2025/8/27(水)第22週「愛するカタチ」
あらすじ
八木の会社に新設された出版部によって嵩の詩集が出版されました。そして出版された詩集の宣伝のために、嵩のサイン会が行われました。八木のアイデアでそのサイン会は女性の下着売り場で行われ女性ファンが大勢集まりました。
嵩の詩集『愛する歌』の売れ行きは好調で重版されることも決まりました。そして八木は第二集を出版することを決定。八木からの電話で重版や第二集出版の知らせを受けたのぶは、嵩を心から祝福しました。
そんなのぶと嵩の仲の良さそうな様子をメイコはうらやましそうに眺めていました。そのころメイコは健太郎との夫婦仲のことで思い詰めていました。そして秘めた思いをのぶと蘭子にだけ打ち明けました。
その数日後、柳井家にやって来た健太郎にのぶは嵩の詩を読ませました。それはメイコの孤独な気持ちを表した詩でした。健太郎はようやくメイコに寂しい思いをさせていたことに気がつき、メイコに頭を下げて謝りました。
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感想
八木さん
嵩くんの詩集を出版しようと八木さんが言い出したのが前回。
今回すでに詩集は出版され、嵩くんのサイン会の場面からスタート。
サイン会の会場はまさかの女性下着売り場。
嵩くんの詩集は女性にウケがいいだろうから女性が集まる場所でサイン会、というのが八木さんの考えらしい。
嵩くんの詩とイラストが入った皿とマグカップも大ヒット。
詩集も大ヒット。
八木さんにこんな商才があったとは。
しかし、考えてみれば八木さんの商才は終戦直後の場面で暗示されていました。
闇酒をつくったのはそれが一番よく売れると知っていたから。
そして実際によく売れたらしく、ガード下の人々は闇酒でボロ儲けしたと言ってました。
進駐軍の宿舎でゴミを集め、それを再生して闇市の片隅みで細々と売っていた健ちゃんや嵩くんには考え付かなかったことです。
八木さん、まだまだ何かをしてくれそうです。
そして、そんな八木さんのことを思い続ける人が現れました。
蘭子ちゃん
前回、八木さんへの恋心が確定した蘭子ちゃん。
今回も頭の中は八木さんのことでいっぱいらしい。
一方で豪ちゃんのことを思い出す蘭子ちゃん。
豪ちゃんを思い出すことで自分の中の火照った心を冷やそうとしているのか。
それとも豪ちゃんを失った悲しみを思い出し、再び大事な人を失うかもしれない恐怖と向き合っているのか。
思い詰める蘭子ちゃんが切なくも美しい。
そして、そんな蘭子ちゃんが妙に美しくなっていることにのぶちゃんもメイコちゃんも気がつきました。
蘭子ちゃんは恋ではないと否定。
しかし、のぶちゃんもメイコちゃんも蘭子ちゃんの言葉を信じてなどいない。
もしかすると蘭子ちゃん自身も、のぶちゃんとメイコちゃんが自分の言葉など信じていないと察しているのかもしれません。
しかし今回の蘭子ちゃんの描写はここまで。
今回の後半はメイコちゃんの孤独に時間が割かれました。
メイコちゃん
メイコちゃん本人も言ったとおり、メイコちゃんの青春時代には口紅も塗れない、ワンピースも着れない。
そして健ちゃんも戦地に行ってしまった。
一番きれいな時代にやっていたことと言えば、モンペを着ておっかない婦人会のおばさまの指導で防空壕を掘ることばかり。
失われた青春の日々を取り戻したいメイコちゃん。
本当なら20代前半の頃に健ちゃんとデートしたかった。
でもそれはもう叶わぬ夢。
だからこそ今、健ちゃんと街に出かけたい。
メイコちゃん、こんな寂しい思いをしていたとは。
あれほど好きだった健ちゃんと結婚できたのに。
しかし健ちゃんはすぐに自分の過ちに気がついてくれました。
メイコちゃんと健ちゃん、これでもう大丈夫かな。
ファンレター
今回の最後は小学生の女の子から嵩くんに届いたファンレター。
