2025/7/10(木)第15週「いざ!東京へ」
あらすじ
ある日、メイコがのぶに相談しました。自分には好きな人がいる。その人に振り向いてもらいたい。その人と結婚したいのだと。その日、メイコは闇市の健太郎のもとに足を運び、健太郎には好きな人はいるかと尋ねました。
一方、のぶたち「月刊くじら」編集部の面々が、次号の取材のために東京に出張する前日を迎えました。岩清水は「ガード下の女王」と呼ばれる高知県出身の女性代議士を取材することを提案。のぶはその女性に強い興味を示しました。
その日の夜、嵩は健太郎と酒を飲みながらのぶの話をしていました。嵩が健太郎に打ち明けました。夫を亡くしても弱音を吐かないのぶが、ますます遠い存在に見えてきた。自分のような者が好きになってはいけない人なのだと。
そんな二人の会話に琴子が割り込んできました。そして、嵩が高知新報に採用されたのは、のぶの働きかけのおかげなのだと琴子は暴露。嵩が採用された真相を知った健太郎は、東京で長年の思いをのぶに伝えたらどうかと嵩の背中を押しました。
あんぱん|感想あらすじネタバレトップページ
感想
メイコちゃん
メイコちゃんが動き始めました。
しばらく前の回で、健ちゃんが嵩くんとともに高知の闇市で店を開いていることをのぶちゃんから教えてもらったメイコちゃん。
その後のメイコちゃんが描かれませんでしたが、実はメイコちゃんはあれから健ちゃんの店に度々足を運んでいたらしい。
メイコちゃんがのど自慢に出場を目指していることも健ちゃんは知っている様子。
しかし健ちゃんは、いまだにメイコちゃんの気持ちには気がついてはいないようです。
今もなお可愛いノラクロ程度にしか考えていないのかな?
メイコちゃん、お気の毒。
しかし、メイコちゃんの行動力もたいしたものです。
そもそも、自分の夢を叶えるために家出までしたメイコちゃんです。
しかも彼女は、ハチキンとしっかり者の二人の姉を持つ女の子。
二人の性質を受け継いでいることは十分に考えられます。
今回も、間接的な言い方ながらも健ちゃんに好きな人はいるのかと真正面から尋ねました。
メイコちゃん、あと一歩。
そして、メイコちゃんのあと一歩の背中を押しそうな言葉が健ちゃんの口から飛び出しました。
店を畳んで高知を離れることを健ちゃんは考えているらしい。
どうやら健ちゃんは、闇市にはショバ代を払わないでモグリで店を開いている様子。
そんな営業の仕方に限界も感じているのでしょう。
さらに相棒の嵩くんも就職してしまった。
店をやめるタイミングと考えてもおかしくありません。
そして、健ちゃんが実際に店を閉めて高知を離れると決めたとき。
それがメイコちゃんが本格的に動き始めるときになるかもしれません。
健ちゃんとメイコちゃんの今の関係から考えても、健ちゃんは自分が高知を去ることをメイコちゃんには伝えるはず。
もし高知を去るつもりであることを、メイコちゃんが健ちゃんから告げられたら。
メイコちゃん、今度こそ自分の気持ちを健ちゃんに伝えられるのかも。
そして・・・
メイコちゃんに気持ちを伝えられる寸前(?)の健ちゃん、嵩くんに対して長年ののぶちゃんへの思いを東京で伝えよと背中を押しました。
グルグルまわっている独楽
長年ののぶちゃんへの思いを東京で伝えろと健ちゃんが嵩くんに言う直前、健ちゃんが言いました。
柳井くんは一人でグルグルまわっている独楽みたいだと。
この言葉、草葉の陰の千尋くんが健ちゃんに言わせたようにも聞こえました。
千尋くんは出征前に宣言しました。
もし生きて帰れたら、必ずのぶちゃんを自分のものにする。
のぶちゃんが既婚であることは気にしないと。
千尋くんのそんな宣言まで聞かされているにもかかわらず、以前と変わらない嵩くん。
健ちゃんの言うとおり、本当にグルグルまわるだけの独楽です。
ところで、嵩くんがグルグルまわっている独楽、すなわちのぶちゃんが好きなのにその気持ちを言い出せないことを知っているのは健ちゃんと今は亡き千尋くん。
メイコちゃんも知っているはず。
そして今回、琴子ちゃんも嵩くんの気持ちを知ることになりました。
琴子ちゃん、嵩くんが独楽を卒業するために、これからいい働きぶりを見せてくれるのかもしれません。
ネタバレあり:ガード下の女王
ついに「ガード下の女王」の名前と、顔だけを伏せた姿が登場しました。
そして「ガード下の女王」がどのような女性なのかを知ったのぶちゃんは、初めてその名を聞く存在に興味津々。
のぶちゃんの人生が大きく変わるフラグが立ったと言っても差し支えない瞬間でした。
これからのぶちゃんにどのような変化が生じるのでしょうか・・・
以下、次週のネタバレが含まれます。
のぶちゃん、実際にガード下の女王に会って彼女の生き様に強い関心を持つようです。
そして、ガード下の女王に会った感激をカマジイに語るのぶちゃん。
のぶちゃんが楽しそうにガード下の女王について語るのを見て、カマジイがのぶちゃんに尋ねるんだそうです。
本当にやりたいことは何なのかと。
どうやらカマジイ、のぶちゃんは新聞記者や雑誌編集者よりも、ガード下の女王のような生き方を望んでいるのではないかと考えるらしい。
ちなみに次週のサブタイトルは「面白がって生きえ」です。
このサブタイトル、カマジイがのぶちゃんに語りかける言葉のような気がします。
カマジイに「面白がって生きえ」と言われたのぶちゃん。
そのカマジイの言葉が自分の人生を見つめ直すきっかけになるのかもしれません。
予習レビューと史実のリアルエピソード
『月刊くじら』の発行が決まるまで
今週のドラマの中で『月刊くじら』という総合雑誌が登場。
のぶちゃんが記者として入社した高知新報が刊行する雑誌です。
『月刊くじら』の編集室ではのぶちゃんが仕事をすることになります。
今週中には嵩くんも『月刊くじら』編集室に配属されるものと思われます。
この『月刊くじら』がどのような経緯を経て誕生するのか。
今現在、知り得る情報を使ってまとめてみます。
のぶちゃんは当初、高知新報という新聞社に記者として採用されました。
そして夕刊の担当になるものの、その直後に夕刊の発行が取りやめに。
夕刊の編集長は、闇市でのぶちゃんに名刺を渡した酔っ払いの男性・東海林さんです。
夕刊の発行が中止になり、どうやら東海林さんは夕刊に代わる事業を模索するようです。
そんな中で、東海林さんは闇市でアメリカの雑誌を入手。
そうだ!雑誌を作ろう!
