本放送:2012年1月7日(土)
再放送:2014年7月5日(土)
再々放送:2024年12月21日(土)
第14週「明るい未来」
花言葉の花「ムスカリ」
あらすじ
昭和20年10月、糸子は八重子と昌子の三人で、パーマ機と洋服の生地を手に入れるため東京に向かいました。焼け野原と化した東京でパーマ機の在処を見つけた糸子は値切り交渉の末、念願のパーマ機を購入することが出来ました。
その夜の宿は男性客と衝立て一枚隔てただけの雑魚寝。用心しながら眠りに就いたものの、戦災孤児の窃盗団が侵入。姿を見られた子供達は一目散に逃げて行きましたが、糸子の布団の中に隠れていた少女を糸子は捕まらないようにかくまいます。
しかし翌朝、糸子が目を覚ますと布団の中に隠れていた少女は姿を消していました。そして糸子が帯の中に隠していた洋服の生地を調達するためのお金もすべて盗まれてしまっていたのでした。糸子は生地を買えないまま岸和田に戻ることに。
家に戻った糸子は、お土産に買って来たお菓子を家族や縫い子たちに食べさせながら、糸子は布団の中に隠れていた少女に思いを馳せます。いい世の中をつくるからそれまで生き延びろと、心の中でその少女に呼びかける糸子でした。
感想
パーマ機と洋服の生地を調達する東京への旅。焼夷弾の直撃に遭ったらしい焼けただれた建物を見て驚く一行。思えばまだ終戦から二ヶ月しか経っていなんですね。ドラマや映画で終戦間もない場面といえば焼け跡と住まいを失った人々。
一方で小原家は戦前と同じ家に住んでいるので、見ていて復興がある程度進んだ頃の話しだと錯覚していましたが、そうではありませんでしたね。そんな戦争が終わってすぐのタイミングで、パーマ機の調達に上京。
しかもオシャレが息を吹き返していることを察知し、日本中の女性ががパーマと洋服だらけになることを見据えているなんて、糸子の慧眼、そして行動のスピードは舌を巻くほどです。
さて、戦災孤児の窃盗団の夜襲で結局お金を盗まれてしまった糸子。でも盗まれたお金のことよりも、お金を盗んで行った女の子のことのほうが数段心配な糸子。といういかお金を盗まれたという事実をきれいさっぱり忘れているみたいです。
「生き延びや、おばちゃんら頑張ってもっともっといい世の中にしちゃるさかい、生き延びるんやで」
泥棒にこんなことを言えてしまうなんて、泥棒に対しても家族や友人のように情けをかけられる糸子という人物、どれだけ器のでかい人なのか。かつて、とてつもない日本人がこの国にはいたんですね。