

  3. 還暦のたつお より:

    寅子さんが美佐江さんの前で、優未さんに対してとった行動。あれは思いっきりまずかったね。これで美佐江さんは、寅子さんを信用しなくなった。僅かな更生の芽を摘んでしまった。抗議に来た父親。狡猾な美佐江さんにとって資産家ではあっても俗物で田舎者の父親を欺くことなど雑作なかったろう。彼女ハンニバル・レクターみたいにならなければ良いけど。

  4. 還暦のたつお より:

    寅子さんが、美佐江さんの前で取った優未さんへの態度。あれはまずかったな、現代的知能犯の美佐江さんに僅かに残っていた逡巡や良心を破壊してしまった。父親に嘘をついて裁判所にどなりこませ。結果、不審理に。美佐江さんの知能を持ってすれば、田舎者で俗物の父親を転がす事など造作もない事だったろう。ラストで寅子さんを憎悪の目で見つめる美佐江さん。寅子さんは自身の失策で美佐江さんを更生させる機会を失ってしまった。彼女がハンニバル・レクターみたいにならなければ良いけど。

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