みたいな展開になるようです。
『月刊くじら』のヒント
さて、東海林さんは闇市で手にしたアメリカの雑誌を見て、似たような雑誌を発行するという着想を得ます。
このアメリカの雑誌、嵩くんが廃品の中で見つけた雑誌かもしれません。
嵩くんは健ちゃんと一緒に米軍の廃品を回収し使えそうなものを再生して販売。
そんな中で嵩くんは廃品の中にアメリカの雑誌『HOPE』を発見。
その美しいデザインに魅了されてしまいます。
その後、嵩くんは健ちゃんから『HOPE』が売れたという報告を受けます。
健ちゃんが『HOPE』を売った相手が実は東海林さん。
そんな気がしています。
嵩くんが廃品の中で見つけ魅了されたアメリカの雑誌『HOPE』は、嵩くんが『月刊くじら』編集室に配属されることで回収。
こんな展開が見えてきました。
ところで嵩くんが廃品の中にアメリカの雑誌を見つけて魅了されるというエピソードは史実にある実話がモチーフになっています。
ただしリアル嵩くんが魅了されたアメリカの雑誌が何だったのかは不明。
一方、ドラマの中で嵩くんが魅了された雑誌のタイトルは『HOPE』。
この『HOPE』には実在モデルはあるのか?
これはあくまでもブログ主の推測なのですが、『HOPE』がアルファベット4文字であることから『LIFE』がモデルではないか。
そんなふうに考えています。
【史実】『月刊くじら』の実在モデルの雑誌『月刊高知』
ドラマの中でのぶちゃんと嵩くんが配属される『月刊くじら』の実在モデルは、昭和21年(1946年)に高知新聞社が刊行した総合文化雑誌『月刊高知』がモデルです。
『月刊高知』は昭和21年(1946年)から昭和24年(1950年)まで刊行。
同誌は、高知新聞社に所属する記者のルポや、文化人たちの座談会、高知県出身の作家の小説などが掲載されました。
創刊号は3,000部の出版でスタートしましたが、3000部すべてが二日で完売。
発行部数は最終的に12,000部にまでなりました。
創刊号は昭和21年(1946年)7月号。
創刊号の表紙を手掛けたのは高知県安芸市出身のイラストレーターで装丁家の山六郎氏。
第2号の昭和21年(1946年)8月号の表紙は、高知県高知市出身の漫画家・横山隆一氏の実弟で、後に風刺漫画家として活躍する横山泰三氏に依頼。
ところが横山泰三氏の原画が締め切りに間に合わず、リアル嵩くんがピンチヒッターとして第2号の表紙を手がけることになりました。
リアル嵩くんが描いた表紙は女性の肖像画。
表紙になったこの女性のモデルはリアルのぶちゃんと言われています。
あんぱん|感想あらすじネタバレトップページ
土佐でくじら
ワイの世代が連想するのは「侍ジャイアンツ」だわな、特にワイの好きなシーンである後楽園遊園地の観覧車から後楽園球場を指さし「番ちゃん、あれが何に見える?」と問うリカ(見た目は峰不二子で声は「ど根性ガエル」のヨシ子先生だわ)に対して「でっけえクジラだあ!」と叫ぶ番場番、最後にミラクルボールでジャックス(レジージャクソンがモデル)を討ち取る最終回、バッドエンドばかりの(「空手バカ一代」除く)梶原作品にしては珍しくアニメではハッピーエンドで終わります(原作はバッドエンドですがね)、というクジラは観るモノではなく食うモノだった時代の作品
失礼しました。
『独活』はうどで、正しくは『独楽』です。
お詫びして、訂正いたします。
いつも楽しい記事のご執筆ありがとうございます。
ところで…
ゴメンナサイ。どうしても気になってしまったので。
文中の『こま』は『駒』ではなく、『独活』です。『駒』は馬の意で、主に将棋やチェスの『こま』を指します。
なお、このコメントは非公開で内容ご確認後は直ちに削除願います。
琴子さん、健太郎君、ナイスアシスト。戦後の満員列車というと方向が逆だし、この話よりしばらく後の話だけど、松本清張原作、野村芳太郎監督の名作「張り込み」の冒頭のシーンを思い出す。