虎に翼

改稿作業を航一と進める / 虎に翼 第67回

2024/7/2(火)第14週「女房百日 馬二十日?」

あらすじ

最高裁長官の星から頼まれた改稿作業を、寅子は航一とともに休日も返上して行いました。航一はとてもおだやかな性格でした。しかし寅子、は航一の考えていることがまったく読めませんでした。

そんなある日、寅子は昼食会を企画しました。昼食会によって家事部と少年部の職員の親睦を深めることが寅子の狙いでした。しかし寅子の狙いどおりにはなりませんでした。昼食会に誰も来なかったのです。

そのころ、最高裁長官の星から頼まれた改稿作業が終わろうとしていました。それまで寅子は、仕事を抜きにして法律と向き合える時間を心から楽しんでいました。だから寅子は改稿作業が終わることに寂しさを感じていました。

星が序文を書き終え、寅子は著者として名を連ねることになりました。法律の本を出版することが夢だった優三を思い出し寅子は感無量でした。その後、星長官は著書の出版を前に亡くなりました。

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感想

ウグイスとホトトギスの鳴き声で始まり、ヒグラシの鳴き声で終わる美しい回でした。

星航一のフラグ

前回が初登場だった星航一。

今回は、航一さんが将来どのようなキャラであるのかのフラグが立ちました。

航一さんのお父上の星長官によれば、航一さんは奥様をすでに亡く子供もいるらしい。

そんな航一さんのことが心配な星長官は再婚相手探しの相談をトラちゃんに。

このフラグによって、トラちゃんと航一さんが史実どおりの関係になることはほぼ確定といっても差し支えないでしょう。

またトラちゃんは、優三くんの生前の夢の話を通して、自分も夫を亡くしていることを航一さんに伝えました。

これもまたフラグなのかもしれません。

また、これはフラグではありませんですが、とても気になったことが一つ。

改稿作業が間も無く終わろうとするころ、トラちゃんが航一さんに言いました。

作業が終わって寂しくなると。

続けてトラちゃんは航一さんに問いかけました。

「あら航一さんも?」

この問いかけに対して航一さんは何も答えませんでした。

答えなかったというより意図的に問いかけをスルーしたと言ってもいい反応を示したような気がします。

航一さん、きっと寂しかったのでしょう。

トラちゃんと一緒に作業する時間が終わってしまうことが。

トラちゃんは何も気づいていないようでしたが。

また、前回から今回のはじめにかけては、何を考えているのかまったくわからないクセの強いキャラとして描かれた航一さん。

それがいつの間にか、寡黙だけど父親思いで誠実な男性に見えてきました。

この変化も、トラちゃんへの気持ちの変化をあらわしているのかも。

どういうことかと言うと、航一さんみたいなタイプは誰にでも心を開く性格ではありません。

心を開かないタイプの人というのは当然のことながら何を考えているのかわからない。

前回から今回の冒頭にかけての何を考えているのかわからない航一さんは、トラちゃんに対して心を閉ざしていた航一さんでした。

しかし、トラちゃんに対して次第に心を開くうちに、何を考えているかわからない航一さんは、寡黙な航一さんへと印象が変わった。

そんなふうにブログ主は解釈しました。

しかし星長官が亡くなったことで、これでしばらくはトラちゃんと航一さんが会う機会はなくなりそうですね。

残念。

優未ちゃんのフラグ

今回、前回に引き続きもう一つのフラグも立ちました。

もう一つのフラグとは、近い将来のトラちゃんと優未ちゃんの母娘関係がギクシャクしたもにになることを暗示するフラグです。

ナレーションの言葉を借りると、トラちゃんは改稿作業が「楽しくてたまりませんでした」。

そして「楽しくてたまりませんでした」とナレーションが語ったそのとき。

画面に映し出されたのは、作業に没頭するトラちゃんと、家の外で寂しそうにしている優未ちゃんの図。

トラちゃんは、作業に没頭するあまり、自分の娘の寂しそうな表情にはまったく気づいていません。

これは禍根を残しますね。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

星航一の実在モデル:三淵乾太郎

今週のドラマの中で、最高裁の星長官のもとに足を運んだトラちゃんは、そこで星さんの長男、星航一と出会います。

この星航一というキャラクターが、もし史実にある程度忠実に再現されたキャラクターであるならば、トラちゃんの再婚相手。

いずれトラちゃんは佐田寅子から星寅子になります。

星航一を演じるのは岡田将生さん。

岡田将生さんのような役者さんが演じるという時点で、星航一というキャラクターはトラちゃんの再婚相手になることはほぼ確定。

そう考えて差し支えなさそうです。

さて、星航一というキャラクターですが、実在モデルは三淵乾太郎氏。

三淵乾太郎氏も裁判官でしたが、お父上は最高裁判所初代長官・三淵忠彦氏。

史実では、リアルトラちゃんが三淵忠彦氏の執筆作業の手伝いをする中で三淵家の人々との交流が始まりました。

しかし昭和25年、リアルトラちゃんが渡米中に三淵忠彦氏は死去。

米国から帰国して早々、三淵家を訪問したリアルトラちゃんはそこで三淵乾太郎氏と出会います。

そのとき三淵乾太郎氏は前妻・祥子さんをすでに亡くし独り身でした。

そして三淵乾太郎氏には一男三女の連れ子(那珂、奈都、麻都、力)がいました。

その後、どのようにして距離が縮まっていったかなどの詳細は不明ですが、昭和31年8月にリアルトラちゃんと三淵乾太郎氏は再婚します。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    トラちゃんの、光と影。
    華々しく脚光を浴び、星長官の著書の改稿作業に抜擢され、一方では主催した昼食会に誰も現れない…。

    親が楽しいと子供も嬉しい、と言いますが、そうとも限りません。
    親が自分の楽しみだけに没頭していると、子どもは寂しいものです。
    私もそれで失敗して…。
    気持ちのすれ違いに、早く気づいて欲しい。

  2. zebra より:

    モデルになった人物が実際に言ったかどうかは分からないが、寅子は優三のことを「夫」と呼んだ。当時は「主人」が一般的だったのではないかと思うので、実際にそう呼んでいたとすれば先進的な言い方だったと思う。

  3. 還暦のたつお より:

    「なるほど。」つかみどころのない航一さんの微笑。「息子に似合いそうなご婦人。」目の前にいる。楽しくて改訂作業に没頭する寅子さん。寂し気に見つめる優未ちゃん。切ない。法律の本を、亡くなった夫の遺志でもあったんだね。出がらしの役目。なんか含蓄のある言葉。長官の序文これまた名文。でも遺書になってしまった。穂高さんもやがて。

    • みなちゃこ より:

      はじめまして、出涸らしの役目、含蓄深いですね。改訂本で、著者の長官の名前の下に、航一さんと寅子を連名にした、ご縁の導き手こそ、自称出涸らしの長官だな、と思ってしみじみみていました。

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