2024/6/18(火)第12週「家に女房なきは火のない炉のごとし?」
あらすじ
轟とよねは、一緒に開業した弁護士事務所で戦争孤児たちの面倒を見ていました。そこにやってき多岐川は孤児たちに約束しました。君たちを見捨てたりはしない。家庭裁判所は君たちを必ず救うと。
その一方で戦争孤児は増える一方でした。警察は「浄化作戦」と称して戦争孤児たちを捕まえると家庭裁判所に送り込んできました。しかし戦争孤児たちの引き取り手はなく、寅子たちはその対応に忙殺されました。
そんな中、轟のよねの事務所で出会った道男は、引き取り手がどこにも見つかりませんでした。そんな道男を寅子は勢い余って猪爪家に連れてきてしまいました。家族が反対する中、はるは道男を留まらせると言い出しました。
翌日から、道男を迎えた猪爪家の生活が始まりました。道男は自分を泊めてくれたはるの忠告にも従いませんでした。子供たちも道男に対して嫌悪感を抱いていました。勢いで道男を連れてきてしまった寅子は、後ろめたさを感じずにはいられませんでした。
虎に翼|感想あらすじネタバレトップページ
感想
轟くんとよねちゃん
轟くんの学生時代の印象。
よく言えば、若いわり大人びてしっかりした考え方の持ち主。
悪く言えば、同級生に説教ばっかり垂れるお節介野郎。
そんな轟くんの老成キャラに、ようやく轟くんの年齢が追いついてきたようです。
よく言えば、反骨心が旺盛なよねちゃん。
悪く言えば、まだまだお子ちゃまのよねちゃん。
そんなよねちゃんを、轟くんが上手にコントロールしています。
決してよねちゃんのプライドを傷つけずに。
しかし、よねちゃんが自分で自分の足りないところを気付けるように。
今回、事務所に入ってきた多岐川さんに、よねちゃんがいかにもよねちゃんらしい洗礼を浴びせかけました。
「おっさん」と言い放って。
よねちゃん、気に食わない相手だろうがそれを言っちゃアウトだよと思っていたところ、多岐川さんも変人なりに大人でした。
「初対面の相手をおっさん呼ばわりする者に答える名前はない」
多岐川さん、ど正論。
そのやりとりを聞いていた轟くんが間髪を入れずに非を詫びる。
大人と大人のやり取りがとっても心地よい。
よねちゃんも、二人の大人の会話から何かを学んでほしい。
そして、よねちゃんが司法試験になかなかパスできないのも、大人になりきれていないところに原因があるのかも。
そんな気がしてきました。
ドラマを面白くする都合上から考えても、よねちゃんをいつまでも今の状態のまま放置することは考えられない。
いつかは司法試験にパスするでしょう。
その直前に、よねちゃんはそれまでにないほどの成長を遂げるような気がします。
よねちゃんはどんな成長を見せてくれるのか。
大人になったよねちゃんの姿は、今と比べてどんなふうに変わるのか。
ブログ主の中では、よねちゃんが第二の主人公になりつつあります。
はるさんと道男くん
前回に引き続き登場した道男くんが猪爪家の厄介になることに。
文字通りの「厄介者」ですが。
半ば道男くんの挑発に載せられたしまった感のあるトラちゃん。
勢い余ってうちに泊めてやると言ってしまったものの、家族の視線は冷たい。
そんな中で意外な助け舟が。
はるさんのことです。
道男くんをうちに泊めてやろうと言い出すはるさん、何を思ったのか?
