2025/3/26(水)最終週/第25週「おむすび、みんなを結ぶ」
あらすじ
歩の会社で服のコーディネートを任された詩が意外な才能を発揮し、店の面々を驚かせました。歩は詩のセンスの良さに着目。他のコーディネートも詩にやらせてみると、どれも歩を感激させる出来栄えでした。
その日の夜、詩は歩と一緒に食事をすることができました。そしてその翌日も、歩は詩を店に連れて行きコーディネートをやらせてみました。次第に詩も、コーディネートに関して自分の意見を言えるようになりました。
一方の結は入院患者・丸尾の対応に悩み続けていました。医師が丸尾の手術を急ごうとする中、食欲不振の丸尾は食事をとろうとしなかったのです。そんな中で結は丸尾の食欲不振は、入院中の聖人が食欲不振に陥ったのと同じ理由ではないかと考えました。
その日の夕方、歩に呼び出され結は神戸の米田家に足を運びました。その時、米田家には詩はいませんでした。歩は結に告げました。未成年後見人制度を使って、詩が18歳になるまで自分が引き取るつもりだと。
おむすび|感想あらすじネタバレトップページ
感想
詩ちゃん
詩ちゃんの思いがけない才能が発掘されました。
詩ちゃんが歩ちゃんの存在を知っていたこと。
キングオブギャルのミラーを大事に持っていたこと。
そのミラーにはギャル仲間(?)たちとのプリ写が貼ってあったこと。
また前回、詩ちゃんは安室奈美恵が好きであることも判明。
どうやら詩ちゃんもギャルだったらしい、そんな過去が暗示される描写が積み重ねられましたが、それらがここに来て回収されました。
詩ちゃんは自分の居場所を見出せず、歩ちゃんに助けを求めました。
この詩ちゃんの姿を見て思い出したのがルーリーです。
ルーリーは家族こそいましたが、家庭内に自分の居場所はありませんでした。
ルーリーにとっての自分の居場所はハギャレンだけ。
だからハギャレンをどうしてもつぶしたくはなかった。
あの頃のルーリーと詩ちゃんが重なってみました。
詩ちゃん、中学生時代は両親は亡くしたけれどギャル仲間の存在によって、かろうじて自分の居場所を確保できていたのかも。
しかし中学校を卒業後、スーパーマーケットに就職。
社会人となりギャル仲間とのつながりも途絶えてしまったのでしょう。
身よりもない、ギャル仲間もいない。
自分の居場所を失い絶望していたのが入院していた頃なのかと。
ところで「自分の居場所」という言葉を繰り返し使いましたが、「自分の居場所」とは自分のことを認めてくれる存在がいる場所です。
詩ちゃん、その場所がやっと見つかったのかも。
歩ちゃんのお店がそれです。
お店の面々も、歩ちゃんも詩ちゃんのセンスを心から褒めてくれました。
決してお世辞ではない心からの称賛。
これまで居場所がなかった・・・自分のことを認めてもらえることがない環境にいた詩ちゃんはどれほど嬉しかったことか。
歩ちゃんの店が詩ちゃんの居場所になりますように。
そして、詩ちゃんはナベべが引き取るというネット上でよく見かける展開予想はこれでなくなるかなと思います。
ナベべにとっては詩ちゃんは特別な存在になるかもしれません。
でも詩ちゃんにとってナベべは、そこらのじいさんと変わりありません。
ナベべが引き取ると言い出しても、詩ちゃんは再び自分の居場所を失いかねない。
仮にブログ主がこの先の展開を知らなかったとしても、ナベべが詩ちゃんを引き取るという予想はしないかなと思います。
歩ちゃん
歩ちゃんが詩ちゃんに関心を持ったそもそものきっかけは、詩ちゃんが真紀ちゃんに似ているというその一点でした。
なので、放ってはおけない存在にはなりましたが、果たして真紀ちゃんに似ているというだけで、放ってはおけない以上の存在になったかどうか。
しかし、詩ちゃんの意外な才能によって、詩ちゃんは歩ちゃんにとって特別な存在になったようです。
詩ちゃんの中に才能を見出した歩ちゃんは考えたのかもしれません。
これだけの才能があれば、自分の店で活躍できる場所を提供できるかもしれない。
詩ちゃん本人が歩ちゃんの店の仕事に興味を示さなくても、別の世界でいくらでも力を発揮できるのではないか。
そんなポテンシャルを秘めた子が、自分は生きていても無駄とすら考えている。
一方で、詩ちゃんと同じような才能に恵まれながら、行きたくても生きられなかった真紀ちゃんのような存在もいます。
歩ちゃん、前回久しぶりに真紀ちゃんを思い出し涙を流しました。
前回の歩ちゃんと涙と今回の詩ちゃんの才能の発見。
その2つがつながったように見える回でした。
予習レビュー
NSTの閉鎖
最終週、結ちゃんはステージ3の大腸ガン患者と向き合います。
またその患者さんと向き合う過程で、NST閉鎖というピンチに遭遇します。
大阪新淀川記念病院では新しい理事長が就任。
その新理事長がNST閉鎖を決定するらしい。
閉鎖の理由は医療スタッフの不足です。
パンデミック下で大阪新淀川記念病院では医療スタッフが次々と辞めてしまったのだそうです。
そして日常が戻る中で医療スタッフの不足という課題が浮上。
少なくなった医療スタッフが持ち場の仕事に集中できるよう、持ち場を離れることが求められるNSTの活動休止が決定されます。
理事長のこの決定は事務局長の武田さんという方から結ちゃんたちに伝達されます。
結ちゃんにとっては受け入れ難い決定ですが、理事長の決定をくつがえすことは容易ではありません。
結ちゃんと医師のギャップ
NSTの閉鎖が決まる中で結ちゃんにとって気がかりなのは、上に記したステージ3の大腸ガンの患者さん・丸尾さんの存在です。
その方は食事がすすまない。
なので体力が落ちている。
その状態で手術をしてしまうと合併症のリスクが生じるということです。
結ちゃんとしては手術を延期して食事をとって体力を回復させたい。
しかし医師は、一刻も早く手術が必要だと考えている。
結ちゃんと医師の考え方のギャップが最終週の主人公のクライマックスです。
丸尾さん
ステージ3の大腸ガンの患者さん・丸尾さんが食事をとれなかったのは、かつての聖人さんと同じ理由でした。
手術が怖かった。
手術が失敗し後の家族のことが心配だった。
それらストレスから食事を取れなくなっていることを結ちゃんは見抜きます。
そして聖人さんのときと同じアドバイスをすることで、その患者さんはようやく食事ができるように。
ところが・・・
結ちゃんの努力もむなしく丸尾さんの手術の前倒しが決定。
しかし、あの冷徹な女医・蒲田先生のまさかの活躍によって最後は丸く収まるのが主人公のクライマックのオチですが、詳細は見てのお楽しみ。
本欄ではこれ以上のことは伏せておきます。
おむすび|感想あらすじネタバレトップページ