あんぱん

嵩が舞台美術を手がける / あんぱん 第99回

2025/8/14(木)第20週「見上げてごらん夜の星を」

あらすじ

たくやと栄輔の勢いに圧倒された嵩は、二人の頼みであるミュージカルの舞台美術を引き受けることにしました。さっそく絵コンテを仕上げた嵩は、改めて求めているイメージを栄輔に質問。すると栄輔は、イメージは嵩にすべて任せると答えました。

栄輔の変人ぶりに愚痴をこぼしながらも、嵩は黙々と絵コンテを描き続けました。そんな嵩の姿を見て、のぶは楽しそうだと言ってそっと寄り添いました。嵩もまた、栄輔やたくやと一緒に仕事するのを楽しむようになりました。

数日が経過し、舞台の本番初日の前日を迎えました。通し稽古を終えた後、栄輔は最後の最後まで細かい修正を加え、たくやたち他のメンバーを困惑させました。そんな面々の仕事ぶりに嵩は圧倒されました。

本番初日の前日に曲の修正を栄輔から求められたたくやは美しい歌を完成させ、嵩や差し入れを持ってきたのぶを感動させました。そして迎えた開演。栄輔たちのミュージカルは多くの観客たちの心をつかみました。

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感想

楽しそうな嵩くん

「独創的というか変人というか個性が強過ぎる」と愚痴る嵩くん。

そんな嵩くんに対してのぶちゃんが鋭い一言。

「嫌な気はせんやろ、嵩さん楽しそう」

のぶちゃんが指摘するととおり、嵩くん本当に楽しそうでした。

そして嵩くんが楽しそうに仕事に没頭する姿を見るのは久しぶりのことかも。

しばらく嵩くんは停滞期におちいっていたので。

嵩くんが趣味や学校の課題ではなく仕事として絵を描いた最初の体験は軍隊の宣撫班での紙芝居づくりでしょうか。

それまでの過酷な軍隊生活とのギャップもあったのでしょうが、あの時の嵩くんは楽しそうだった。

絵を描くことに没頭していました。

嵩くんが高知新報で働いているときも、楽しそうとまでは見えませんでしたが少なくとも仕事に没頭はしていました。

実際に仕事に没頭する姿は何度も描かれました。

そしてその仕事は上司である東海林さんから高く評価されていました。

嵩くんの存在そのものも東海林さんから有り難がられていました。

嵩くんも自分の存在意義を噛み締めていたことかと。

三星百貨店では、嵩くんの仕事への上司の評価はますます高まっていました。

嵩くんに頼り切っているのではないか。

そんな風に見えることもしばしば。

重宝がられることで、嵩くんは冷静ながらも黙々と仕事に没頭していました。

手嶌治虫の才能にプレッシャーを感じながらではありましたが。

そんな嵩くんが三星百貨店を退職

いきなり嵩くんに辞められて、あの後宣伝部はかなり困ったのではないかと思います。

そしていきなり辞めた嵩くん当人も困ることになりました。

満足のいく仕事が出来ない。

そもそも仕事が少ない。

そして、嵩くんの楽しそうな表情は消え、仕事に没頭する姿も消えました。

嵩くんの停滞期の始まりです。

そんな中で、独創的で変人で個性が強過ぎる人からの仕事の依頼。

嵩くんが断ろうと口をパクパクさせている間に、強引に引っ張り込まれる。

でもやってみると面白い。

本番初日の前日の夜、本番直前のタイミングに曲の修正を変人から頼まれたたくやくんが嵩くんに言いました。

「いいものを作る、これを言われると弱い」

嵩くんも同じ気持ちだったのでしょう。

いいものを作る情熱。

停滞期の嵩くんが久しく忘れていた気持ちです。

これで嵩くんのハートに火がつくといいのですが・・・

たくやくん

独創的で変人で個性が強過ぎる栄輔くんの出番はおそらく今週だけと思われます。

もっと変人ぶりを見せてもらいたかったので残念。

一方、栄輔くんほど変人ではないけれど、それでも普通の人に比べたら十分すぎるほどに独創的で変人で個性が強過ぎるたくやくん。

彼はこれからますます出番が増えるはずです。

本番初日の前日の夜、ベンチにかけている嵩くんの隣にたくやくんが座り、二人で話し込む場面。

これから二人が力を合わせて一緒に仕事をする日々を暗示しているかのようでした。

この二人の関係。

史実では、リアル嵩くんが歌詞を書き、リアルたくやくんが曲をつける。

