2024/6/20(木)第12週「家に女房なきは火のない炉のごとし?」
あらすじ
はるが倒れました。医師の診断では心臓発作でその日の夜を越せるかわからないという危険な状態でした。はるは悔いのない人生だったと言うものの、花江ははるに悔いが残っていることを察しました。それは道男のことでした。
そこで寅子は、はるのために道男を見つけようと心に決め、心当たりがないかを尋ねるためによねと轟のもとに足を運びました。轟の事務所で道男を見つけた寅子は訴えました。はるが危ない。最後に道男に会いたがっていると。
寅子の必死の訴えに心を動かされた道男は、寅子の願いを受け入れました。寅子に連れられ道男は再び猪爪家へ。はるは病床の中で道男を抱擁しました。そして、これまで孤独の中で生きてきた道男を最後の力を振り絞って励ましました。
はるはまた、最後の頼みを家族に告げました。そして、死んではいやだと泣きじゃくる寅子を、自分の死を受け入れるように諭しました。その日の夜遅く、寅子と花江に見守られながら、はるは息を引き取りました。
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感想
はるさん
はるさんが逝きました。
前回だったか前々回だったか、道男くんがはるさんについて次のように言いました。
「おばあちゃんは頭がいいんだな」と。
この道男くんのシンプルな一言がはるさんのことをよく言い表していると思います。
はるさんは朝ドラの主人公の母親の中でも頭抜けて頭脳明晰な人でした。
はるさんは自分の過去を語りたがらない人でしたが、自分の過去をほのめかしたことが一度だけあったと記憶しています。
それはトラちゃんの女学生時代のことだったか女子部時代のことだったか。
優秀な女性は生きづらいみたいなことをはるさんは言ったはずです。
はるさんはきっとトラちゃんと同レベルか、もしかするとそれ以上に頭脳明晰な女性だったと思われます。
トラちゃんは時代がかろうじて追いついたので、明晰な頭脳を女性が活かせるチャンスをつかみました。
しかし、はるさんの若い頃にはそんなチャンスはなかったはず。
特に庶民の女性には。
はるさんは若いころ、自分が頭脳明晰であることをはっきり自覚しながらも、その頭脳を生かすことができないもどかしさを感じたはず。
それが、優秀な女性は生きづらいみたいなセリフにつながったのだと思います。
はるさんは世の中に反発する道は選ばず、「すんっ」として生きてきました。
しかし、感情には決して流されず、無駄が一切ない言葉と行動。
徹底して合理的な考え方。
そして直言さんを完全に掌握してしまう人心コントロール術。
今にして思えば、朝ドラの主人公の母親の中で極めてレアな存在だっと思います。
追伸:一方ではるさんは、トラちゃん脳内劇場の中で犬になったり、恋人に毒を盛る魔性の女になったり。
そのギャップもまた、朝ドラの主人公の母親の中で極めてレアな存在でした。
道男くん
今回、道男くんは自分の過去をトラちゃんの前で吐露。
道男くんは両親を亡くした後だけでなく、両親を亡くす前も孤独でした。
ところで、はるさんは道男くんのこんな孤独な生い立ちを知らないはずです。
はるさんが知っているのは戦争で両親を亡くした孤児であることだけ。
しかし、戦争孤児以上の孤独をはるさんは道男くんの中に見出したのでしょう。
道男くんの孤独で冷え切った心に少しづつぬくもりが戻ってくる描写が秀逸でした。
前回、自分のとった行動が誤解されたことにショックを受けて猪爪家を飛び出す直前まで、道男くんの中には本来の優しさがよみがえっていました。
ほぼ完全な形です。
道男くん、これで完全に立ち直れるかなと思ったところで「誤解」騒動。
しかしトラちゃんの必死の説得によってはるさんと再会できた道男くん。
はるさんからかけられた「よくここまで一人で生きてきたね」という言葉は、きっとこれからの道男くんの支えになるはず。
おそらく次回、道男くんのこれからの道が開けるはずです。
その後も道男くんの出番はあるようです。
これから道男くんがどのように成長するのか。
道男くん、前回から今回にかけてブログ主の中では要注目キャラに昇格しました。
予習レビュー
よねちゃんの再登場
今週、よねちゃんが再登場します。
しかし、素直に喜べる再登場ということにはなりません。
何故なら、妊娠して弁護士をやめたトラちゃんのことを、よねちゃんは法律の世界から逃げ出したと考えているからです。
それはともかく、よねちゃんの再登場そのものは、よねちゃんが大好きなブログ主としてはこれ以上に望めないほどの喜びです。
一度は死んだと思われていたので。
死んだと思われたのはトラちゃんが疎開先から東京に戻ってきた場面でのこと。
トラちゃんは疎開先から上野駅に到着しましたが、上野といえばよねちゃんが働いていたカフェ燈台です。
上野駅に着いたトラちゃんがカフェ燈台に足を運んださい、近所の人が言いました。
そこ(カフェ燈台)の人はみんな空襲で死んだと。
この近所の人の言葉によって、よねちゃんは死んでしまったのではないか?という伏線が張られました。
しかし、そのときもう一つの伏線が張られていました。
カフェ燈台は全焼せず看板がしっかりと残っていること。
空襲に見舞われる中、カフェ燈台は奇跡的に全焼を免れていました。
そして、よねちゃんもまた奇跡的に助かっていたようです。
そんなわけでよねちゃんは今回からドラマの中に復帰。
しかし本欄の冒頭で述べたように、トラちゃんとよねちゃんの間には確執が残ったままです。
この確執を引きづりながらの、今後のよねちゃんの登場場面があるわけです。
トラちゃんとよねちゃんの関係が改善するのかどうかはまだ不明。
恐らくは改善されるものと思われますが、どのような形で二人の関係が改善され、改善された後の二人の関係はどのようなものになるのか。
ブログ主が最も注目しているポイントの一つはこの点です。
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母危篤。母に人生に悔いは無し。ただ大きな心残りが。案外早く道雄君は見つかるが説得に難航。寅子さんの懸命な説得にようやく。はるさん一家の大黒柱としての最後の仕事。「日記を燃やして。」秘めた思いは黄泉の国へ。「先の事はよろしくね。」悲しいくらい家族ファースト。