あんぱん

八木が嵩の詩の才能確信 / あんぱん 第107回

2025/8/26(火)第22週「愛するカタチ」

あらすじ

八木のひらめきで作った嵩の詩とイラストが入った皿とマグカップは飛ぶように売れ、追加の注文が次々に舞い込むようになりました。そんな中、八木はもっともっと詩を書けと嵩に言いました。

詩を書くことに没頭する嵩がのぶは心配でした。ところが嵩は言葉が次々と浮かんでくるので大丈夫だと言って、詩を書き続けました。嵩はこれまで出会った人のことを思い出すだけで言葉があふれ出てきました。

嵩の詩の才能に確信を持った八木は、自分の会社に出版部をつくり嵩の詩集を出すことを決めました。そんな中、八木が子供たちに注ぐ愛情を知った蘭子は、八木に対して特別な感情を抱かずにはいられませんでした。

ある日、八木は嵩を訪問し嵩の詩集を出版することを告げました。八木の提案を快諾した嵩は、八木に対して詩集のタイトルを『愛する歌』にしたいと提案。八木は詩集のタイトルを嵩が考えたものにすると即決しました。

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何かが大きく動き出す予感でいっぱいの回でした。

八木さんによる嵩くんの詩集の出版。

そして蘭子ちゃんの恋バナ。

これから色々なことが動き出すのでしょうか。

感想

八木さんの行動の源

嵩くんの詩にのめり込む八木さん。

嵩くんの詩が入った皿やマグカップがヒットしたことで詩集まで出そうと言い出す八木さん。

こんな展開になることは事前に知っていましたが、一つだけ違和感を感じていたことがありました。

八木さん、こんなに商魂たくましい人ではなかったのに人が変わってしまったの?

そんな違和感です。

今回のドラマの中で嵩くんも同様の疑問を口にしていました。

八木さんはそんなにお金儲けに興味がある人ではないはずなのにと。

その違和感は今回のうちに解消。

お皿とマグカップは飛ぶように売れても、その収益は工房がほとんど取るらしい。

八木さん、自社の利益のためではなく嵩くんの詩を世に広めることに興味があるみたいです。

出版部門を作ると二人の社員に宣言した時に八木さんが口にした言葉からも、八木さんの思いが伝わってきました。

経験のない出版部門を作ることは収益増大よりも赤字のリスクの方が大きい。

でも八木さんの会社設立の目的は利益の増大でも赤字を出さないことでもなく「優しさや思いやりの心を広げたい」ことにある。

そんな目的を持ったのは戦争を経験したから。

戦地で岩男くんが命を落としたとき、八木さんは珍しく感情を爆発させました。

あの八木さんの姿が今回になってようやく回収されたような気がします。

あの時の八木さんの嘆きが、今の八木さんのやっていることすべての源になっているのかもしれません。

蘭子ちゃんの恋バナ再び

蘭子ちゃんの恋バナが再び始まりました。

いつだったか、八木さんに恋をしているのではないかとのぶちゃんから指摘されても涼しい顔をして恋愛はもうしないと宣言していた蘭子ちゃん。

前言を撤回する必要が生じてきました。

あの時のぶちゃんは蘭子ちゃんの恋心の芽を見つけていたのかもしれません。

自分のことにはにぶいのぶちゃんですが、妹の恋心には敏感なようです。

でも蘭子ちゃんは恋心の芽を自覚できませんでした。

恋心の芽を自覚できなかったことが蘭子ちゃんの中で油断が生まれたのかな?

