2024/4/8(月)第2週「女三人寄ればかしましい?」
あらすじ
昭和7年(1932年)、寅子は名律大学女子部法科に入学しました。入学式では、学長が「今年こそ女性に弁護士資格が認められる法改正がなされるだろう」と挨拶。新入生代表として女子たちの憧れの的、華族の桜川涼子が壇上に立ちました。
入学式の式場で寅子は穂高と再会できたことを喜びました。一方、桂馬が大学の講師ではないことを知り寅子は安心しました。寅子はまた、穂高とともに新聞記者の取材を受け、やる気に満ちていました。
寅子のクラスには、華族令嬢の桜川涼子、最年長で既婚の大庭梅子、朝鮮半島からの留学生の崔香淑らがいました。一方で入学時には80人もいた一期生が今では7人しか残っていないことに寅子たちは驚かされました。
そんな中、自己紹介する寅子に対して、山田よねが「ヘラヘラしてうっとうしい」と厳しい言葉を浴びせかけました。寅子はその日、家に帰ってからもよねから言われ言葉を気にし続けていました。
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感想
「地獄」
「地獄」の日々が始まりました。
そしてトラちゃんにとっての「地獄」や、同期生にとっての「地獄」のフラグが立ちました。
まずは同期生にとっての「地獄」のフラグから。
一期生、すなわちトラちゃんたちの先輩は80名が入学して今残っているのは7名。
生き残り率はわずか1割弱!
9割強がやめた理由は説明がありませんでしたが、おおよその想像がつきます。
婚約を破棄されたことを思い出し泣き崩れた1期生の姿から推察して、やめた9割強は学問を取るか結婚を取るかの選択を迫られ後者を選んだのでしょう。
結婚から逃げたくて法律の道に進んだトラちゃんは、9割強が辞めたと思われる理由「学問か結婚か」の選択を強いられることは「地獄」ではありません。
しかし、60名の2期生の同期生たちの多くはこの「地獄」に負けてしまうのかな?
ではトラちゃんの「地獄」は何?
トラちゃんの在学中の「地獄」は、もしかすると男装の同期生になるのかも。
朝ドラ定番の「ヒロインの天敵」として。
「ヒロインの天敵」キャラが大好物のブログ主としては男装の同期生にその役割を大いに発揮してもらいたいところです。
水の江瀧子
トラちゃんが男装の女子学生を「水の江瀧子みたい」と言いました。
この「水の江瀧子」は『ブギウギ』間接ネタです。
水の江瀧子は実在する人物で、東京松竹楽劇部所属。
『ブギウギ』の中でも描かれた「桃色争議」を主導したのが水の江瀧子でした。
東京の人気スターだった水の江瀧子は東京の少女部員たちを引き連れ、神奈川県湯河原の温泉宿に立てこもり会社に対する抗議活動を実施。
この講義活動に、大阪の人気スター・飛鳥明子が賛同。
飛鳥明子は大和礼子の実在モデルです。
トラちゃんが歌った歌『モン・パパ』
前週、直道くんと花江ちゃんの結婚式の披露宴でトラちゃんが怒りを込めて歌い、今回もまたトラちゃんが自己紹介時に歌った歌の名は『モン・パパ』です。
『モン・パパ』は、戦前の日本で人気のあったフランスのシャンソン歌手・ジョルジュ・ミルトンの楽曲。
原題名は『C’est pour mom Papa(私のパパのために)』です。
昭和6年(1931年)10月、宝塚歌劇団がレビュー『ローズ・パリ』を上演。
このレビューの中で『C’est pour mom Papa』が日本語に翻訳され『モン・パパ』というタイトルで披露されました。
同年、『モン・パパ』は、娘役のスター・三浦時子が吹き込んだレコードがポリドール・レコードから発売されヒット曲に。
『モン・パパ』のヒットを受け、昭和7年(1932年)にはビクターレコードが『モン・パパ』のレコードが発売。
ビクターレコードの『モン・パパ』は、なんとエノケンです。
前作『ブギウギ』で主人公を芝居の世界に導いたタナケンの実在モデル・喜劇王「エノケン」こと榎本健一さんが『モン・パパ』歌いました。
ビクターレコードの『モン・パパ』はエノケンが歌ったこともあり、宝塚版『モン・パパ』以上のヒット曲に。
その後も名古屋のツルレコードが永井智子版『モン・パパ』を発売。
さらに昭和8年(1933年)宝塚版を発売したポリドール・レコードは、天野喜久代『モン・パパ』も発売。
ちなみにトラちゃんが結婚式で『モン・パパ』を歌ったのは昭和6年。
今回、トラちゃんが入学式で『モン・パパ』を歌ったのは昭和7年。
『モン・パパ』が大流行しているときに歌ったこともあり、特に結婚式場では大盛り上がりになったのでしょう。
予習レビューと史実のリアルエピソード
穂高重親の実在モデル:穂積重遠
寅子の生涯の師・穂高重親という登場人物は、次のようなキャラクター設定です。
・高名な法学者
・明律大学女子部の立ち上げに尽力
これら2つの情報から、小林薫さんが演じる穂高重親の実在モデルは穂積重遠さんと思われます。
明治大学専門部女子部の設立に尽力:穂積重遠(ほづみしげとお)
明治16年(1883年)4月11日、東京府生まれ。母は渋沢栄一の娘で渋沢栄一の初孫。
日本初の法学博士の一人だった父・穂積陳重の影響で、東京大学時代に民法や社会問題に関心を持つ。
明治41年(1908年)東京帝国大学法学部を卒業し、同大の講師に。
明治45年(1912年)欧米留学の辞令が発せられる。
大正元年(1912年)ドイツのボンに渡航。
大正5年(1916年)独、仏、英、米での留学を経て教授に就任。
大正6年(1917年)東京帝国大学総長の推薦を受け法学博士を授与。
昭和4年(1929年)明治大学専門部女子部を横田秀雄氏、松本重敏氏とともに開学。
昭和5年(1930年)東京帝大法学部長に就任。
昭和8年(1933年)皇后、皇太后へ進講。
昭和12年(1937年)帝国学士院会員
昭和20年(1945年)東宮大夫、東宮侍従長に就任。
昭和24年(1949年)最高裁判事に就任。
昭和26年(1951年)死去、69歳。
近代的な家族観に基づく家族法学の基礎を築き「日本家族法の父」と呼ばれた。
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う~ん…
確かにトラちゃんの人柄を知らなければ、「鬱陶しい」と思われるかも…。
でもトラちゃんは決して周りのウケを狙った訳ではなく、ごくごく自然体なんですよね。
よねさんとどうやり合ってどう分かり合っていくのか、興味津々です。
穂積教授
渋沢栄一の孫なんですね
小林薫さんは、そういえば「青天を衝け」で渋沢栄一の父をやられていましたね
良い父、良い先生、優しい笑顔、信頼を得られる声
先週の甘処でお母さんのことを言われたときもそうですが、寅子ちゃんは相手の主張する論旨を自分でキチンと考えて、その齟齬を指摘出来て反論(疑問・問いかけ)しています。
今回も勢いよく否定されても迷惑を掛けられているのはむしろ自分と比較的冷静に反論しているところ、疑問をそのままにせず考え続けるところ
良いと思います。
優三さん、二浪。ぐずぐずしていたら寅子さんに先を越される?帝都新聞 竹中、鮫島の匂い、水の江タキ子さん、ブギウギには出て来なかった。女子学生個性強過ぎ。男装の麗人攻撃的。寅子さんが標的に、優三さんとばっちり。