虎に翼

司法試験に挑戦する涼子 / 虎に翼 第123回

2024/9/18(水)第25週「女の知恵は後へまわる?」

あらすじ

家裁の在り方をめぐって、家裁の面々が議論を尽くしました。そんな中、調査官の音羽が厳しい指摘をしました。家裁が機能不全になる寸前の状態にあるのは寅子の世代の責任だと。音羽の意見には朋一も賛意を示しました。

そのころ、直明一家が近所に引っ越すことになりました。直明は寅子に告げました。自分の中の戦後はやっと終わった。猪爪家を離れることに不安はないと。一方で優未は雀荘で働きながら花江の家事の手伝いをしていました。

昭和46年(1971年)。司法試験を受験するために涼子が玉を連れて上京。星家に滞在することになりました。二人の上京を聞きつけた梅子と香淑も星家に駆けつけ、明律大学女子部の同窓生たちが久しぶりに顔を揃えました。

その日、よねは演習問題を用意し涼子の受験を応援。集まった面々も一緒に演習問題を解きながら明律大学で過ごした日々のことを思い出していました。そんなある日、寅子は家裁で美佐江にそっくりな少女と出会い激しく動揺するのでした。

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感想

音羽さん

調査官の音羽さんがなかなか手厳しい。

少年法改正への国民の要望を招いてしまったことは家裁も反省すべき点がある。

音羽さん、他の誰もが考えなかった盲点を突きました。

音羽さんの言うとおり家裁は設立当初から慢性的な人員不足でした。

設立時は戦後の混乱期だったので無理もありません。

しかし、その後も人員不足の状態は放置されていたらしい。

音羽さんが言いました。

家裁に送致されてきた少年少女一人ひとりと向き合う時間が足りない。

十分に向き合えないまま送致されてきた少年少女を送り出すことになる。

そんな状態が続く中、少年少女の犯罪は増加するばかり。

音羽さんは続けました。

そんな状態を半ば放置して、個人の努力に依存してここまでやってきたトラちゃん世代の責任は大きい。

ぐうの音も出ないトラちゃん。

会議の前半では、音羽さんの意見に対してどちらかと言えば否定的だった朋一くんすらもが最後は賛意を示す。

音羽さんの厳しい意見に終始した会議の場面は、トラちゃんが時代遅れの存在になり始めていることを暗示しているのでしょうか。

明律大学の同窓会再び

トラちゃんと航一さんの「結婚式のようなもの」以来の明律大学の「同窓会」。

ヒャンちゃんに続いて涼子さまが司法試験に挑戦することに。

その話を事前に聞いていたらしいよねちゃんが、寝る間も惜しんで涼子さまのために演習問題を用意していたらしい。

涼子さまは自分の店の名に、かつてよねちゃんが働いていた店の名をつけました。

なので涼子さまはよねちゃんを心から尊敬しているはずです。

そんな尊敬するよねちゃんが自分のために演習問題を用意してくれていたと知った涼子さま、どれほど励みになったことか。

よねちゃんの粋なはからいはそれだではありませんでした。

みんなで演習問題を解けば楽しくやれるだろう。

そう考えたらしいよねちゃんは、全員の分まで演習問題を用意してきました。

そして、みんなで演習問題を解いていると思い出すのは、みんなで法律を勉強したなつかしい日々のこと。

海に遊びに行ってヒャンちゃんとの別れを惜しんだあの日からいろんなことがありました。

それが今こうして面々が再び集まる。

そして当時、一人だけ妙に浮いていたよねちゃんが、みんなが一つにまとまる役割を果たすことになるなんて。

あれから長い時間が経過したんだなとしみじみと思います。

本作も放送の残すところ7回となりました。

そして次回作の情報も少しづつ増え始めました。

次回作『おむすび』

次回作<<『おむすび』の第1週をアップしました。

次回作ではヒロインが小学生時代に阪神淡路大震災を経験することが少し前に判明。

なので、ヒロインの小学生時代を子役ちゃんが演じるところから物語が始まることを予想していたのですが、ヒロインが高校に入学するところから物語はスタートします。

