あんぱん

のぶと次郎が朝田家訪問 / あんぱん 第48回

2025/6/4(水)第10週「生きろ」

あらすじ

のぶと次郎が朝田家に足を運びました。朝田家の家族たちはのぶと次郎の久しぶりの来訪を大歓迎。そして家族はのぶの幼い頃の話を次郎に披露するなど、面々は楽しい時間を過ごすことができました。

そして朝田家からの帰りの汽車の中で、のぶは戦争が終わったらしたいことを次郎に話しました。生徒たちに楽しい授業をしたい。それから、次郎と一緒に船に乗っていろんな国に行ってみたいと。

その翌朝、次郎が航海に旅立つ日を迎えました。のぶは何か話し足りないことがあるのではないかと次郎に尋ねました。のぶの問いかけに応えて、次郎はようやく胸の内を打ち明けました。

これからの航海は予定通り帰ってこられるかわからない。もし、自分の身に何かあったら代わりに夢を叶えてほしいと。そして次郎は、いつもは航海に持っていくカメラをのぶに託して旅立って行きました。一方、東京の嵩のもとにも・・・

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感想

次郎さんと民江さん

民江さんはじめ三人の婦人会のおばさま方が血相を変えて朝田家に乗り込んできました。

何事かと思ったら次郎さんのカメラに目くじらを立てたらしい。

アバンタイトルで、のぶちゃんが次郎さんを撮影しようとすると通りがりの女性がのぶちゃんをガン見しました。

あの女性がどうやら民江さんにチクったらしい。

あんなさりげないことまでしっかりと回収すると、実に緻密な脚本です。

民江さん曰く、外国製のカメラが問題なのだとか。

でも、ブログ主はきっとあのカメラはドイツ製だろうと予想していました。

そうしたら案の定、次郎さんがカメラはドイツ製であること、ドイツは同盟国なので問題はないことを丁寧に説明。

次郎さん、いたずらに相手を刺激しないよう気づかいしながらの説明が絶妙です。

次郎さんの静かな反論にぐうの音も出ない民江さん。

すると民江さんが論点をずらしてきました。

カメラは贅沢品だと。

このツッコミを交わす次郎さんの返しが最強です。

「そうおっしゃらずに一枚いかがですか?」

次郎さんの爽やかな笑顔と女ごころをくすぐる提案で、次郎さんは民江さんを再び攻略。

次郎さん、なかなかの大物です。

そして、単なる怖いだけの婦人会のおばさんではない民江さんが素直すぎて、ますます好きになりました。

のぶちゃんと次郎さん

「僕はこの戦争に勝てるとは思わん」

次郎さんが衝撃の発言をしました。

しかし次郎さんのこの発言には説得力があります。

何故なら船乗りの次郎さんなら、間違いなく米英がどれほどの大国且つ強国であるかを身をもって体験しているはずだからです。

妄想だけで鬼畜だのなんだのと言っている人とはレベルが違う。

次郎さんの言葉に説得力があり過ぎたの、のぶちゃんがいつになくムキになってました。

いつだったか嵩くんが戦争を否定するような発言をしたときものぶちゃんはムキになっていました。

しかし、その時よりもムキの本気度が違う。

のぶちゃん、自分の中に密かにある不安を真正面から突かれて焦りに焦ったのかも。

しかし、ムキになるのぶちゃんに対して、またしても次郎さんはうまいこと議論を交わしました。

そんな会話を経て、出発する次郎さん。

口では「この戦争が終わるときは日本が勝つとき」と言いながらも、次郎さんの「もし自分の身に何かあったら・・・」発言がトゲのように心に刺さるのぶちゃん。

そんな中で次郎さんは旅立ちました。

ところで、戦時下を描いた朝ドラでは、ヒロインの相手役が旅立つ場面で、突き当たりを左折するとその先にあるのは「死」みたいなことを聞いたことあります。

今回、次郎さんは突き当たりを右折しました。

右折したことに少しだけ救われました。

蘭子ちゃん

話が前後しますが、朝田家での記念撮影。

カメラを構えたのぶちゃんが言いました。

ヤムおんちゃんと豪ちゃんもここにいたらと・・・

ヤムおんちゃんの名前はともかく、蘭子ちゃんの前で豪ちゃんの名前を出してはいけないよと咄嗟に思ったのはブログ主だけでしょうか。

しかし蘭子ちゃんの反応は冷静そのもの。

豪ちゃんはいつもここにいると言って、自分の胸に手を当てる。

しかもその時に蘭子ちゃんの笑顔は明るい。

蘭子ちゃんの立ち直りを確信できた瞬間でした。

そして嵩くんにも

そして嵩くんにも何やら通知が届きました。

赤い紙を使ってはいないので赤紙ではありません。

しかし嵩くんの表情は沈痛を極めています。

ちょっとネタバレになりますが、翌週から翌々週にかけては嵩くんの地獄が描かれます。

そのフラグが立ちました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

米英との戦争開始の影響

今週、昭和16年(1941年)12月8日、米英との開戦の日を迎えます。

そして、その影響が今週からドラマの中の随所に出てきます。

ヤムおじさんが朝田家を去ったのは米英との開戦の少し前ですが、ヤムおじさんが去った後から小麦粉は配給制に。

そのため、朝田パンはパンを焼くことができなくなり休業状態に。

