本放送:2011年12月15日(火)
再放送:2014年6月17日(火)
再々放送:2024年12月3日(火)
第11週「切なる願い」
花言葉の花「カスミソウ」
あらすじ
三女を出産してから一週間、やけどを負って養生している善作の看病を千代は満足にできずハルもショックで弱ってしまい、糸子は一人で家の商売の指揮をとりながら、子育てと看病をし、夕方と朝方の区別がつかない状態に陥ります。
数時間おきに泣く赤ん坊、善作の包帯の交換、うなされるハルの介抱、やんちゃをする直子。その上、経済の統制がますます厳しくなる中、客足もめっきり遠のいてしまいます。肉体的にも精神的にも日に日に追い詰められてゆく糸子。
そんなある日、神戸から清三郎と貞子が見舞いに訪れました。清三郎に励まされ善作は男泣き。その善作は、清三郎に三女の名前を付けて欲しいと頼み、生まれてから一週間目にしてようやく三女の名前は聡子に決まりました。
明るい清三郎と貞子がやって来たことで家族も店の者も久しぶりに元気を取り戻しました。清三郎と貞子の帰り際、貞子が着用する上等な大島をつかったモンペに、糸子の眼は釘付けになるのでした。
感想
朝と夕方の区別がつかなくなってしまった糸子。赤ん坊が生まれてから一ヶ月くらいは三時間おきくらいの間隔で昼夜を問わず授乳で起こされる上に、おっとりした千代お母ちゃんに善作お父ちゃんの看病を満足に出来るわけがない。
顔もやけどしてちゃんとしゃべれなくなった善作お父ちゃん。千代お母ちゃんは善作お父ちゃんの話す言葉がまったく聞き取れない。でも何故か糸子は理解できるらしく通訳。「さすが娘」と感心する千代お母ちゃん、妻のほうが娘より善作お父ちゃんと一緒の時間が長いと思うんですが。
これまで頼りがいのあったハルおばあちゃんも、火事のショックでそれ以来寝込んでしまう。夜中にうめき声がするので見に行くとハルおばあちゃんがうなされている。ハルおばあちゃんの面倒まで見なければいけない糸子。
その上、監視の眼がなくなった猛獣直子が大暴れ。静子の大事にしていた紅を勝手に引っ張り出して、部屋の襖から壁から落書きし放題。赤ん坊の顔にまで落書き、自分の顔にも落書き。
勝さんもおらず、家族を支えるのはついに自分一人。これだけでも十分過ぎるほどハードな状態なのに、加えて商売あがったり。経済統制のあおりでお客さんがめっきり減ってしまう。泣きっ面にスズメバチ。
一体糸子、お天道様にどこまでいじられ叩かれるのか。でも、その困難から決して逃げずに立ち向かってゆく強さ。でも疲れきった糸子「朝か夕方か、赤ん坊かお父ちゃんかおばあちゃんか、絵の具を混ぜ過ぎたら灰色になるように、この頃、自分の眼の前が灰色に見える」
そんな中、清三郎おじいちゃんと貞子おばあちゃんがやって来ました。かつては善作お父ちゃんに手厳しかった清三郎おじいちゃんですが、糸子の結婚以来仲が良くなったんでしょうか。
今回は善作お父ちゃんの見舞いに来たようですが、清三郎おじいちゃん、善作お父ちゃんに対して優しいことこの上ない。善作お父ちゃんもおいおい泣き出してしまいました。本当にいいおじいちゃん。
いつも明るく楽しい清三郎おじいちゃんと貞子おばあちゃんが来てくれたおかげで、更に美味しいお菓子のお土産もあって、みんな元気を取り戻しました。太陽みたいな夫婦ですね、清三郎おじいちゃんと貞子おばあちゃん。
三女の名前もやっと決まりました。「いとこ」と一字違いの「さとこ」。「さと」は聡明の「聡」で『聡子』に決定。糸子より賢くなりそうだと、ハルおばあちゃんもやっと笑顔を取り戻しました。
ここ数回、実に苦しい話しでしたが、やっと明るい光が差し込んできました。明るい光のついでに、貞子おばあちゃんの大島モンペを見た糸子、なにやら思いついたようです。商売の起死回生策がひらめいたんでしょうか。次回から明るさを取り戻しますように。