本放送:2011年11月6日(金)
再放送:2014年5月9日(金)
再々放送:2024年10月25日(金)
第5週「私を見て」
花言葉の花「スカシユリ」
あらすじ
期日までに百貨店に制服を収めることが出来た糸子、出来映えも問題なしと支配人の花村から代金を受け取りました。そして初売りの日、糸子は妹たちを連れて百貨店に行き新しい制服を着用した店員の姿を見て感無量です。
一方で、制服を百貨店に収めたもののその後の新しい仕事には続かず、売りものの反物もミシンに換えてしまった為ありません。そんな中、二ヶ月後には学校を卒業して就職する妹の静子が就職せず糸子の洋裁を手伝いたいと言い出します。
仕事がなければ洋裁も出来ない。手伝いたいなら仕事をとって来てみろと静子を突き放す糸子。走り出す静子は、小一時間後に本当に仕事をとってきました。しかし、その仕事は翌日までにパッチ100枚を収めるという難題です。
その仕事の内容を耳にした善作は、どうやってやるつもりだ、仕事を選べと激怒。糸子も負けずに今の小原呉服店は仕事を選べる立場でないと言い返します。しかし、へそを曲げた善作は家族の手伝いを禁じ、糸子は一人で難題に立ち向かうのでした。
感想
百貨店の制服20着を期日までに無事に納品!最後の最後まで一波乱あるのかとドキドキしていただけに、花村支配人が笑顔で「問題ありません」と言った時は、心の底からほっとしました。自分がつくったわけじゃないのに。
疲れ切って応接で居眠りしてしまう糸子に花村支配人「はよ帰って寝なさい」。この一言、単なる商取引を超えた暖かみある響きが心地よい。疲労困憊の糸子の心にも沁みたことでしょう。
明くる朝は心斎橋百貨店の新年初売り。百貨店店内のいたるところに糸子がつくった制服を着用した女店員さんたちがキビキビと動き回る様は壮観。どこか良いところに連れて行ってくれそうな店員さんが大勢いて買い物も楽しそう。
恐らくは常連客でしょうか、花村支配人に新しいデザインの制服を「えらいええわ」。この時の花村支配人の嬉しそうな顔、実にいい顔してました。たかだか「いい顔」でこんなにワクワクするなんで、すごい演出、すごい作劇術。
しかし!・・・しかし、次々に注文が舞い込む展開かと思いきや、そうは甘くなかった。百貨店からの制服の追加注文はなし。他の仕事も一切声がかからない。糸子が見つけた商機は小さ過ぎたのか。
反物はなくなり、売れないアッパッパが店の肥やしになり、小原呉服店は何の店かわからなくなった。このままだと絶対つぶれてまうと焦る糸子。そんな姉の焦りに全く気がつかない千代お母ちゃん似のおっとりした静子が姉を激怒させる。
「就職せん、姉ちゃんの手伝いしたい」
この静子の言葉への糸子の怒りっぷり。阿呆か!あんた何もわかってへんな!四の五の言わんと就職しろ!手伝いたいなら仕事とって来い!これだけ矢継ぎ早に言葉を繰り出して妹を怒鳴るのはこれが初めてかも。それほどの焦燥感の中にいたのでしょう。
商売の厳しさを全く知らない静子は、糸子の仕事とって来いの一言を真に受けて、仕事探しに走り出す。しかしその世間知らずが功を奏したのか、糸子の妹のことだけはある行動力が物をいい、仕事受注。意表をつく展開でした。