2024/9/4(水)第23週「始めは処女の如く、後は脱兎の如し?」
あらすじ
記者の竹中が書いた記事が週刊誌に掲載されると反響を呼び、多くの人々が原爆裁判に関心を持つようになりました。それまで竹中一人しかいなかった「原爆裁判」の傍聴席も、関心の高まりの中で満席になりました。
一方で寅子は思い悩んでいました。原告の損害賠償請求権を認めるのは難しいため、原告をどのように救済できるのか、その方法を考え続けていたのです。同じころ桂場のもとには「原爆裁判」を早く終わらせるように圧力がかけられていました。
そんな中、原告の吉田ミキが法廷に立つ決意を固めたと連絡が入りました。他の4人の原告には法廷に立つことを断られていたため、吉田の決意を岩居は喜びました。一方で寅子は原告の救済のことで頭を悩ませ続けていました。
ある日、痴呆が進んだ百合が騒ぎを起こしました。ちょうどそのとき帰宅したのどかは、騒ぎが起こっていることを察し、家の中に入ろうとはしませんでした。そんなのどかの態度に腹を立てた優未は激怒。のどかを蹴り倒してしまいました。
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感想
政府側の代理人(?)と国際法学者
「原爆裁判」の政府側の代理人(?)と「国際法違反」を真っ向から否定する国際法学者の先生。
お二人もお二人なりに苦悩してるんですね。
国際法学者の先生の言葉が重かった。
「お互い、けっこうなものを背負わされてるね」
この言葉に無言で応えた政府側の代理人(?)の沈黙はさらに重かった。
このお二人が思い悩んでいることも、トラちゃんが今思い悩んでいることと同じことなのかもしれません。
政府側の代理人(?)、登場したばかりの頃は血も涙もないような人に見えました。
しかし、どうやらこの男性も血も涙もある人のようです。
久しぶりに熱くなる桂場さん
司法の独立を絶対と信じる桂場さんが久しぶりに熱いところを見せてくれました。
どうやら桂場さんは政治家から圧力をかけられたらしい。
圧力をほのめかした桂場さんが吐き捨てるように言いました。
「ふざけやがって!」
こんな熱い姿を見せるのは戦時中以来、穂高教授が存命のころ以来かもしれません。
しかし・・・
ちょっとネタバレになりますが、桂場さんはこれから「人が変わってしまう」のだそうです。
桂場さんはこの先の展開の中で最高裁長官に就任。
そこから変わり始めるらしい。
竹もとで息抜きすることもなくなってしまうらしい。
ブログ主はこの桂場さんの変化が怖くもあり、楽しみでもあります。
百合さん
百合さんの痴呆症がさらに深刻な状態に。
財布がなくなったと言って騒ぎを起こした際は、徹夜をしてまで財布を見つけないと百合さんは落ち着きを取り戻さなかったらしい。
しかし財布騒動はまだかわいい方でした。
シチューが腐っているからと言って捨ててしまう。
誰の忠告にも耳を貸そうとはしない。
物忘れがひどい、では済まなくなってきました。
そんな百合さんの騒動がトリガーとなって、新たな騒動が。
優未ちゃん
優未ちゃんがのどかちゃんを足蹴り!
これには驚きました。
小学生の頃から、どこか達観したところがあった優未ちゃんがこんな激しい行動に出てしまうとは。
優未ちゃんの中で、のどかちゃんに対する何からの感情が蓄積されていたのでしょうか。
優未ちゃんは心の中で何を溜め込んでいたのか。
それが次回には明かされますように。
予習レビュー
前回の本欄では、直明くんがトラちゃんの人生にいかに大きなインパクトを与えたかという視点から、直明くんの振り返りを行いました。
今回は、もしかすると今週は雲野先生が最期を迎えるかもしれません。
そこで、出番は少なかったけれども、実はトラちゃんにとってとても重要な人物だった雲野先生の振り返りを行ってみます。
猪爪家を救う
トラちゃんと雲野先生の出会いは、直言さんが贈賄容疑で逮捕されたことがきっかけでした。
花岡くんが穂高先生に直談判したことで、穂高先生は直言さんの代理人を引き受けました。
そして穂高先生の呼びかけによって集められた「共亜事件」の弁護団の一人が雲野先生でした。
穂高先生や雲野先生の活躍によって、直言さんはじめ「共亜事件」の被告たちは全員が無罪を勝ち取ることができました。
当時、トラちゃんは明律大学の学生でした。
当時のトラちゃんには直言さんのために出来ることは限られていました。
雲野先生たちが猪爪家を救ってくれたと言っても過言ではありません。
トラちゃんが二回目の師匠試験に挑めた理由
