あんぱん

嵩が紙芝居を披露する日 / あんぱん 第57回

2025/6/17(火)第12週「逆転しない正義」

あらすじ

嵩と健太郎は夜を徹して紙芝居『双子の島』を完成。そして嵩と健太郎が仕上げた紙芝居は審査にかけられました。審査にかけられたその紙次第は、八木が助け舟を出したおかげで無事に合格しました。

そして迎えた現地の村人に対して紙芝居を披露する日。日本兵によって厳重に警備され、重苦しい雰囲気の中で始まった嵩たちの紙芝居でしたが、やがて村人たちの間で笑いや拍手が起こるようになりました。

泣かすつもりの場面で笑いが起きるのが嵩と健太郎には不思議でした。通訳によって、嵩が意図していたものとは異なる伝わり方をしたものの、村人たちを喜ばせたことを上官たちは評価。その日以来、嵩は紙芝居を作り続ける日を送ることになりました。

しかし戦況は悪化し嵩たちの駐屯地も大規模な攻撃を受け多数の負傷者を出しました。嵩が元の分隊に戻される中、補給路も敵の攻撃によって絶たれ食糧の調達が困難になりました。そして嵩たちの部隊では空腹との戦いが始まりました。

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感想

八木さんの助け舟

嵩くんが宣撫班に入るきっかけを作ったのは八木さんでしたが、嵩くんか完成した紙芝居が審査に合格する助け舟まで出す八木さん。

どこまで優しい人なのか。

しかし八木さんは嵩くんからのお礼を受け入れようとはしない。

「鬼退治よりはマシだと言っただけだ」

言われてみらば確かに八木さんは嵩くんの紙芝居を評価したわけではありません。

勧善懲悪の話にしたら暴動が起きた。

だから勧善懲悪の話は避けるのが無難でないのか。

言ったのはこれだけ。

しかし、最も説得力のある言い方でもありました。

そして、紙芝居のストーリーを由来を尋ねる八木さん。

嵩くんが説明した清さんの手帳にあった記述に八木さんは反応していました。

文学青年の八木さん、新聞記者だった清さんの名文に感じるものがあったのでしょう。

しかし八木さんは嵩くんが油断しないように釘を刺すことも忘れなない。

「また騒動が起きたらお前の責任だ、絶対にしくじるなよ」

そして迎えた紙芝居披露の日。

通訳の異訳によって地元民の笑いをとることに成功しましたが、通訳のおじさんに異訳するよう吹き込んだのも八木さんと考えるのはうがち過ぎでしょうか。

嵩くんと健ちゃん

学生時代に戻ったような嵩くんと健ちゃんの姿。

このところつらい場面が続いてきたので、久しぶりにほっとできる場面でした。

誰もいないところでは伍長殿はやめてくれという嵩くん。

そして嵩くんは健ちゃんのことを「健ちゃん」と呼び、健ちゃんは嵩くんのことを「柳井くん」と呼ぶ。

懐かしい学生時代が戻ってきたようです。

そして、絵に没頭すると声をかけても反応しない嵩くん。

そんな嵩くんを嬉しそうに見つける健ちゃん。

そんな癒されるひとときもあっという間に終わってしまいました。

終戦までの最悪の時期

昭和20年3月10日。

ついに終戦の年に入りました。

ちょっとネタバレになりますが、今週の最後に終戦を迎えます。

そして、終戦までの最悪の時期が今週描かれることになるのですが、それが今回から始まりました。

今回はまだ平穏な日々が続くのかなと予想していたので、この急展開にはびっくりです。

嵩くんたちの駐屯地は大規模は攻撃を上けて負傷者多数。

予告映像の中にもあった負傷して血まみれの兵士たちの映像も今回登場しました。

ほんの一瞬だけだったので救われましたが、朝ドラらしからぬ映像には衝撃を受けました。

嵩くんと健ちゃんが紙芝居づくりに没頭できるのもわずかな間で終了。

嵩くんも元の分隊に。

しかも、補給路が絶たれ食糧難に陥りそうな事態に。

最後の数分でストーリーは一気に暗転。

そして、食事の回数と量が減らされる中、そのことに誰よりも早く不安を口にする康太くん。

食い意地のはっていた小学生時代の性格が回収され始めました。

明日から金曜日までの3回は過酷な場面が続くことが予想されます。

ついに本作は物語前半の山場を迎えます。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

宣撫班(せんぶはん)とは

今週、嵩くんは部隊の宣撫班(せんぶはん)に入ります。

嵩くんたちの部隊は当面は治安維持に当たり幸運にも戦闘はない。

そんな中、嵩くんは絵のうまさを買われて宣撫班に入ります。

宣撫班(せんぶはん)とは、旧日本軍が占領地域で住民の協力を得るために組織した小部隊です。

戦争目的の宣伝や民生に役立つ活動を行うこと。

地元民からの反感を買わず、誰もが喜ぶ紙芝居を作るのが嵩くんに与えられたミッションです。

しかし嵩くんは乗り気ではありません。

東洋平和を守るための正義の戦争のはずが、実際には地元民から憎まれている。

そんな現実に嵩くんは直面しているからです。

そんな不満を健ちゃんに口にしながら、なかなか紙芝居のアイデアが浮かばなかった嵩くん。

出撃前の千尋くんからもらった清さんの手帳の中の記述に嵩くんはヒントを得ます。

千尋くんから受け取った清さんの手帳がここで回収されるわけです。

なお、この手帳はもう一回、もっと重要な場面で回収されます。

さて、その手帳には「東亜の存立と日支友好は双生の関係だ」と記されていました。

日本と支那はともに歩いていくという意味です。

この清さんの手帳をもとに、嵩くんと健ちゃんは徹夜で紙芝居を仕上げます。

紙芝居のストーリー

嵩くんが作った紙芝居のストーリーは次のとおりです。

昔、ある島に一人の男が住んでいました。

その男は食べ物を探すために隣の島に行くこと。

その島には、人相がわからないほど顔が汚れている男が住んでいました。

そして二人は喧嘩を始めます。

ところが、殴り合ううちに不思議なことに気が付きます。

相手の顔を殴ると自分の顔も痛くなり、相手の頭を棒で殴ると自分の頭にタンコブができるのです。

二人は傷だらけの顔を池の水で洗うと、なんと水面に映る二人の顔はそっくり。

実は二人は双子でした。

しかし、別々の島に育つことになったのです。

自分たちが双子だとわかった二人はケンカをやめようと話し合いました。

以上。

なお、嵩くんが紙芝居をつくったエピソードは史実がもとになっています。

紙芝居のストーリーも史実どおり。

そして史実の中でリアル嵩くんがつくった紙芝居のタイトルは『双生譚』。

『双生児物語』または『双子ものがたり』だったとも言われています。

さて、嵩くんの紙芝居の評判は現地の人々にも上々。

その評判は上官にも伝わり、嵩くんは宣撫班の絵画制作主任に。

その後、嵩くんと健ちゃんは来る日も来る日も紙芝居づくりに専念します。

しかし戦況は悪化の一途をたどってしまい・・・

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POSTED COMMENT

  1. 名乗る程の者ではございません より:

    NHKは公共放送で国営放送みたいなもんだろ、なんだよ今朝の速報は?
    進捗中なことを速報にする意図がわからん、ど~でもいいことを速報にして顰蹙買うのはフジテレビだけでええわ!

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