おそらく今週中のどこかで、はるさんが道男くんを泊まらせようと考えた理由が明らかになるはずです。
今週はまたはるさんにとって極めて重要な週でもあります。
はるさんを中心にして道男くんのストーリーが展開されます。
はるさん。
道男くん。
今週はこの二人に要注目です。
予習レビューと史実のリアルエピソード
初代最高裁長官・星朋彦
今週、非常に重要なキャラの親族が、非常に重要なキャラに先駆けて登場します。
非常に重要なキャラの親族の名は星朋彦。
最高裁判所の初代長官です。
重要な理由、それは星朋彦の息子がトラちゃんの再婚相手になることが考えらるからです。
星朋彦の息子の名は星航一。
演じるのは岡田将生さんです。
では、どうして星航一がトラちゃんの再婚相手になることが考えらるのか。
それはリアルトラちゃんが実際に、初代最高裁判所長官・三淵忠彦氏との交流を経て、ご子息のと再婚しているからです。
リアルトラちゃんが再婚したのは昭和31年(1956年)。
再婚相手の名は三淵乾太郎氏。
リアルトラちゃんが41歳、三淵乾太郎氏が50歳のときでした。
再婚時、リアルトラちゃんには息子が1人、三淵乾太郎氏には一男二女がいました。
二人の馴れ初めは、リアルトラちゃんが三淵乾太郎氏のお父上である三淵忠彦氏の死後、三淵家を訪問し親しくなったのではないかと推測されています。
話題を「非常に重要なキャラの親族・星朋彦」に戻します。
星朋彦の実在モデルは上に記した三淵忠彦氏。
氏の略歴は次のとおりです。
明治13年(1880年)岡山県生まれ。
京都帝国大学法科大学を卒業後、書生を経て東京地方裁判所判事に就任。
昭和22年(1947年)初代最高裁判所長官に就任しました。
なお、三淵忠彦が亡くなったのは昭和25年(1950年)、リアルトラちゃんと三淵乾太郎氏の再婚の6年前のことでした。
虎に翼|感想あらすじネタバレトップページ
幸四郎「道男少年は16歳か17歳・・・・・。」
道男「俺・・・・・なれないかな・・・・・その人の代わりに・・・・・。」
多岐川先生の心配はこういう風に当たってしまいましたか・・・・・。
汐見さんが、「君がよねさんか」といったとき、
なんで汐見さんが知ってるんだ?そうだ!ヒャンちゃんから話を聞いていたんだ!
ヒャンちゃん、トラちゃんに会ったときは塩対応だけど、汐見さんには友達の話をしているんだとわかってちょっとうれしかったです。
誰彼構わず噛みついて、失礼な態度をとり続ける道男くん。
なんとなく、よねさんの失礼暴言も同じタイプに感じました。
傷つけられてきた自分を守るために、ともかくとりあえず周囲に噛みついておく、処世術がそっくり。
寅ちゃんて、考えてみれば魔女5のなかで、唯一「家族のなかでは」全面的に肯定されてきて、社会からもある程度かばわれてきた人。そのあたりが、一番否定されて悲惨な人生を歩んできたよねさんが「甘ちゃん」と突っかかりたくなるところなのかな。
実際問題、周囲から「良いお母さんになることが今は一番大事」と言われちゃったら、それに逆らえないと思っちゃうというか、周囲の願い通りに辞めちゃうのが。
確かに、あの時代両立を図ろうとするのって今以上に、考えられないほど大変なのでしょうけど。
やっぱりほっとしていたし、自分から逃げ出していたのかもですね。
よねさんがハリネズミキャラから脱するときが、寅ちゃん自身も「めぐまれている」甘さを脱するときなのかも。
はじめまして。
「ごちそうさん」の時からずっと、楽しく拝見しています。
よねさん、興味深いキャラで、大好きです。中の人の演技が良いのか、人物造形に厚みがあると感じています。
個人的に印象深いよねさんは、
・葛藤しながら、生理が楽になるツボを教えるよねさん。
・甘味処での女子部先輩のご主人の出征の報には、形式的に頭下げながら「おめでとうございます」と言ったのに、轟さんには「死ぬなよ」と。
・弁護士になったトラちゃんにおめでとう言いにおうちにやって来たよねさん、はるさんに「またいつでもいらしてね」と声をかけられて、軽く頭を下げながら、素直に「はい」と答える。
で、思ったこと。
道雄くんだけじゃなく、よねさんの心を救うのも、もしかしたら、はるさんなのかも、と。
苦境で自棄になる少年、大人への不信感。多岐川さんへ敵意むき出しのよねさん。だけど多岐川さんいい意味で大人の対応、道雄君たちへも。委託先探し困難を極め。行先決まらぬ道雄君、売り言葉に買い言葉で寅子さんの実家へ、皆の反対の中はるさんの一声で。でも前途多難。食事でも軽く揉め。
再婚相手の方のお子さんは一男二女ではなく三男一女です