本放送:2011年11月2日(月)
再放送:2014年5月5日(月)
再々放送:2024年10月21日(月)
第5週「私を見て」
花言葉の花「スカシユリ」
あらすじ
昭和7年(1932年)12月、東京の黒田屋百貨店で発生した火災をきっかけに女店員の制服を洋服にという世論が高まりを見せました。そんな世の中の空気に商機を見いだした糸子は心斎橋百貨店に駆けつけ店員の制服がまだ着物であることを確認。
早速、支配人の花村と面談し自作のワンピースを見せつつ制服づくりを自分に作らせてほしいと直談判。しかし、花村は実績と信頼のある洋裁店としか取り引きしないと一蹴、糸子に取り合おうとしません。
それでも花村から制服に大切なのはデザインというヒントを得た糸子は、八重子のもとへ直行し相談をはじめます。八重子の切り抜き帳の中にセンスの良いドレスの写真を見つけた糸子はその日のうちに夜を徹して十毎ものスタイル画を描き上げます。
翌朝、スタイル画を抱え開店と同時に百貨店に駆け込む糸子。無視しようとする花村に糸子は強引にスタイル画を見せるものの、今後二度と来るなと言われてしまいます。しかし、その言葉に糸子はいよいよ闘志を燃やすのでした。
「みとれ!」
感想
桝谷パッチ店の大将の慧眼が見抜いた糸子の才能と度胸がついに炸裂!黒田屋百貨店というのは実在した白木屋百貨店の火災のことでしょうか。制服洋服化の世の中の空気を敏感に察知、しかも察知するだけでなくそこに商機を見いだす糸子。
商機を見いだすだけでもすごいですが、その商機を逃すまいと瞬く間に行動を開始。スタイル画をつくって百貨店に乗り込むとは。しかも、百貨店に足を踏み入れることさえ初めての体験。一体どんな心臓の持ち主なのか。
百貨店の玄関に立つ女店員をつかまえていきなり社長に会わせろというのもすごい。社長でなく支配人のもとに案内されましたが、支配人というのは今の百貨店の店長に当たるポジションなのでしょうか。
どこの馬の骨ともつかぬ女性の売り込みに、いかにも面倒臭そうでしかしどこか人の良さと中年の茶目っ気を感じさせる花村支配人演じる國村さん、いい味出してます。花村支配人と糸子の掛け合い、見飽きません。もっと見ていたいくらい。
けんもほろろに花村支配人から追い返された糸子の、その後の執拗さがすごい。分野問わず何かを成し遂げる時に一番大切なことが、心斎橋百貨店のエピソードにすべて詰まっていますね。
素早い行動。一度断られても諦めずに改善する。二度断られても、しかも二度と来るなと釘を刺されても「そんなんまともに聞くうちやありません」というふてぶてしさと「みとれ!」という闘志。
成功する秘訣は成功するまで諦めないこと、とはたしか松下幸之助翁の言葉だったと思いますが、その言葉を地で行く具体例。たいへん勉強になりました。