2024/7/31(水)第18週「七人の子は生すとも女に心許すな?」
あらすじ
放火事件の裁判で、顕洙が弟の広洙に宛てた手紙が証拠として提出されました。その手紙は朝鮮語で書かれていました。そして証拠として提出された手紙の日本語訳に対して、寅子は違和感を感じていました。
そこで寅子は、朝鮮語がわかるはずの小野に日本語訳の協力を求めました。一方で寅子は迷いに迷った末に、東京の香子にも協力を要請。ほどなくして、汐見に連れられて香子が三条の寅子の家にやって来ました。
香子は朝鮮語で書かれた手紙をその場で日本語に訳しながら読み上げました。すると法廷に提出されていた日本語訳の手紙にある「中を完全に燃やしてしまったせいで」の箇所を、香子が「気を揉ませたせいで」と訳したことに気がつきました。
香子の翻訳によって、証拠として法廷に提出された手紙の日本語訳は、慣用句の誤訳であることが判明。寅子が香子に礼を述べていると、何者かが寅子の家にやって来ました。寅子の家にやって来たのは小野でした。
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感想
優未ちゃん
「カッとなっても誰かを突き飛ばしたりしたらダメよ」
トラちゃんのこのセリフに朝から笑わせてもらいました。
カッとなって花岡くんを突き飛ばし大怪我をさせたその一方で、カッとなった高瀬くんに突き飛ばされて川に転落したことがあるトラちゃん。
自分のお母さんがそんな経験をしているなんて優未ちゃんは知る由もなく・・・
優未ちゃんがお母さん似なら、同じような状況に遭遇したらやらかしたかもしれません。
しかし優未ちゃんはお父さん似です。
おだやかな性格も、緊張するとお腹グルグルの弱点も。
それはともかく優しく育った優未ちゃん。
困った子がいたら助けるのは当たり前。
それを優しいとは言わない。
本当にいい子に育ちました。
優三くんの写真を久しぶりに手にしていたトラちゃん、優未ちゃんが優しい子に育ったことを優三くんに報告していたのかな?
また、優未ちゃんが山登りの遠足で一緒に行動することになった嫌われ者の男の子。
その子もどうやら優未ちゃんと同様に、困った子がいたら助けるのが当たり前と思っているそんな優しい子なのかもしれない。
ジャイアンみたいな子をブログ主は想像しました。
優未ちゃんの同級生のジャイアン、ドラマの中に登場させてほしいな・・・
香子ちゃん
香子ちゃんと汐見さんがやって来ました。
そして香子ちゃんが戦前、朝鮮半島からやって来たというキャラ設定が回収されました。
法廷に証拠として提出された日本語訳の手紙、翻訳したのは朝鮮語がわかる日本人なのでしょう。
なので、通常の表現は翻訳できたものの慣用句だけは分からなかった。
香子ちゃんならば慣用句がわかる。
さらに、慣用句の誤訳を顕洙も広洙も訴え出なかった気持ちも香子ちゃんは理解しました。
法律の道から離脱した香子ちゃんが元に道に戻ってきた瞬間でした。
追伸:香子ちゃんと汐見さんの交通費はどうしたのかな?
そんなことがふと心配になりました。
でも、トラちゃんは三条支部の支部長です。
裁判に係る経費として決済できる立場にあります。
なので二人の交通費は三条支部の負担。
汐見さんが仕事を休めたのは、トラちゃんが多岐川さんに根回ししたのかもしれません。
多岐川さんならトラちゃんの頼みを何でも聞いてくれるでしょうから。
小野さん
初登場したときからワケあり感を放っていた小野さんが、少しづつトラちゃんに心を開いてきたようです。
そんな小野さんが、今回の最後の最後にトラちゃんのもとにやって来ました。
次回は香子さんと小野さんが対面することになるのでしょう。
戦後になって明るさを失ってしまった香子ちゃんとワケありの小野さん。
二人の出会いから何が起こるのか?
この出会いがきっかけとなり、香子ちゃんも小野さんも、何かが動き始めますように。
予習レビューと史実のリアルエピソード
星航一の過去
今週、航一さんが自分の過去を語る場面が用意されています。
どのような過去を語るのかは不明。
しかし、いつだったか優未ちゃんとの間に生じた心の溝を埋めようとトラちゃんが必死の努力をしていることを察した航一さんが言いました。
自分は、溝を埋めるどころか溝を広げるようなことをしてしまったと。
なので、亡くなった奥様との関係のことなのか、あるいはお子さんとの関係のことなのか。
そのあたりのことではないかとブログ主は予想しています。
一方、航一さんの実在モデルである三淵乾太郎氏には興味深い過去があります。
三淵乾太郎氏のある過去について以下に簡単にまとめてみました。
星航一の実在モデル・三淵乾太郎氏の過去
三淵乾太郎氏は昭和6年(1931年)に東京帝国大学法学部を卒業して司法省に入省。
翌年の昭和7年(1932年)に東京地方裁判所の予審判事となりました。
その後、
昭和10年(1935年)東京民事地方裁判所判事
昭和17年(1942年)司法事務官
昭和19年(1944年)領事として北京に滞在
などの職歴を積んでいます。
以上の職歴は裁判官や検察官の職歴の詳細を記した書物『司法大観』に記載。
しかし『司法大観』に記載されていない職歴が三淵乾太郎氏にはあります。
それは「総力戦研究所研究生」という職歴です。
総力戦研究所とは、米英との戦争に備えるために設置された内閣総理大臣直轄の研究所で、陸海軍や各省庁から集められた優秀な若手で組織されていました。
昭和16年(1941年)4月、東京民事地方裁判所判事だった三淵乾太郎氏は総力戦研究所に第一期生として入所。
研究所内の模擬内閣で「司法大臣」と「内閣法制局長官」を務めました。
そして昭和16年(1941年)8月、総力戦研究所は米国との戦争の見通しのシミュレーションを行い日本敗戦という結論を出しています。
なお、三淵乾太郎氏は総力戦研究所で経験したことを一切語っていません。
よって、三淵乾太郎氏がその組織内でどのような仕事をしていたのかは不明のままです。
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航一さん正論。被告からの手紙なんか捏造っぽい。「カッとしても人を。」それはあなた。二人ともへとへとでお菓子で夕食。「困っている子を助けるのは。」ええ子や。香子さん夫妻頼りになる援軍。悲しい手紙。誤訳でしたか。冤罪と被告の諦め。小野さん登場。