2024/6/21(金)第12週「家に女房なきは火のない炉のごとし?」
あらすじ
はるの葬儀が終わり、道男は花江に謝罪しながら言いました。自分は猪爪家の人になりたかった。花江の子供たちの一人になりたかったのだと。道男の言葉を聞かされ、花江の子供たちはようやく道男を受け入れました。
一方、相変わらず預かり先が決まらない道男のために、寅子はできることがないかと模索し続けていました。寅子はよねにも相談するものの、よねは寅子の相談に応じようとはしませんでした。
そんな中、裁判の傍聴が趣味の笹山が疎開していた故郷から帰ってきました。東京で再び寿司屋を開く笹山は、道男を雇いたいと言い出しました。道男も笹山の店で働くことを希望し、寅子の懸念は解消されました。
その数日後、寅子と花江は、はるが遺した言葉に従い、はるの日記を焼きました。日記を焼きながら、寅子ははるのことを思い出しました。同じころ、梅子の身の上にある重大なことが起こりつつありました。
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感想
トラちゃんが念願叶って裁判官になる瞬間から始まった今週。
トラちゃんが判事補になったことをきっかけに、道男くんという青年が登場。
その道男くんがきっかけとなってトラちゃんは轟くん&よねちゃんと再会。
さらに、道男くんの登場を通してはるさんの最期の日々が描かれる。
そんな盛りだくさんのエピソードが詰まった一週間でした。
今週の振り返り:轟くんとよねちゃん
花岡くんが餓死した直後に再会した轟くんとよねちゃん。
失意のどん底の轟くんによねちゃんが手を差し伸べたことで、轟くんは復活。
そして轟くんとよねちゃんの二人は共同で弁護士事務所を開業しようと手を組む。
そこまで描かれたのが前週。
今週、ついに二人の弁護士事務所が登場しました。
前週はギリギリのところですれ違い再会を果たせなかったトラちゃんと轟くん&よねちゃん。
道男くんに導かれるようにして入った元「カフェー燈台」で、トラちゃんは懐かしい同窓生の二人に再会できました。
轟くんはトラちゃんとの再会に心から観劇の様子。
一方のよねちゃんは、トラちゃんが弁護士をやめたときの心の傷から立ち直っていない様子。
かつて、弁護士を辞めると報告に来たトラちゃんをよねちゃんが追い返した際、去って行くトラちゃんの後ろ姿を見ながらよねちゃんは涙を流していたことが判明。
よねちゃん、自分がなかなか弁護士資格を取得できない思いをトラちゃんに託していたに違いない。
だから、よねちゃんにしてみれば思いを託していたトラちゃんに裏切られたぐらいに思っているのかもしれません。
ただでさい屈折しているよねちゃんです。
トラちゃんに対してこじらせてしまった気持ちが修復されるのは容易なことではなさそう。
よねちゃんが心配です。
しかし、よねちゃんのこじれた気持ちがどのように修復されるのか、要注目の興味深いストーリーが始まったのも事実。
よねちゃんの良き理解者が登場したからです。
よねちゃんの良き理解者、それは轟くん。
轟くんはよねちゃんがトラちゃんを拒む理由をするどく言い当てました。
「心の底から傷ついた、だから怖いんだな、また関わるのが」
よねちゃんがトラちゃんと関われるようになるとき、それはよねちゃんが成長するときのような気がします。
轟くんがよねちゃんをどのように導いてゆくことになるのでしょうか。
今週の振り返り:道男くん
大人に対して敵対心をむき出しにしてドラマの中に登場した道男くん。
猪爪家で居候させてもらった最初の夜も、食事の作法を注意するはるさんの忠告に聞く耳を持たない。
しかし、はるさんの財布からお金を盗み出そうとする現場を見つかった道男くん。
はるさんから怒鳴られると思ったであろう道男くんにとって、はるさんの反応は想定外だったはずです。
小銭を盗んだところで、数日で使い切ったらまた飢えるだけ。
それよりも、この家で働いていた方が、ご飯も食べさせてもらえるし、お風呂にも入れるし、何より屋根のある部屋で眠ることができる。
一体、どちらに旨みがあるのか。
はるさんの問いかけにぐうの音も出ない道男くん。
でも、これがきっかけとなって道男くんははるさんに一目置くようになったらしい。