芽を自覚していたら蘭子ちゃんみたいな性格なら芽のうちに摘んでしまったことも考えられます。

でも芽を自覚しなかったので芽が育ってしまったようです。

そしてどうやら蘭子ちゃん、芽が育ち花が咲き始める今のタイミングになって、ようやく自覚したらしい。

八木さんと蘭子ちゃんの二人きりの濃密な場面。

その後、事務所を出た蘭子ちゃんが必死になって熱をさますような表情。

蘭子ちゃんの恋は確定。

八木さんも繊細な感性の持ち主なので蘭子ちゃんに気持ちに気がついたかもです。

蘭子ちゃんと八木さんの恋バナが始まりました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

嵩くんが詩集を出版

前週の最後に嵩くんはあんパンを配るヒーローの漫画を描きました。

嵩くんはその漫画の原稿を出版社に持ち込むものの、どこからも見向きもされないまま数年が結果したところから今週がスタート。

今週の始まりは昭和41年(1966年)春。

昭和40年代に入りました。

ところで前々週、嵩くんがミュージカルの仕事に関わった週のことです。

英輔くん、たくちゃん、そして八木さんの三人が嵩くんの中に眠る詩人の才能を見抜き、のぶちゃんもまた嵩くんが口にする言葉が詩であることに気づきました。

そして前週は嵩くんが作詞した歌『手のひらを太陽に』が大ヒット。

一連の出来事によって嵩くん自身も自分の中にあったのに気づいていなかった才能に気がついたのでしょうか。

今週の嵩くんは詩集を出版します。

詩集のタイトルは『ぼくのまんが詩集』。

しかし嵩くんが出版した詩集は自費出版です。

なので書店の店頭に並ぶことはなく、嵩くんはのぶちゃんはじめ周囲の仲間たちだけに自分の詩集を配るようです。

そして、その詩集は詩をこよなく愛する八木さんの目にも留まります。

上にも述べたように八木さんはもともと嵩くんの詩人としての才能を見出していました。

そんな八木さんが嵩くんの詩集を見て黙っていられるはずがありません。

八木さん、まさかの行動を始めます。

八木さんが嵩くんの詩集を出版

嵩くんが自費出版した詩集『ぼくのまんが詩集』を読んだ八木さん、その頃はすでに雇われ店長として働いていた雑貨店のオーナー経営者になっているらしい。

会社の名前な「九州コットンセンター」。

店名は雑貨店の時と同じです。

雑貨店を前オーナーから買い取るか譲り受けるかして、それを法人化したのでしょう。

そんな八木さん、自分の会社に出版部を作るので、そこで詩集を出版しないかと嵩くんに提案します。

八木さん、自社に出版部を新設するほどに嵩くんの才能に惚れ込んでいるらしい。

ところで嵩くんは英輔くんやたくちゃんらの天才たちに才能を認められてきました。

八木さんもまた、もしかすると軍隊時代から嵩くんの才能を何らかの形で感じていたのかも。

だから、この才能を軍隊なんかで死なせたくないと考えた・・・とブログ主は妄想しています。

妄想はともかく、嵩くんに商業出版しないかと誘った八木さんの提案は実現し、『愛する歌』が出版される運びとなりました。

【史実】詩集『愛する歌』

リアル嵩くんが詩集『愛する歌』を出版したのは昭和41年(1966年)。

当時、詩集は500部売れるかどうかというレベルの売れないコンテンツだったようです。

ところがリアル嵩くんの詩集『愛する歌』は10万部を売り上げる大ヒット。

10万部といえば売れないコンテンツである詩集以外の出版物であっても悪くない数字です。

リアル嵩くんの詩集はそれほどのヒットでした。

詩集『愛する歌』を出版した前年の昭和40年(1965年)ごろ。

リアル嵩くんは詩集『ぼくのまんが詩集』を自費出版していました。

当時、リアル嵩くんはラジオ放送などの脚本を書いた際に、その劇中で使われる詩も自分で作詞していました。

しかし、そこで使われた詩は放送で一回使われるだけで作品として消えてなくなってしまう。

そこでリアル嵩くんは自費出版の詩集という形で自作の詩を残すことにしたのだそうです。

この自費出版の詩集に目をつけたのがサンリオの創業者で八木さんの実在モデルで「山梨シルクセンター」の経営者・辻信太郎氏です。

辻信太郎氏は自社に出版部を作るので詩集の商業出版をしないかとリアル嵩くんに提案。

こうして出版されたのが『愛する歌』。

昭和41年(1966年)9月、リアル嵩くん初の商業出版による詩集『愛する歌』が出版されました。

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POSTED COMMENT

  1. よるは去った より:

    信之介「自費出版なんかじゃなく・・・・もっと大勢の人に読んでもらうんだ・・・・。」

    昨日、よく行く書店を覗いたら、目につきやすい場所にやなせ先生の詩集が文庫本で置いてあるんです。

    やはりタイミング逃さないなあ。

    「マッサン」の時も良いタイミングで「サントリーホワイト」「サントリーレッド」がス―パ―の目立つところに置いてあったりしたし。

  2. このドラマ、先週辺りから、画面の構図、カット繋ぎが大きく変化している。最終章に向けてラストスパートがかかったか?気になるのは八木さんと蘭子さんの恋の行方、八木さんは戦争で妻子を、蘭子さんは夫を失っている。二人の大きな喪失感が、二人の距離を縮めているのか?

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