そして数日前にヒロインのギャル姿が初公開されましたが、おそらく第1週からギャルになったヒロインが登場することが予想されます。

今、放送中の朝ドラは、朝ドラらしからぬ重厚な作品ですが、次回作は次回作で朝ドラらしからぬポップな作品になるのかもです。

<<『おむすび』

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予習レビュー

前回の本欄ではドラマの中での桂場さんの変化と、変化のモチーフになったと思われる史実の中の出来事を紹介しました。

今回の本欄では、桂場さんの変化によって大打撃を受けたキャラについてまとめてみます。

大打撃を受けたキャラとは朋一くんです。

桂場さんの変化の被害者

朋一くんに最高裁事務総局から家庭裁判所への異動命令が下されます。

この異動はエリートコースからの脱落を意味します。

左遷かそれに近い人事です。

そして、左遷のような人事で悔し涙を呑んだのは朋一くんだけではありませんでした。

朋一くんが開いていた「勉強会」に参加していた若手たちも次々と左遷人事に遭っていました。

そんな左遷人事を指示したのが桂場さんではないかとトラちゃんは疑います。

左遷人事を指示したのは桂場さんではないはずだという期待もあわせ持ちながら。

やっぱり桂場さんだった

トラちゃんが長官室の桂場さんを訪問。

左遷人事のことをトラちゃんは訪ねました。

そして、この人事を指示したのは桂場さんではないですよねと。

しかし、桂場さんはあっさりと、その人事の指示を出したのは自分だと言い切りました。

その頃、政府与党の幹事長が桂場さんに圧力をかけ、司法の独立は危機的状況に。

そこで、政府与党が圧力をかけてくる理由になってしまいかねない朋一くんたちのグループをつぶす。

それが、桂場さんが左遷人事を指示した理由でした。

左遷された朋一くんのその後

左遷人事を恐れて、朋一くんの仲間たちは次々と朋一くんのもとを去って行きました。

朋一くんと同い年の直人くんも、朋一くんの勉強会に関わっていたらしいのですが、いつかし朋一くんから距離を置く。

それでも理想を貫き通そうとする朋一くん。

そんな朋一くんもついに心が折れてしまいます。

理想と現実のギャップにもがき苦しむ中、弁護士をしている奥様から離婚を言い渡されてしまいます。

仲間に去られ、奥様からも理解してもらえない。

心がポキリと折れた朋一くんが最終的に選んだ道、それは裁判官をやめる道でした。

裁判官をやめた朋一くんが選んだ新たな人生

今週の朋一くんのエピソードは、裁判官をやめるところまで。

裁判官をやめた朋一くんが歩み始める新しい人生は次週描かれます。

以下、次週のネタバレが含まれます。

朋一くんが選んだ新しい職業は家具職人。

いつだったか、朋一くんは手先が器用という話が出ましたが、手先の器用さが新しい人生という形で回収されます。

また、朋一くんは離婚はするものの、離婚した奥様とはその後も良好な関係を継続。

「家族のようなもの」を朋一くんも体験することになります。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

    若い世代からの家裁への辛辣な意見。ある程度あたってはいるのだが。猪爪家家族会議いい意見は出るが結論は出ず。司法試験にやって来た涼子さま。皆で模擬試験。出題はよねさんと轟さん。えっなんで今あの人が?音羽さんの手首を見る寅子さんいささか考え過ぎでは。
    「デスノート。」映画版で名探偵Lを演じていたのは松山ケンイチさん=桂場さんでした。Lは脅威的な推理力を発揮するためにそのエネルギーを補おうと大量の甘味、お菓子を摂取していました。そう考えると桂場さんの苦闘も笹竹で甘味を食べにいけない事が要因かなと考えてしまうのですが。まあそれなら手の届く範囲に最中とか、大福とか、饅頭を置いておけばいいような気がしますがそんな様子もないし。

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