2024/8/15(木)第20週「稼ぎ男に操り女?」
あらすじ
花江と直明の対立を解決したい寅子は航一に相談しました。そして、第三者の立場から冷静な判断ができそうな航一に、猪爪家に来てもらうことにしました。そして航一を招いての猪爪家の家族会議の日を迎えました。
その日、直明は恋人の玲美を連れてきました。そして航一が同席する中、最初に話を切り出したのは玲美でした。直明の同居に反対するのは、直明が自分と結婚するのに反対しているからなのかと、玲美は花江に尋ねました。
玲美に続けて直明は言いました。亡くなった両親の代わりに花江に恩返しをしたいのだと。直明の言葉を受けて、直人と直治もまた母親である花江に対する気持ちを打ち明け、花江を感激させました。
航一は改めて、玲美に対して猪爪家で同居することへの気持ちを尋ねました。航一の問いかけに対する玲美の答えは猪爪家の面々を驚かせました。玲美は言い切ったのです。どうしても結婚したいとまでは思っていないと。
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感想
桂場さん
桂場さんが梅子さんの作ったあんこに本日も不合格の判定。
落胆する竹もとのおじさんとおばさん。
梅子さんもみんなの前で気丈に振る舞ってはいるけれど落胆は隠せない。
そんな中、トラちゃんがいいフォローをしてくれました。
桂場さんがここまで付き合ってくれるのは異例のこと。
だから梅子さんには見込みがあるのだと。
そんなトラちゃんのツッコミに対して桂場さんはいつもの照れ隠しの言葉で返す。
「この味とこの場所がなくなるのが惜しい、それだけだ!」
実際にそれだけなのかもしれません。
特に、竹もとは戦時中に味と場所を失いました。
甘党の桂場さんはかなり寂しい思いをしたはずです。
でもやっぱり、ここまで付き合ってくれる桂場さん、梅子さんに期待しているのでしょう。
竹もとのおじさんが、今日の出来は悪くなかったと言いました。
ということは梅子さんの腕は日に日に上がっているはずです。
桂場さんも、梅子さんの味が日に日に竹もとの味に近づいているからこそ、こうして竹もとに通って梅子さんのテストに付き合ってくれているのでしょう。
梅子さんのあんこに合格の判定を出すとき。
桂場さんは一体どんな顔をするのか。
本作の中で、その点が今は一番の楽しみかも。
この女、強い!
ナレーションの言葉どおり、玲美ちゃんが強い。
家族裁判が始まる中、本題に真っ先に入っていったのは玲美ちゃんでした。
しかも、本題に真っ先に入るだけでなく、普通なら一番聞きにくいところを真正面から聞いてしまう度胸がすごい。
本当に「この女、強い!」です。
玲美ちゃんが花江ちゃんに、いきなり豪速球を顔面にぶつけました。
「同居に反対なのは、直明さんとの結婚が気に入らないからですか?」
ここまで真正面からの質問をされたら、答えをはぐらかすことなど到底できない。
しかし、花江ちゃんは直明くんと玲美ちゃんの結婚が気に入らないわけではない。
嫁と姑の関係がこじれるのが心配なだけ。
この気持ちは花江ちゃんがトラちゃんにも告げ、トラちゃんも納得していました。
しかしトラちゃんですら納得した花江ちゃんの気持ちに対して、玲美ちゃんがさらに切り返す。
「花江さんは直明さんのお母さんじゃないですよね。」
しかし、よくよく考えてみれば、前回、優未ちゃんが同様のツッコミを入れてました。
星家の家族が顔は笑っていても目が笑っていない事実に対して、トラちゃんはそれは血筋だろうと返答。
しかし優未ちゃんは、百合さんは継母だとツッコミ。
家族関係のこと、トラちゃんは意外にうといのかも。
それはともかく、玲美ちゃんの「この女、強い!」キャラは最後の最後に炸裂しました。
花江ちゃんが玲美ちゃんに問いかけました。
同居をどう考えているのか、本音で話してほしいと。
玲美ちゃんが相手では「本音で話してほしい」なんて頼むまでもないとは思いますが・・・
最後に玲美ちゃんが本音で答え、面々は凍りつきました。
「是が非でも結婚したいわけじゃありません」
玲美ちゃん、本当にこの女、強い!」
予習レビューと史実のリアルエピソード
刃物を向けられたトラちゃん