そしてはるさんの存在を受け入れた道男くんは、やがてはるさんの優しさも受け入れる。
そしてはるさんの優しさが、凍りついたような道男くんの心を溶かしました。
道男くんが本来の優しさを少しづつ取り戻す過程の描写、見ていて本当に心地よかった。
それ故に、花江ちゃんへの優しさが誤解されたときの道男くんは痛々しくて直視できないレベルでした。
しかし、道男くんは誤解させたことを謝罪するほど大人に。
寿司屋の大将が道男くんの親のような存在になることで、道男くんの将来に希望が見えてきました。
今週の振り返り:はるさん
はるさんが亡くなりました。
トラちゃんにとってはるさんの存在は実に大きかった。
明律大学女子部に進学したいと言い出したトラちゃんに真っ先に賛成してくれたのは直言さんでしたが、最後の最後に覚悟をただした上で背中を押してくれたのははるさん。
最初に挑戦した高等試験に落ちたとき、再受験させてほしいと言ってくれたのは直言さんでしたが、家族に甘えずに勉強を継続するよう認めてくれたのもはるさん。
トラちゃんの人生のターニングポイントで、トラちゃんの背中を押してくれたのはいつもはるさんでした。
そんなはるさんの死を受け入れられないトラちゃん。
母親の死をあそこまで嘆き悲しむ朝ドラヒロインは、ブログ主が観た朝ドラの中にはいませんでした。
トラちゃんとはるさんの永遠の別れの場面。
これから先も忘れられないであろう場面の一つになりました。
次週予告
今回の最後は、誰かが亡くなり不穏な空気に包まれるある家族。
不穏な空気の主のような見知らぬ老いた女性の視線の先には、あの梅子さん。
そして予告映像の主人公は梅子さんと言っても差し支えないほど。
次週は梅子さん週のようです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
はるさんの死
今週、はるさんが亡くなります。
死因は心臓発作です。
はるさんが亡くなるのは昭和24年(1949年)。
直前さんが亡くなった昭和21年(1946年)の3年後のことです。
直言さんが亡くなり、その3年後にはるさんが亡くなるというドラマの中のこの順序は史実とは異なります。
史実では次のとおりです。
リアルトラちゃんのお母上が亡くなったのは昭和22年(1947年)1月。
戦後の困難を極める生活が続く中、心労が重なった末に脳溢血で亡くなりました。
そしてその9ヶ月後、同じ年の10月にはリアルトラちゃんのお父上が肝硬変で亡くなりました。
お母上が先に亡くなり、後を追うようにお父上が亡くなっているのが史実の順序です。
また、ドラマの中では直明くんが岡山から戻ってきてから、直言さん、はるさんの順に息を引き取りますが、この点も史実とは異なります。
ドラマの中では、直明くんが岡山に戻ってきた後、猪爪夫妻が亡くなりました。
しかし、史実では直明くんの実在モデルである泰夫さんは、両親の死の知らせを電報で受け取り、その度に岡山から実家に戻っています。
なお、史実のリアルトラちゃんはご両親を亡くす前の年にご主人が戦病死。
その前々年には弟さんが戦死しています。
リアルトラちゃんの兄上が亡くなったとき、リアルトラちゃんは29歳。
ご主人を亡くしたときは31歳。
ご両親を亡くしたときは32歳。
まだまだ若かったときに相次いで身内を亡くした深い悲しみは察するにあまりあります。
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優未さん、もう幼稚園。花江さん多忙。輪を掛けて寅子さん。超多忙。新庁舎完成しかし業務はますます増え、檄を飛ばす多岐川さん。他人事のようにお菓子を食べる桂場さん。多岐川さん。余計にヒートアップ。広報の奇策コンサート。何故か道男君も猪爪家の食卓に。すみれさん。えっここで武田さん。一筋縄ではいかぬ感じ。大庭家との遺産相続争い。当然、梅子さんと光三郎さんも。
はるさんの遺影の前で、花江さんに謝る道雄君。「猪爪家になりたい。」泣かせるねえ。道雄君の生末、よねさんに相談でもそっけない、まだ根に持たれている。轟さんが察するよねさんの心情。
道雄君、審判の日「お天道様が。」はるさんの功績。笹山さんが救いの神。一件落着かな。はるさんの日記。愛情溢れる。道雄君不起訴良かった。ある一家,家長の死。えっ、梅子さん?