本放送:2012年1月10日(火)
再放送:2014年7月8日(火)
再々放送:2024年12月24日(火)
第15週「愛する力」
花言葉の花「ベニバナ」
あらすじ
昭和21年(1946年)3月、戦時中休刊になっていた雑誌『婦人美粧』がついに復刊を果たしたその頃、いつものように闇市に生地さがしに行った糸子は、積まれた生地の中から眼の覚めるような水玉模様の生地を見つけました。
買って来たその生地を、家の中でひろげて感慨深げに眺める糸子とサエ。やっと洋服をつくれる時代が来たと感激する糸子。これを着たら自分が生まれ変わったような気がすると喜ぶサエのために、記念すべき戦後最初の洋服を糸子は縫いあげました。
出来上がった水玉模様のワンピースを見るや、一生のお願いと土下座をはじめる静子は、その日に復員する恋人をその服を着て迎えたいと懇願。水玉のワンピースを来た静子は恋人との再会を果たし、商店街の人たちから祝福を受けるのでした。
水玉模様のワンピースの製造が注文に追いつかないほどの大評判となった5月、静子は結婚しました。糸子が着るはずだった花嫁衣装を着た花嫁姿の静子を幸せになれと見送った祖母のハルは、そのひと月後の6月11日、静かに息を引き取りました。
感想
戦時中は休刊となっていた雑誌の『婦人美粧』が復刊したり、糸子の言葉を借りれば「新しい時代の洋服の生地」が見つかったり、怒涛の勢いで世の中が明るさを取り戻してゆく様は見ていて気持ちの良いことこの上ありません。
とりわけ水玉模様の「新しい時代の洋服の生地」を見た時のサエの喜びようは見ていて目に涙を浮かべたほど。「これを着たら自分が生まれ変わったような気がする」すべてを失ったけれど、希望が息を吹き返した時代。
そこにもう一つ新たな希望。静子ちゃんには実は恋人がいた!その恋人が復員、水玉模様のワンピースで迎えたい。糸子に土下座して「て一生のお願いや」とまで言って懇願。こんな本気な静子ちゃんは初めて見ました。
勝を失った糸子に遠慮してずっと恋人の復員を隠してきたと静子ちゃん。そんな妹に姉を見損なうなと言ってのける糸子、その男前ぶりにしびれました。
水玉模様のワンピースを着用した静子ちゃん、ここ数週間『カーネーション』の中で見ることが出来なかった鮮やかな色彩。時代の変化を映像だけで見せてくれました。そして通りの真ん中で恋人と抱き合って喜ぶ静子ちゃん。
抱き合う二人の背後で、大口開けてぶったまげる木岡のおばちゃん、木之元のおばちゃんの表情に、なぜだか抱き合う二人以上に目が釘付けになってしまいました。
そして花嫁衣装を身に包んだ静子ちゃん。化粧もして別人のようにキレイになりました。寝たきりになってしまったハルおばあちゃんに「達者で幸せになるんやで」と言葉を贈られ出発。
そのハルおばあちゃん、孫の嫁入りを見届けてほどなくして亡くなった由。寂しくなります。