本放送:2011年11月12日(木)
再放送:2014年5月15日(木)
再々放送:2024年10月31日(木)
第6週「乙女の真心」
花言葉の花「コスモス」
あらすじ
ある夏の日、糸子が勤める紳士服店にダンスホールの踊り子・サエが来店、糸子にイブニングドレスを作ってほしいと注文しました。金に糸目はつけない、岸和田にもイブニングドレスで踊る踊り子がいると見返したいからいいものを作れとサエ。
しかしイブニングドレスを見たこともない糸子、大将もイブニングドレスがどういうものなのか全く知りません。八重子に相談すると新聞に載ったイブニングドレスの写真を見せてくれました。またその記事でダンサーが儲かる職業だと知る糸子。
糸子は神戸の祖母に電話をするとイブニングドレスを見せてもらえることに。早速、神戸の松坂家に足を運びイブニングドレスをすみずみまで調べる糸子。しかし、祖母はその日、具合が悪く寝込んでおり大好きなお菓子にも手をつけません。
祖母は体調を崩し、奈津の父も倒れた後は寝たきりに。そして父の善作も飲み過ぎと年齢のせいで以前の威勢の良さを失っています。自分が大人になった分だけ、まわりの大人たちが年をとってゆくことに寂しさを感じる糸子でした。
感想
勘助が惚れたダンサーのサエが登場。前回、失恋して「べーべー泣きながら」糸子に連れ戻された勘助、本当にあれだけでサエのことを諦めることが出来るのかちょっと不安でしたが、今回のサエの言葉からもう終わったらしいとようやく安心。
また何故勘助がサエに惚れたのか。サエの職業・ダンサーがどんな職業なのかもあらかた今回で見えて来ました。登場した新聞記事によれば東京のトップダンサーが一ヶ月で300円稼ぎ出し、それは驚異的な数字だとか。
紳士服店の大将が、サエから前払金として受け取ったお金が10円。その10円という金額だけであれだけ繁盛している店の大将がホクホク顔になるんだから、その30倍の金額がどれほどのものかなんとなく想像がつきます。
きっと手練手管で男性客をその気にさせ、ダンスのチケットの金額をつり上げたかチップをつり上げたか。ウブな勘助のこと、そういうのにいとも簡単にひっかかってしまったのでしょう。騙されたとわかれば立ち直りも早いかな。
そんな岸和田のトップダンサーなどという存在と糸子がどうして知り合いなのか、勘助のお母ちゃんが糸子に質問を投げかけた時の糸子の狼狽ぶりが楽しい。。八重子さんは冷静だったけど、真相に勘づいたのでしょうか。
さて、今回は珍しく寂しげな回でした。「うちが大人になった分だけまわりの大人たちが年をとってゆく」成人を過ぎたあたりから誰もが感じるこの感覚。糸子の勢いに引きずられて34回まできてしまった『カーネーション』。
勢いが良過ぎて時間の経過を忘れてしまうほどでしたが、その勢いを今回の後半はちょっとだけ緩めて振り返ってみることに終始。糸子も時の流れを意識する暇もなくここまで走り抜けてきましたが、立ち止まってみて自分はもはや誰かの娘ではなく自立した大人だとはっきり自覚。
誰かの娘、誰かの子供だった時代が終わりを告げた寂しさで胸がヒリヒリする34話でした。