虎に翼

寅子に弁護の依頼が入る / 虎に翼 第36回

2024/5/20(月)第8週「女冥利に尽きる?」

あらすじ

昭和17年(1942年)1月。寅子と優三は結婚したことを穂高に報告しました。寅子は優三と結婚して以来、弁護の依頼も入るようになりました。仕事は順風満帆だったものの、優三との夫婦関係は形ばかりであることに寅子は違和感を感じていました。

そんなある日、寅子は助手として働くよねとともに満智という名の女性からの依頼を引き受けることになりました。満智は夫を亡くしたばかりで、しかも亡くなった夫の子を妊娠中でした。そして子の親権をめぐって義父と争うことになったのです。

夫の死後、暮らしの困るようになった満智は、夫の友人に頼ることになったものの、その行為が義理の両親から「著しき不行跡」として訴えられていました。寅子は満智の力になろうと大いに張り切りました。

前のめり気味の寅子のことが優三は心配でした。そんな中、寅子は満智を勝訴に導きました。しかしその直後、満智が懐妊した頃、満智の亡夫は昏睡状態にあったことが判明。寅子は満智にだまされていたのです。

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感想

臨時ニュースはスキップ

前週の最後にナレーションによって日米開戦が告知され、昭和16年12月8日の臨時ニュースはスキップして時代は昭和17年1月。

「臨時ニュースを申し上げます」の放送をスキップしての戦争の時代への突入。

新鮮な演出でした。

そして今回はいつもと変わらぬ猪爪家の日常の描写からスタート。

いつもと変わらぬとは言っても、食糧事情が厳しくなったり、花江ちゃんが国防婦人会のタスキをかけたりの変化はありました。

しかし猪爪家の面々の様子はいつもどおり。

12月8日の「臨時ニュース」も、猪爪家の人々にとってはたまにある臨時ニュースの一つ。

そんな風に見えないでもない描写が妙にリアルでした。

そして怖い描写でもありました。

これから起こることを何ひとつわかっていない猪爪家の人々。

間もなく描かれるであろう悲劇を思うと胸が痛む。

そんな複雑な気持ちになる描写から新しい週が始まりました。

魔性の女:満智

満智という名の依頼人の魔性の女ぶりが恐ろしい。

雲野法律事務所に最初にやってきたときの満智さんは見るからに気の毒な被害者ポジションの女性でした。

その被害者ヅラにトラちゃんはまんまとだまされた。

ブログ主も先々の展開を知らずに見ていたら、間違いなくだまされてました。

そんな気の毒な被害者が勝訴すると一転、腹黒さを全開に。

トラちゃんに対して女性の弁護士は甘いとまで言う。

今回かぎりのチョイ役とはいえ、朝ドラらしからぬ恐ろしい女性でした。

トラちゃん痛恨の過失

トラちゃんが痛恨のミスを犯してしまいました。

優三くんが案じていたとおり、突っ走り過ぎて冷静さを欠いてしまったことによる過失。

梅子さんのことを思い出してあまりにも感情的になってしまったのでしょう。

しかし今回の過失は、これから先の展開の中でトラちゃんが弁護士の道から裁判官の道へと転身するフラグなのかもしれません。

学生時代、トラちゃんは法律は人を守るものと考えていました。

その後トラちゃんは法律は澄んだ真水みたいな表現もしました。

しかし、トラちゃんは法律の力を使って、守るべきでない人を守ってしまった。

守るべき人の人生を狂わせたかもしれない。

法律を澄んだ真水として使えなかった。

弁護士という職業では、自分の理想は追求できないとトラちゃんが考えてもおかしくない。

平和な時代であれば、トラちゃんはそういったことで悩み続けたのかもしれません。

しかし、これから平和が失われる時代に突入します。

理想と現実のギャップに悩むヒマなどなくなるのでしょう。

よねちゃん

よねちゃんは助手ではありますが、彼女の性格から考えて今回の過失への責任を感じているかと思います。

よねちゃんにとっての法律とは武器でした。

しかし、その武器を使って本来ならやっつけるべき対象を守ってしまった。

この現実をよねちゃんはどのように受け止めたのか。

そこがブログ主はとっても気になっています。

また、社会の中での女性のポジションが嫌いで女性をやめると決めたよねちゃんが経験したのは、その女性が人々をあざむくの図。

これをよねちゃんはどのように受け止めたのか。

よねちゃんの心の中も覗いてみたい「過失」でした。

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予習レビュー

今週は戦時下の三年間が描かれる

今週は昭和16年(1941年)12月の米英開戦に始まり、終戦前年の昭和19年(1943)の冬までの約3年間が描かれます。

戦争によって登場人物たちの生活は激変。

今週の主な出来事を時系列に沿ってまとめてみます。

昭和17年、トラちゃんは結婚後は順調に仕事が入り、直言さんの工場も軍からの注文が途切れず、はたから見たら順風満帆。

ただし、トラちゃんは自分の仕事について悩みを深める。

また、トラちゃんと優三くんは結婚して以来、形ばかりの夫婦関係を続けていましたが、ようやく本当の夫婦らしくなる。

そんな状態からスタートします。

昭和18年5月、トラちゃんが妊娠します。

出産直前まで働くつもりだったトラちゃんでしたが、妊娠が判明した直後に女子部の先輩の久保田さんが出産を機に弁護士をやめることに

同じく女子部の先輩の中山さんはすでに弁護士をやめて主婦業に専念。

ほどなくしてトラちゃんもつわりに苦しむようになり、満足に仕事ができない状態に。

週の始まりの「順風満帆」から一転、トラちゃんの受難が始まります。

そんな中で直道くんが出征、ほどなくして轟くんも出征。

轟くんが出征した直後に、トラちゃんはついに仕事をやめることに。

そして昭和18年12月、トラちゃんは出産。

その後、優三くんも出征。

昭和19年冬のことでした。

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POSTED COMMENT

  1. とらばあ より:

    私も、雲野先生、叱責するにも、ご自分の失敗から切り出すなんて、本当の話かどうかも分からないけど、さすが!こんな上司の元で育てられたいと思いました。

  2. よるは去った より:

    満智「やだ先生・・・・・・もしかして・・・・・・・お気づきになってなかったの・・・・・・・・。」

     現代ならDNA鑑定という手段があるのですがね。
     いつの時代もああいうしたたかな女性っているのですね。

  3. 還暦のたつお より:

    航空部隊のビルマ侵攻。加藤飛行隊長の藤田進さん主演の伝記映画では戦意高揚映画にも関わらず序盤から相当苦戦している様子が描かれていた。依頼主の満智さん何かある。「私突っ走ってますか?」自覚無き暴走は危ない。案の定まんまと満智さんの詐術に引っかかり。雲野先生からの警告。寅子さんを叱責しなかったのは。雲野先生の部下への思いやりと自戒の念。

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