2023/12/20(水)第12週「あなたのスズ子」
あらすじ
昭和19年(1944年)3月になり、大都市の劇場は次々と閉鎖されましたが、スズ子は地方巡業を行い歌い続けていました。スズ子が歌う『アイレ可愛や』は巡業先で好評だったものの、ギャラが支払われないこともありました。
また、地方の巡業先でも警察から派手な演出をひかえるように注意され、スズ子はそれが不満でした。スズ子は警察に口ごたえするものの、スズ子と警察の間を五木は必死になって取りなしました。
一方、スズ子は巡業先からもこまめに愛助に宛てた手紙を書き、地方巡業を終えるとスズ子は真っ先に愛助のもとに足を運びました。そんなスズ子を五木から見張れと命じられた小夜は、常にスズ子についてまわりました。
そんな中、マネージャーの五木が坂口に呼び出され、スズ子と愛助を別れさせることはできないかと相談を受けました。五木は坂口から金を受け取りました。そして、スズ子には愛助と別れたフリをしろと迫りました。
第17週
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感想
スズ子ちゃん
前回の最後に描かれた楽団の面々の祝福の演奏を経て、スズ子ちゃんと愛助くんの関係が始まりました。
スズ子ちゃんと愛助くんの関係が始まる今週のサブタイトルは「あなたのスズ子」。
このサブタイトルも回収されました。
サブタイトルの「あなたの」が表現しているような距離の近い関係、ある時期からスズ子ちゃんには皆無に近かったことに気がつきました。
ツヤさんは早くに亡くなりました。
六郎くんも亡くなってしまった。
梅吉さんは壊れた日々を経てようやく立ち直りが見えてきたら故郷の香川へ。
実の父親はもう亡くなっている。
実の母親とはもう会えない。
ツヤさんの実家の人たちとは疎遠。
朝ドラのヒロインに定番の「いつでも帰れる故郷」という名の安心できる人間関係がスズ子ちゃんにはありません。
また「いつでも帰れる故郷」と呼べる故郷の家ももうありません。
銭湯「はな湯」だけは残っていて、スズ子ちゃんが幼いころから親しくしていた面々もいるものの、その人たちを「心の故郷」と呼ぶのは苦しい。
大阪の梅丸少女歌劇団で苦楽をともにした面々も、あまりにも遠い存在になってしまいました。
スズ子ちゃん、実はとっても孤独です。
そのせいもあってから「あなたのスズ子」と言うサブタイトルはスズ子ちゃんにとって干天の慈雨のよう。
いつまでも愛助くんに「あなたのスズ子」と言えるスズ子ちゃんであってほしいですが…
本欄ではこれ以上のことは伏せておきます。
五木さんがいよいよ怪しい
五木さんがいよいよ怪しくなってきました。
もともと怪しかったのですが、いよいよ正体をあらわしてきました。
そこで、これまでの五木さんの臭い言動を振り返ってみました。
まずは初登場時の五木さん。
初登場のときから五木さんは怪しかった。
楽団結成直後、「君歌う人、僕は売る人」みたいに威勢のいいことを言っておきながら、半年間以上も仕事をとってこない。
しかも仕事をとってこない言い訳だけは人並み以上。
この段階で五木さんは言うだけ番長であることが確定しました。
そして仕事を一件も取ってこなかった半年を経て、羽鳥先生のプロデュースによるスズ子ちゃんと茨田りつ子の合同コンサートの開催が決定。
そのときも、そろそろ羽鳥良一が何かやると思っていたと発言。
まるで自分が予想したから羽鳥先生が合同コンサートを企画したみたいな言い草にはあきれかえりました。
その後に始まった地方巡業。
初の地方巡業の仕事をとってきたのは五木さんでした。
なので楽団のマネージャーに就任して以来、これが五木さんの初仕事。
そして地方巡業で声がかかるようになり楽団は愛知へ。
このときスズ子ちゃんは愛助くんと出会いました。
しかし、スズ子ちゃんと愛助くんが出会った直後に楽団のお金の盗難騒動。
根拠もなく愛助くんを疑ってかかる小夜ちゃんに簡単に乗っかる五木さん。
あまりにも簡単に愛助くんを疑う五木さんを見ていて、小夜ちゃんには空の財布を渡して盗難を演出したのではないかと思ったほど。
しかし愛助くんが村山興行の御曹司とわかった途端に五木さんは華麗な手のひら返し。
愛知の一連の騒動でも、わかりやすい五木さんでした。
そして、スズ子ちゃんと愛助くんが距離を縮める中で、二人の関係を警戒する村山興行東京支社長の坂口さんが楽団の事務所に姿をあらわしました。
そのときの坂口さんに取り入ろうとする五木さんの態度と言ったら・・・
ここまで怪しさと軽薄さの一貫性を持ち続けてきた五木さんの本当の姿がついに描かれ始めました。
予習レビューと『わろてんか』比較
朝ドラ『わろてんか』でも描かれた「スズ子ちゃんと愛助くんの関係」。
二人の馴れ初めの描写は、本作『ブギウギ』と『わろてんか』では大きく異なります。
『わろてんか』では二人の馴れ初めは次のように描かれました。
なお『わろてんか』ではスズ子ちゃんと愛助くんはそれぞれ、
スズ子ちゃん:加納つばき
愛助くん:北村隼也
というキャラクター名です。
加納つばきと北村隼也の二人が出会ったのは昭和10年(1935年)。
本作『ブギウギ』では、スズ子ちゃんが出生の秘密を知ってから1年が経ったころ。
秋山美月とともに上京する2年前のころのことです。
以下『わろてんか』の二人の馴れ初めです。
アメリカ帰りの北村隼也はアメリカで夢中になった『マーチン・ショウ』日本公演を実現して自分の能力をアピールしたかった。
そして前のめりになり過ぎて一度は詐欺に遭うものの『マーチン・ショウ』をあきらめきれない。
そんな中で『マーチン・ショウ』の代理人を名乗る男の通訳としてやって来たのが加納つばきでした。
加納つばきもまた『マーチン・ショウ』が大好きでした。
そして『マーチン・ショウ』を通して北村隼也と加納つばきは意気投合し、やがて二人はお互いに恋心を抱くように・・・
同じ人物とエピソードをモチーフにしながら、まるで別世界のストーリーです。
第17週
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ギャラは半分ジャガイモ。警察の横槍。手紙で送る想い。二人だけの世界。小夜ちゃん地獄の果てまで。結局そうなる。坂口氏と五木氏の密談。まだ社長にはバレてなかったのか。五木さん「別れたふり。」って「俺だって食わせなきゃ。」てっなんか隠してるぞこいつ。坂口さんから賄賂も貰ってるし。
トリガーが引かれました。うさんくさいながらも、今まで何とかこなして
きたけれど、大金に目がくらんだ。彼は演奏家ではないから、演奏できるだけでも
良い、という発想にはならなかった。