本放送:2011年12月1日(火)
再放送:2014年6月3日(火)
再々放送:2024年11月19日(火)
第9週「いつも想う」
花言葉の花「母子草」
あらすじ
昭和14年(1939年)夏、臨月を神戸の松坂家で過ごす糸子。その頃、松坂家では家業の紡績工場が軍服の製造を受け入れ終戦を待って家業を再開させたいと考える清三郎と、軍服は作りたくないという貞子の意見が合わずにいました。
ある日、岸和田の店が心配でならない糸子は家族が出かけた隙に女中を騙してこっそり松坂家を抜け出し岸和田に向かう電車に乗ったものの、道中に陣痛が始まってしまい偶然出会った木之元に助けられ自宅に担ぎ込まれました。
長女のお産の時とは比べものにならないくらいの難産で、陣痛は昼過ぎにはじまったものの深夜になってもなかなか産まれません。母と子が無事であれば産まれる子は猿でもいいと勝が祈る中、次女の直子がようやく誕生しました。
男の子を望んでいた善作でしたが、孫の可愛らしさにとろけるような笑顔。無事に出産の報せを受けた清三郎と貞子も神戸から駆けつけ糸子を祝福。宝に恵まれているところに宝がまた増えたと直子の誕生を心から喜ぶのでした。
感想
いつも明るく楽しそうな清三郎おじいちゃんと貞子おばあちゃんの苦悩する顔が見ていてつらい。戦時中は軍服製造を引き受けて機械を残せば終戦後すぐに商売を再開できると現実策を模索する清三郎おじいちゃん。
一方で、軍服は嫌い、あんなカメムシみたいな不細工なものつくりたくないと猛反対する貞子おばあちゃん。時局だからやむを得ないと説得する清三郎おじいちゃんにあなたは養子だから簡単にそんなことを言うと反駁する貞子おばあちゃん。
清三郎おじいちゃんは養子だったんですね。なるほど、だからいつぞや孫に好きなものを買ってあげたいと心斎橋までこっそりやって来たり、糸子にミシンなどなんぼでも買ってやると大風呂敷を広げたり出来た訳かと納得。
苦悩する松坂家の人々。その松坂家からこっそり抜け出した糸子、道中でまさかの陣痛。相変わらずお騒がせな人です。岸和田の河原で木之元さんに会えたのは不幸中の幸いでした。
そして難産。生まれてくる子は男に決まってると勝さんと晩酌しながら上機嫌の善作お父ちゃん。しかしお産があまりに長引きこのままでは母体も危ういと、母子ともに無事であれば男でも女でも構わないとうろたえ出す小心ぶりが可愛い。
いよいよ心配になったタイミングで千代お母ちゃんが「糸子が・・・糸子が・・・」と絶妙のタイミングで泣きながら登場。危急の事態に陥ったかと身構えると、空腹だからせめてスルメをかじりたいという糸子が不憫だと、千代お母ちゃんの肩すかし。
無事に出産も終わり、清三郎おじいちゃんと貞子おばあちゃんが神戸から駆けつけてきました。松坂の家を抜け出して途中で陣痛がはじまるなど心配させられたにも関わらずその事は一切触れず咎めず、心の広い実に素敵な祖父母です。
そして神戸では苦悩の表情を浮かべていた清三郎おじいちゃんと貞子おばあちゃん、生まれたばかりのひ孫の顔を見て「わしらの宝がまた増えた、わしらは宝に恵まれている。少々のもんをなくしても怖がることはない」と明るい笑顔を取り戻しました。
楽観的で感謝の心を忘れない清三郎おじいちゃんと貞子おばあちゃんに僕も見習いたいものです。