のぶちゃんが勤務する学校で生徒の一人がのぶちゃんにこんな質問をする場面もあります。

なんでパン屋を休んでいるのかと。

この場面のしばらく後に昭和16年(1941年)12月8日、米英との開戦の日を迎えます。

そして年が明け昭和17年(1942年)、朝田家の向かいは配給所となり配給を待つ人の列がいつもできるようになる。

いつもにぎわいに満ちていた商店街。

のぶちゃんが、何度も全速力で走り抜けた商店街の様子が今週から大きく変わってしまうようです。

健ちゃんに赤紙が届く

今週、健ちゃんに赤紙が届きます。

健ちゃんは美術学校を卒業後に広告事業社に就職。

働き始めた後も親友となった嵩くんと大森の下宿に同居を続けています。

そんなある日の夜、嵩くんが仕事から帰宅すると健ちゃんがカレーライスを作って待っている。

健ちゃん几帳面な性格らしい。

それはともかく、カレーライスを見た嵩くん、カレーライスの材料が手に入ったことに驚くのだそうですが、そんな嵩くんの反応にも戦況の悪化の影響があらわれています。

ちなみに、健ちゃんは取引先の食堂にカレーの材料を分けてもらったのだそうです。

健ちゃん、なぜそこまで手間をかけてまでカレーライスを作ったのか。

実は、そのカレーライスは最後の晩餐でした。

健ちゃん、自分に赤紙が届いたことを嵩くんに告げるんです、カレーライスを食べながら。

翌朝、健ちゃんは入隊するために福岡へ。

嵩くん、親友とのお別れを経験することになります。

次郎さんの仕事への影響

戦争は次郎さんの仕事に影響が出てきます。

次郎さんが航海に出る際、のぶちゃんに告げるのだそうです。

これからは貿易や旅行のために船を運行するのではなく、軍需物資や兵隊を運ぶことが目的になると。

つまり、安全な航海ではなくなるということです。

次郎さん、航海のときにはいつも愛用のカメラを持って船に乗っていました。

しかし今週のドラマの中で描かれる航海では、次郎さんはいつもなら持って行くカメラをのぶちゃんに預け、そしてのぶちゃんに告げます。

もし自分の身に何かあったら、世界中の人々をこのカメラで撮影するという夢を、代わりに叶えてほしい。

これからの航海は予定どおりに帰ってこられるかどうかわからないと。

いよいよそんな時代に入ってしまいました。

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POSTED COMMENT

  1. 名乗る程の者ではございません より:

    国防婦人会といえばやっぱ「花子とアン」の壇蜜さんが断トツだわなあ、個人的には
    気が強そうで、薄幸そうで、凛としていて品があり、目力があり、色気全開で等々
    最近は健康面でいろんな難があるみたいですね、「徹子の部屋」でのお姿は痛々しかったというのが正直なところ
    ただ、旦那の清野さん(北区赤羽シリーズのマンガで有名)が週刊モーニングで連載しだしたマンガ「壇蜜」はおもしろいですわ、この頃の壇蜜さんが復活してほしいのはワイだけではないはず

  2. ずんこ より:

    突然入るのぶちゃんの愛国スイッチ。
    その剣幕にいささか鼻白むも、反論したり諭したりしない次郎さんは、懐が深い。
    大人ですね。
    実際のところを見ていない、観念だけで勝ち負けを語る、そのように教育されてまたそうせざるを得ないのぶちゃんを、哀しく思っているのかもしれない。
    これが蘭子ちゃんの言っていた、お姉ちゃんは変わった、ということなのでしょうか。

    お冠ながらもカメラを向けられると笑顔になっちゃう民江さん、可愛い。

  3. 還暦のたつお より:

    次郎さんとのぶさん最後の別れ、愛国婦人会の抗議を機転とユーモアで躱すナイスガイ次郎さん。しかし長い渡航生活で海外の事情に通じた次郎さんは、英米との余りの国力の差にこの戦争は絶対勝てないと実感していたのでしょう。しかし軍国精神が抜けきらないのぶさんはそれを否定。のぶさんには何を言っても無駄だと悟った次郎さん。諦めと悲しみと妻の無事を願う思いとがないまぜになった複雑な表情を浮かべながら、ただ妻を抱きしめるだけでした。このドラマ屈指の泣けるシーンでした。

  4. A より:

    アカカ゛ミキタ
    --・-- ・-・・ ・-・・ ・・ ・・-・- ー・-・・ ー・

    これ、放送では読めないような気が

  5. よるは去った より:

    次郎「この戦争に・・・・勝てるとは思わん・・・・。」

    そう感じていたのは次郎くんだけでしょうか・・・・・。

    のぶ「この戦争終わるがは・・・・日本が勝つときです・・・・そう強う思わんといけません・・・・・。」
    民江「贅沢は敵ですよ・・・・。」

    の言葉の裏側には・・・・と思ってしまいました。

  6. 中島立雄 より:

    第一次世界大戦、ヨーロッパ戦線を描いている映画がもう一本あります。アメリカ映画「ジョニーは戦場に行った。」です。これは中途から参戦したアメリカ軍の若い兵士を見舞った悲劇を描いた映画です。ちょっとっつきにくいけどいい映画です。

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