そんなことを仕事とは関係なくずっと続けていたようです。

そんな関係が続いた末に、ある日リアルたくやくんはリアル嵩くんの作品をミュージカルにしてみないかと提案。

そのミュージカルが『アンパンマン』でした。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

いせたくやと六原永輔

数週前から登場しはじめていた作曲家・いせたくやが今週はいよいよドラマの真ん中近くに入ってきます。

いせたくやはミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の音楽を手掛けていました。

このミュージカルの中心人物は新進気鋭の演出家・六原永輔。

六原永輔は自身が演出する『見上げてごらん夜の星を』の舞台美術を嵩くんに依頼しようと考える。

そこで嵩くんとつながりがあるいせたくやに嵩くんを紹介してもらう。

そんな形で、六原永輔は嵩くんに舞台美術を依頼。

また、六原永輔を嵩くんに紹介したいせたくやもまた、ミュージカルの仕事が終わってから作詞を嵩くんに依頼。

これまで嵩くんの活動圏外にいたいせたくやが、今週から嵩くんの活動圏内に入ってきます。

ところで、作曲家のいせたくやと演出家の六原永輔には実在モデルがいます。

作曲家・いせたくやの実在モデルはいずみたくさん。

演出家・六原永輔の実在モデルは永六輔さん。

二人の実在モデルそれぞれの略歴について、以下にまとめました。

【史実】いせたくやの実在モデル:いずみたくさん

昭和5年(1930年)東京府東京市下谷区(現:東京都台東区)で生まれる。

本名は今泉隆雄。

昭和20年(1945年)仙台陸軍幼年学校に在学中、終戦を迎える。

昭和21年(1946年)東京府立第五中学校を卒業。

同年、鎌倉アカデミア演劇科に入学。

昭和25年(1950年)に舞台芸術学院演劇学科を卒業。

昭和30年(1955年)朝日放送ホームソングコンクール・グランプリ受賞。

昭和35年(1960年)永六輔とミュージカル『見上げてごらん夜の星を』を制作。

その際にやなせたかし氏を紹介される。

昭和36年(1961年)やなせたかしさん作詞の『手のひらを太陽に』を作曲。

昭和37年(1962年)『手のひらを太陽に』がNHK『みんなのうた』で放送され大ヒット。

「作詞:やなせたかし、作曲:いずみたく」という運命的コンビが誕生する。

【史実】六原永輔の実在モデル:永六輔さん

昭和8年(1933年)最尊寺の住職・永忠順の次男として東京府東京市浅草区(現・東京都台東区)で生まれる。

本名は永孝雄。

早稲田高等学校に在学中より、NHKのラジオ番組『日曜娯楽版』にネタの投稿を開始。

この経験が放送作家の原点となる。

昭和27年(1952年)早稲田大学第二文学部に入学。

同年、コントを制作する芸術団体「トリロー文芸部」にスカウトされ早稲田大学第二文学部を中退。

「トリロー文芸部」に所属した際、ペンネームとして「永六輔」を名乗り始める。

昭和28年(1953年)テレビ放送が開始され「トリロー文芸部」に大量の仕事が舞い込む。

同年、民放ラジオ制作会社「冗談工房」を設立し社長に就任するも、ほどなくして経営は破綻する。

昭和31年(1956年)酒井昌子と結婚。

昭和35年(1960年)ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』大阪労音で初演。

同ミュージカルの挿入歌『見上げてごらん夜の星を』が大ヒット。

「作詞:永六輔、作曲:いずみたく」という運命的コンビが誕生する。

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POSTED COMMENT

  1. よるは去った より:

    栄輔「素晴らしい曲が出来たので・・・・・。」

    私はこの曲を最初にフォーリーブスで聴きました。
    坂本九さんが歌っていたのはその後で知りました。

    でもそれより以前に名作ミュ−ジカルの歌だったとはちっとも知りませんでした。

    今日のラストシ−ンはのぶちゃん、嵩君と一緒に感慨深く視聴しました。

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