第15週(73回)7月10日の放送。
離婚調停を担当していたトラちゃんが家裁内で刃物で切り付けられそうになる騒動が発生しました。
この騒動が起こったのは昭和26年。
トラちゃんが新潟県三条市に転勤になる前年です。
ところで史実でも、リアルトラちゃんが裁判所内で刃物を向けられる騒動が発生しています。
その騒動が起こったのは昭和31年。
リアルトラちゃんが名古屋から再び東京勤務になったころ。
今週のドラマで描かれる時代と同じころです。
史実では何が起こったのか。
以下、コンパクトにまとめてみました。
史実:刃物を向けられたリアルトラちゃん
昭和31年5月、リアルトラちゃんは名古屋から東京地方裁判所に戻ってきました。
東京に戻ったばかりのころ、当時リアルトラちゃんが担当していた裁判の当事者である高齢の女性がカミソリの刃を向けてきたのです。
リアルトラちゃんがトイレに入ったそのとき、洗面所でその騒動は起こりました。
リアルトラちゃんの悲鳴を聞きつけた警備員がすぐに駆けつけ、その高齢女性を取り押さえたため、リアルトラちゃんに怪我はありませんでした。
その訴訟事件は、守秘義務があるため内容は不明です。
しかし、この騒動でリアルトラちゃんは深く悩んだのだそうです。
「当事者にそういう気持ちにさせた私自身が、裁判官としての適性を欠くのではないか」と。
一連の出来事はライアンさんの実在モデル・内藤頼博氏が、リアルトラちゃんを追悼する文章の中に書き残していました。
ライアンさんの実在モデル・内藤頼博氏が書き残したカミソリ騒動
その騒動が起こったのは「三淵さんがまだ和田姓」のころ。
リアルトラちゃんは名古屋から東京に戻って3ヶ月には再婚しています。
よって「和田姓」のころということは名古屋から戻って早々のタイミングのはずです。
ある日の夜、リアルトラちゃんが内藤頼博氏宅を訪ねてきたのだそうです。
そして「訴松の当事者のお婆さんに刺されそうになった」と報告。
内藤頼博氏は「とんだ災難にあったものだ」くらいにしか考えていなかったものの、リアルトラちゃんの苦悩は深刻だった。
そんな手記が残されています。
カミソリ騒動のその後
リアルトラちゃんは被害届を警察には出しませんでした。
騒動そのものが表沙汰になることを避けたのだそうです。
被害届を出さず騒動そのものを表沙汰にしなかった確実な理由はもはや誰にわかりません。
しかし「当事者にそういう気持ちにさせた私自身が、裁判官としての適性を欠くのではないか」というリアルトラちゃんの内省が、被害届を出さなかった理由として考えられます。
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昨日の星家と、今日の猪爪家。
まさに対照的でした。
笑顔も会話もない星家の食事風景と、お互い思いやりつつ思ったことを言い合う、わちゃわちゃとした猪爪家の人々。
赤の他人の道男くんまで乱入して…。
この差に航一さんは、何を思ったでしょう。
道男くんの「寅子」呼びに軽く反応する航一さんが、可愛い。
玲美ちゃん「是が非でも結婚したい訳じゃありません」
え?どゆこと?
航一さんを招いての家庭裁判は良い考えですね。ちょっと現実的に考えると、猪爪家の所有はどなたになっているのでしょうか? もしも、花江さんなら,いづれその子供が継ぐことになります。直明さんなら、また別の話になります。 花江さんの子供たちも全て同居というのは無理なので,いづれまた,同じ様な問題が起きます。直明さんが家を出るのは怖い,というのはちょっと,どうでしょうか。気持ちはわかりますが,それは結婚相手に失礼だと思います。結婚はある意味ではこれまでのつながりには残酷なところがあります。でも,敢えて犠牲を払っても一緒にいたい人と結婚するのですから、、ここはやはり直明さんが家を一旦出るのがいいとは思います。私が花江さんなら,気持ちは嬉しいけれど、ややこしいことになるのは嫌と思うでしょう。
でも,玲美さんはなかなか強かの様ですから、、
「手強い。」玲美さんの第一印象。寅子さんには珍しく当たる。どうやら彼女は花江さん、寅子さんよりも遥かに進歩的な考えの女性のようだ。航一さんを迎えた昭和のホームドラマのあと波乱含みで次回へと続く。