2024/4/10(水)第2週「女三人寄ればかしましい?」
あらすじ
よねを尾行した寅子がたどり着いたのは裁判所でした。そのとき寅子は初めて裁判を傍聴することになりました。その裁判では、離婚するかどうかで決着がつかない夫婦間で、妻側が亡き母の形見である着物の返却を夫に求めていました。
民法上、妻には所有権は認められないというのがその裁判の流れでした。寅子は憤慨するものの、よねは妻には勝ち目がないと寅子に告げました。納得できない寅子は帰宅すると優三に次々と質問を浴びせかけました。
女性の財産は夫の管理下に置かれてしまう。結婚することで女性が置かれる理不尽な立場を知った寅子は、ますます結婚に対して懐疑的になりました。怒りが収まらない寅子は、結婚は女性にとって罠だと家族に告げました。
その翌日、寅子は前の日に傍聴した裁判のことを穂高に尋ねました。どうしても妻側に勝ち目はないのかという寅子の問いかけに対して穂高は答えました。法廷に正解はない。どうしたら妻側が勝訴できるか、皆の頭で考えてみよと。
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感想
初の「リーガルドラマ」らしい描写は、偶然に傍聴することになった裁判。
それは主人公が生まれて初めて自分の目で見る法廷でもありました。
また、初の「リーガルドラマ」らしい場面では、トラちゃんと同様かそれ以上に男女が不平等な状態に対して怒りを持っているらしいよねちゃんも登場。
これは、女子部の面々の中ではよねちゃんが重要なポジションにあることのフラグなのでしょうか?
トラちゃん
「婚姻状態にある女性は無能力者」ということを知ったとき、トラちゃんの中にそれまであった結婚に対する疑念が初めて言語化されました。
そして今回。
「妻の財産は夫の管理下にある」
この文言を知ったトラちゃんは結婚を「罠」とまで考えるように。
さて、結婚に対する疑念がますます大きくなってしまったトラちゃんですが、ここでブログ主は一つのことが心配になってきました。
トラちゃんが懐疑的な目を注ぐ結婚が理不尽なものである理由は、トラちゃんの立場から見て理不尽な法律の存在があるからです。
しかし、そのトラちゃんはそんな理不尽な法律を学んでいるわけです。
これはブログ主の過去の経験なのですが、ブログ主も法律に関わるある資格試験の勉強をしていたことがあります。
司法試験ではありませんが・・・
そのころ、講師から繰り返し言われた言葉を思い出します。
法律を勉強していると、自分の頭の中にストックした法律に関する記憶が正しいかどうかに意識が集まりがちになってしまう。
その結果、その法律が妥当なものかどうかという視点から法律について考えることを疑ってしまうと。
トラちゃんに置き換えていうならば、法律そのものを記憶する作業を繰り返すうちに
「婚姻状態にある女性は無能力者」
「妻の財産は夫の管理下にある」
といった、今はトラちゃんが理不尽に感じている法律に対して、理不尽さを感じなくなってしまう、ということです。
よねちゃんは、諦念によって理不尽さから目をそらしつつあるようですが、トラちゃんは法律を学ぶ者にありがちと言われる状態をどう回避するのか。
そんな点が気になり始めました。
よねちゃん
よねちゃんは物語全編を通して主人公にとって重要なキャラになることが予想されます。
以下、ネタバレが少しだけ含まれます。
女子部の中でトラちゃんと仲良しになった3人の女性。
3人は物語前半のうちに法律の正解から離脱してしまいます。
3人とも家庭の事情等の理由で。
一期生の貴重な生き残りの先輩も、物語前半のうちに法律の正解から離脱します。
物語前半の最後になっても法律の世界に生き残っているのは二人だけ。
一人は主人公のトラちゃん。
もう一人はよねちゃんです。
よねちゃんがそれほど重要なポジションにあることが、初の「リーガルドラマ」らしい場面への登場で暗示されたような気がします。
そのよねちゃんですが、一週間後の水曜日あたりに彼女の過去が描かれます。
なぜ男装なのか?
なぜいつも怒っているのか?
などの理由が過去の描写を通して明かされるようです。
よねちゃんの過去に何があったのかはここでは伏せておきます。
しかし一点だけ気になること。
それは登場人物の生い立ちがここまで深く描かれるのはよねちゃんだけということです。
主人公のトラちゃんですら、そこまで深く描かれない。
よねちゃん、それほど重要なキャラらしい。
しかし、よねちゃんは物語前半内でも弁護士資格を取得することができていません。
トラちゃんも、途中で法律の世界から離脱するらしいある2人は物語前半のうちに弁護士資格を取得するのですが・・・
また、よねちゃんは物語前半の終わり頃になっても、主人公に対して心を開かない模様。
先々の展開を考えると、よねちゃんというキャラの存在がドラマの中でどのような役割を果たすことになるのか、ますます気になってきました。
予習レビューと史実のリアルエピソード
中山千春の実在モデル?中田正子
寅子の明律大学女子部の先輩・中山千春という登場人物は、次のようなキャラクター設定です。
・第6週で寅子と同時に高等試験に合格
・苗字の一文字目が「中」
これら2つの情報から、安藤輪子さんが演じる中山千春の実在モデルは中田正子さんと思われます。
日本初の女性弁護士:中田正子
明治45年(1910年)12月1日、東京市小石川区生まれ。
女子経済専門学校在学中に新渡戸稲造、吉野作造、我妻栄(民法学者)らに学び、法律家を目指す。
昭和6年(1931年)日本大学法文学部へ選科生として入学。
昭和9年(1934年)明治大学専門部女子部3年次に編入学。
昭和10年(1935年)女子部を卒業し同法学部へと進学。
昭和12年(1937年)高等文官司法科試験を受験し、女性初の論述試験合格者となったが口述試験で不合格。
昭和13年(1938年)高等文官司法科試験に再び受験し女性初となる合格者となった。
昭和14年(1939年)中田吉雄と結婚。
昭和15年(1940年)弁護士試補試験に合格、日本初の女性弁護士を開業。
昭和20年(1945年)夫・吉雄の実家、鳥取県八頭郡若桜町へ疎開。
昭和23年(1948年)鳥取県弁護士会に加入。
昭和25年(1950年)鳥取市馬場町に法律事務所を開業。
昭和49年(1974年)藍綬褒章。
昭和56年(1981年)勲四等瑞宝章。
平成14年(2002年)死去。91歳。
60年以上にわたる弁護士活動の中で、鳥取県弁護士会会長、日本弁護士連合会理事、鳥取家庭裁判所調停員、同参与、労働省から委嘱された鳥取機会均等調停委員を歴任した。
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よねちゃん、悲観的。
着物は返ってこない、法改正はいつになるか分からない…
それならなぜ、法科に進学したのでしょう。
何のためにあんなに熱心に勉強しているのでしょう。
梅子さん、「夫の暴力」という言葉に反応した?
梅子さんも、何か背負っている様子。
穂高先生の柔軟な対応、さすがです。
二組目のお笑い芸人登場、シソンヌが敵味方の弁護士。この裁判、現代なら原告が勝つが、あの頃なら厳しいだろうな。よねさんの頑なさの原因の一端が露わに。よく考えたら寅子さんと優三さんって「拾われた男」のカップル。ということは?穂高先生ナイスアシスト。法科の男子学生たち悪い。「えっないの正解。」厄介な法解釈。穂高先生の宿題。