本放送:2011年11月16日(月)
再放送:2014年5月19日(月)
再々放送:2024年11月4日(月)
第7週「移りゆく日々」
花言葉の花「ワレモコウ」
あらすじ
昭和8年(1933年)晩夏、奈津の父が亡くなりました。奈津の結婚式は延期となり入籍だけすることに。奈津の母はすっかり力を落としてしまうものの、奈津は若女将として女将の分まで動き回っていました。
その頃、サエのドレスを見た他の踊り子たちが、紳士服店に一斉にドレスの注文に押し寄せて来ました。しかしドレスを馬鹿にする大将に右に倣えで職人たちもドレスをおもちゃ扱い。ミシンを使わせてもらえず糸子は家のミシンでドレスづくり。
そんなある日、久しぶりに駒子が糸子のもとにやって来ました。糸子に新しいドレスを注文したかったものの、ドレスの注文が二ヶ月先まで埋まっている糸子。駒子は奈津は案外元気、あれなら心配要らないと奈津の様子を教えてくれました。
だんじりの日。八重子が迷子になった長男・太郎を血相を変えて探しまわっています。その頃、道ばたで迷子の太郎を見つけた奈津は、太郎を探しに駆けつけた泰蔵と遭遇。思いがけず泰蔵が、自分のことを知っていたことに驚く奈津でした。
感想
文字通りの犬猿の仲、仲の良いところなどいささかもない、というかちょっとしたきっかけですぐに大げんかをはじめる二人でありながらも父を亡くした奈津のことを本気で心配する糸子の器の大きさ。
芸妓の駒子さんは、きっと奈津の働いている姿しか見ていないだろうから「若女将は案外元気、あれは心配要らんわ」と呑気にかまえてますが、前回36話の最後と今回37話冒頭の父の亡骸の前に座る孤独な奈津の映像、あれが奈津の本心かと。
この映像がすべてを現すように実はかなりショックを受けている奈津は同時期に環境が激変。予定していた結婚は延期し入籍だけという不安定な状態に突入。あれほど働き者だった母が力を落として何もしなくなった分、若女将の重責が増える。
日々の仕事の忙しさが崩れそうな奈津の心を支えているという側面もあるかもしれません。でも、無理に無理を重ねて気張っているんでしょう。そんな不安定さから目をそらして張りつめた心の奈津と初恋の相手・泰蔵に初めて接点が出来た。
どうかこのまま暴走しませんように。
さて、テーラー職人の川本が予測した通りの展開となったイブニングドレスの商売。一斉に注文が入るここまでの勢いはもしかすると予測以上だったかも知れません。でも大将はドレスを「女子供が遊びで着るもの」、職人たちも「おもちゃ」。
この仕事を小原呉服店で受けていたらお金はすべて自分のところに入っていたんだろうし、妹の静子を雇えたかも。静子はじめ家族も嬉々として糸子の仕事を手伝ったんじゃないかと。実に勿体ない。でも客は糸子についてるから独立しても大丈夫かも。
芸妓の駒子さんも二着目の注文をしたい様子。芸妓さんの間では洋服は流行らないんでしょうか。芸妓さんの間で流行ったら、ハレの日のためのドレスだから一般人に流行するきっかけになるかも。
ドレスの社会への突破口がそろそろ開く頃でしょうか。この時代には『ごちそうさん』の希子ちゃんも洋装だったし。糸子の夢への道がどんな形で眼の前に開けてくるのか楽しみです。