トラちゃんが最初に挑んだ司法試験は不合格。
すでに明律大学も卒業しており、トラちゃんは厳しい選択を迫られました。
稼ぐこともせず食べるだけのつもりかみたいな厳しいことを言われ、はるさんから問い詰められたトラちゃん。
トラちゃんは働きながら次の司法試験に挑むと決意。
トラちゃんの決意をはるさんは受け入れました。
そのトラちゃんの決意を支えたのが雲野先生でした。
トラちゃんは雲野法律事務所で職を得ることで、司法試験の受験勉強を続けられることに。
雲野法律事務所でなくても、優秀なトラちゃんなら他の事務所で職を得ていたことは十分に考えられます。
しかし、雲野先生の事務所だったからこそ法律の勉強をしやすかったということも十分に考えられます。
また、二度目の司法試験の直前はトラちゃんにとっても試練の時でもありました。
涼子さま、ヒャンちゃん、梅子さんの三人が司法試験を断念。
仲間たちが離脱する寂しさも、もしかすると雲野先生の暖かいお人柄が支えてくれていたかもしれません。
弁護士としての第一歩
司法試験に合格したトラちゃんが弁護士としての第一歩を踏み出したのも雲野先生の事務所においてでした。
しかし、弁護士資格がありながらも依頼が入ってこないトラちゃん。
依頼が入らなかった理由はトラちゃんが女性だから。
シビアな弁護士だったら、依頼のないトラちゃんをお茶汲みか良くても雑用を任せる助手くらいの扱いにしてしまったかもしれません。
トラちゃんに仕事が舞い込んでこなかった時期。
トラちゃんも厳しかったと思いますが、トラちゃんの雇い主である雲野先生だって厳しかったはず。
仕事は取れなくて報酬は入ってこないその一方で、人件費だけが出て行くわけですから。
雲野先生、よく耐えてくれたと思います。
戦後の雲野事務所
弁護士の仕事が取れないトラちゃんを雇い続けた雲野先生ですが、こんな意見も出てくるかもしれません。
終戦直後、雲野先生はトラちゃんを雇わなかったではないかと。
そんな意見の持ち主には経営をしっかりと勉強してもらいたい。
終戦直後のタイミング、そんな余裕なんて雲野事務所はなかったはずです。
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政府の代理人さん、木で鼻を括ったような対応に終始しなんという冷血漢と思っていましたが、ただ仕事に忠実な真面目人間だったようですね。
綺麗に広げた風呂敷に丁寧に資料を包む姿に、律義さがあふれていました。
代理人さんも、内心辛いのかもしれません。
「こちら側へようこそ!」
こんな風に明るく言ってくれる人生の先輩がいるって、心強い。
百合さん、かなり進んじゃった様子。
どんどん髪がザンバラになって…。
それにのどかちゃん。
進路のことで、ずいぶんいろいろあったようですね。
家族(のようなもの)、上手くいっているように見えたのですが。
優未ちゃんの怒りの蹴り!
優未ちゃん、チビ千代ちゃん(「おちょやん」)入ってた!
それにしても最近の『虎つば』は、なんだか盛りだくさんですね。
朝からちょっと、お腹いっぱい…。
今日は余貴美子さんDAY。
昼の40代の「ちゅらさん」から「虎に翼」の60代の余さんにタイムスリップ。百合さんは80代くらいの設定?続いてフジの「黒井戸殺し」。夜は「新宿野戦病院」。おっと「ファミリーヒストリー」ナレーションも。どの余さんも存在感。
ついにキレた優未&のどか
本音で喧嘩できるなんて、姉妹ぽくていいです
それはともかく、のどかさん美大進学を諦めてたのですね
いつも展覧会行ってたり、友達の制作手伝ってたり、アート系だと思ってたので、銀行勤務は意外だったのですが、
意に反しての英文科→銀行の安心安定コースだったのですね
それも、それを勧めたのが百合さんというのも意外です
自ら女中のように控えめに生きてきた感じなのに、進路には意見してたんですね
子供に進路を押しつけるなとか、
誰に何言われようと自分の夢を追えとか、
正論を言うのは簡単ですが、
現代でもまだまだ悩むこの問題、昭和時代の百合さんやのどかさんを責めることはできません
あの蹴りは『おちょやん』でトータス松本を蹴ったシーンのオマージュでは?
被告の弁護士、法学者もそれなりにやりきれない思いを抱えていた。あの惨状から日が経っていないし失ったものは余りに大きい。大きな課題を抱え込んだまま百合さんの認知症は進行し。寅子さんも更年期障害。「こちら側に来た。」喜ぶ白いお姉さん。出廷する証人。優未さんも重いものをしょいこんでた。気ままに振舞うのどかさんに遂に爆発。