本放送:2011年12月2日(水)
再放送:2014年6月4日(水)
再々放送:2024年11月20日(水)
第9週「いつも想う」
花言葉の花「母子草」
あらすじ
昭和15年(1940年)、糸子が和菓子屋に行くも店には大福しかありません。国民に栗饅頭も食べさせられないで戦争に勝てるかと糸子は立腹。その糸子の洋装店も100円以上の服を売ってはならないと制限をかけられ統制が厳しくなります。
厳しくなってゆく経済統制に糸子は喧嘩腰で挑戦。100円以下で上等な服を作り客は喜ぶものの利益がほとんで出ません。安くした分、客からは野菜などの食料をもらうものの店の経営は成り立たず苦しい日々が続きます。
その頃、一番の問題は次女・直子の子守りでした。やんちゃが過ぎる直子の子守りを次々と断れついに預かってくれる人がいなくなってしまいます。子守りから猛獣とまで言われた直子は真夜中に一人起き出してイタズラをし家族を驚かせます。
そんなある日、善作に呼び出される糸子。知り合いの生地問屋の生地が贅沢品として販売禁止になり困り果てているので買い取ってやれ善作は言います。生地を買い取り、贅沢品と言われない服にどうやって仕立てようかと考える糸子。
感想
和菓子屋に行ったら大好きな栗まんじゅうもきんつばもなかった!「国民から栗まんじゅうを取り上げるようなみみっちいことで、日本は戦争に勝てるのか」「栗まんじゅうも満足に食べさせられないで何が大東亜共栄圏の盟主だ」
糸子の怒りの言葉が面白過ぎます。さすが商売人、栗まんじゅうの不足=国力・経済力の不足をしっかり見抜いています。当時、多くの人が眼をそらしていた、または知らなかった現実を栗まんじゅうひとつで見抜くとは。
七・七禁令(ぜいたく禁止令)で100円以上の服を売ってはならないと統制が厳しくなっても、その統制を「売られた喧嘩」と認識し「上等や」と喧嘩を買って出る糸子の図太さ。大いに見習いたいと思います。
しかし売られた喧嘩を勢いで買ったものの、満足ゆく利益が出ない。店の経営が成り立たない。食料をもらっても儲けがなくてはやってゆけない。そんな艱難辛苦の日々に困難がもう一つ加わりました。
次女の直子のやんちゃが過ぎて、子守りをしてくれる引き取りもついに最後の一人が降参。やんちゃどころじゃない猛獣。猛獣は言い過ぎと思いましたが、真夜中に一人で起き出して生花をバラまいたり、確かに猛獣かもです。
善作お父ちゃんも直子の猛獣ぶりを知ってから知らずか、優子で手一杯だと言いながらのらりくらりと直子の引き取りを拒否。長女の時は子守りを率先して引き受けたというのに。やっぱり猛獣を警戒してるのでしょうか?
その善作お父ちゃん、生地問屋の大将を助けてやってくれと糸子に。金糸が一本だけ入っているというそれだけのことで贅沢品の指定、販売禁止に。みみっちい話しです。その後日本と戦うことになる某国はその頃も贅沢三昧だったというのに。
話し戻して生地問屋。「一反もろて、何かこさえてみろ」と善作お父ちゃん。こんな困難が立ちはだかるほどに闘争心が燃え立つ糸子。「どないかなる、絶対なんか方法がある」この糸子の態度もとても勉強になりました。