その女の子が嵩くんの心をかき乱すのだとか。
次回、その場面が見られるのでしょう。
ブログ主が楽しみにしていた回を、明日ようやく迎えます。
予習レビューと史実のリアルエピソード
詩集『愛する歌』が大ヒット
八木さんの提案によって、嵩くんは生まれて初めての商業出版による詩集『愛する歌』を出版。
詩集『愛する歌』は嵩くんが想像を超えるヒットを記録。
重版を重ねた上にで第二集の刊行も決定。
漫画のヒット作はまだ出ていない嵩くんですが、それでも追い風が吹き始めるようです。
ところで嵩くんは、前々週では漫画家は漫画を描くべきだと言って、たくちゃんからの作詞依頼を断っていました。
英輔くんやたくちゃんから詩人としての才能を認められても決して喜びはしませんでした。
それが今週では自分で書いた詩集の自費出版をするほどに。
詩人の才能を自分でも認めたということなのでしょう。
だとしたら詩集の大ヒットは素直に喜べるはず。
前週までの数週間はずっと嵩くんの停滞期が描かれてきました。
ずっと浮かない顔の嵩くんばかり見せられてきました。
今週あたり、詩集の大ヒットを素直に喜ぶ楽しそうな嵩くんの顔を見てみたいものです。
それはさておき、詩集『愛する歌』の大ヒットによって、その詩集を読んで感激した女の子が嵩くんのもとにやってくるようです。
その女の子の名前は「中里佳保」。
おそらくこの女の子の実在モデルは・・・
【史実】中里佳保の実在モデル
詩集『愛する歌』を読んで感激し、嵩くんを訪ねてくる女の子「中里佳保」の実在モデルは、本作の脚本を書いた中園ミホさんで間違いないでしょう。
本作の制作が発表された際、中園ミホさんは少女時代の一時期、やなせたかしさんと文通していたことがあると語っていました。
では、その文通のきっかけは何だったのか?
中園ミホさんは10歳のときにお父上を亡くしました。
最愛の父を亡くし深く落ち込んでいる中園ミホさんを励まそうと、お母上はやなせたかしさんの詩集を買い与えました。
その詩集の中のある一つの詩に当時の中園ミホさんは救われたのだとか。
中園ミホさんが救われた詩のタイトルはこれ。
『人間なんてさびしいね』
人間は誰しもいつかは死んでしまうということを詠った詩に救われた中園ミホさんは、その気持ちを手紙に書いてやなせたかしさんに送りました。
そこから文通が始まったのだそうです。
文通は数年にわたって続いたようですが、中園ミホさんは思春期に入りやなせたかしさんの真っ直ぐな手紙を素直に受け入れられないお年頃に。
『アンパンマン』が刊行された際に「今度のは明るくて、なかなかいいと思います」などと上から目線の感想文を手紙に書く思春期の中園ミホさん。
この上から目線エピソードはドラマの中でもしっかりと再現されるようです。
反省を込めてドラマの中に再現されたのでしょうか。
小学生の少女・中里佳保
ドラマの中で描かれる「中里佳保」という女の子のエピソードはざっくりと次の通りです。
嵩くんの詩集『愛する歌』を読んだ佳保ちゃんは祖父に連れられ嵩くんを訪問。
佳保ちゃんはその直前に最愛の父を亡くしふさぎこんでいました。
そんな佳保ちゃんが元気を取り戻すきっかけとなったのが嵩くんの詩集『愛する歌』でした。
史実ではリアル嵩くんとリアル佳保ちゃんは文通に交流をしていました。
ドラマの中では文通では絵にならないので、佳保ちゃんが嵩くんを訪問するという展開にしたのでしょう。
そして、嵩くんを訪問した佳保ちゃん。
史実の文通で実際にあった上から目線の感想を、佳保ちゃんは嵩くんに述べるのだそうです。
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蘭子さん、亡くなった豪さんの印半纏をみつめる。喪失感。メイコさんちの夫婦間のさざなみ無事収拾。少女からの手紙、一体?