本放送:2012年3月23日(金)
再放送:2014年9月19日(金)
再々放送:2025年3月14日(金)
第25週「奇跡」
花言葉の花「レインボーローズ」
あらすじ
平成13年(2001年)10月。ファッションショーまで2週間となり、モデルとなる職員や患者たちを集めてウォーキングの練習がはじまりました。杖が必要な高齢者は院長の龍村にエスコートさせることになり、総婦長の相川は龍村の説得を快諾。
練習が終わると、練習会場に一人残る糸子に相川がモデルを一人追加してほしいと頼みに来ます。追加を希望しているのは末期癌の患者・加奈子で、いつも帽子を被って練習の様子をじっと見つめていたその女性のことを糸子もずっと気にしていました。
今の医療技術ではもう助けることが出来ない加奈子を元気づけたいと願っていた相川は、そんな加奈子の願いにほだされ、重症患者でありながら自分の信念を折り加奈子のファッションショーへの出演を認めたのでした。
病気で衰えてゆく母親の姿を見る子供が不憫だと涙を流す加奈子。糸子は88歳の自分が仕事をし遊び回るのは奇跡、末期癌患者がステージの上を幸せそうに歩くのも奇跡。ショーで多くの人に奇跡を見せ、人を勇気づけ、元気を与えろと励ますのでした。
「あんたの出番はトリや、あんたが奇跡になるんやで」
感想
総婦長の相川さんが素晴らしい!自分の職業に誇りと愛情を持っている人というのは本当に美しい。そして自分の職業に誇りと愛情を持っている人どうしというのは、職業のジャンルが違えども、わかり合えるものなんですね。
やればやるほどつくづく医療はしれてんなと思うと相川さん。糸子もそれに応えて「服かてしれてます」。「しれて」いても、果たされた職務に専念し「ご縁をもろたんや、おおきに」と感謝の心を忘れない。立派な職業人を見せてもらいました。
さて、モデルたちの集まりでいつも隅っこから様子を伺う帽子の女性が物語の真ん中に登場。帽子でどんな病気の方なのかおおよその察しはついていましたが、やっぱり・・・
二人の子供に見せちゃりたい。病気になってから自分の哀れな姿しかあの子らに見せてない。母親がそないなってゆくのを見てるあの子らの気持ちを思ったらたまらない・病室に入って来る時の怯えるような顔が可哀想。
話しを聞き終わった糸子が口を開きました。「85越えてごっついいこと気づいた。教えちゃろか、年をとるということは奇跡を見せる資格があるということ」最早、年をとれないと決まったような人にこの言葉はないだろうとハラハラしながら見てました。
しかし、若い子が走り回っても普通、100歳が走り回ったら奇跡。鰻食べたり、遊んだりするだけで皆を喜ばす、元気づける資格が出来たと語る糸子。ここまできて、やっと糸子が加奈子さんに伝えたいことがわかりました。
「あんたかてそうなんやで。笑てみ、ほんでもう奇跡や。末期癌患者のあんたが笑うだけでごっつい奇跡を人に見せられる。ステージを幸せそうに歩く、それだけで人を勇気づけられる、希望を与えられる。そういう資格、役目を持っている」
忘れられない言葉になりそうです。