あんぱん

寛への後悔に涙を流す嵩 / あんぱん 第42回

2025/5/27(火)第9週「絶望の隣は希望」

あらすじ

寛が亡くなり、のぶとともに柳井家に弔問に訪れた羽多子は、帰り際に千代子に誘われ献杯しました。千代子は生前の寛の思い出を羽多子に語り、二人は夫に先立たれてしまった悲しさを共有しました。

一方、家に戻ったのぶは、嵩に届けるようにと草吉からあんパンを渡されました。そのころ嵩は空き地のシーソーで一人で座り、寛を思いながら涙を流していました。そんな嵩に、のぶはあんパンを差し出しました。

そして、卒業制作の仕上げを優先したばかりに寛の最期に会えなかったことを悔やむ嵩に、のぶは言いました。寛は嵩のことを誰よりも分かっていた。卒業制作を完成させたことを寛は褒めてくれるだろうと。

のぶに励まされ少しだけ落ち着きを取り戻した嵩は、自分の気持ちをのぶに打ち明けようとしました。しかし、その直前にのぶが言った「うちは嵩の一番古い友達」という言葉によって、嵩は告白できなくなってしまいました。

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感想

羽多子さんの咄嗟の判断

結太郎さんがかなり早い段階で亡くなってしまったので忘れてましたが、寛先生と結太郎さん、子供の頃から無二の親友だったんですね。

二人が一緒にいる場面は結太郎さんが亡くなる直前、結太郎さんが寛先生に診察してもらう場面だけでした。

素敵な大人の男の二人の場面、もっと見たかった。

一方、無二の親友の奥様が悲しみを共有する場面が心に沁みました。

特に羽多子さんの気遣いは見事と言うしかありません。

私を一人にした夫に怒っているみたいなことを口にした千代子さんのその言葉を見事に捉えた羽多子さん。

私も怒っているといきなり真顔になって千代子さんへの共感を示す。

そして、千代子さんを悲しみのどん底からすくい上げました。

もちろん、羽多子さんが帰ってしまったら千代子さんは再び深い悲しみの中に沈むことは間違いありません。

それでも、一時的にでも千代子さんの心を軽くしてあげようとすた羽多子さんの咄嗟の判断。

本当に見事でした。

ヤムおじさん

ヤムおじさんが今日も優しい。

のぶちゃんの結婚が決まった時も、そして今回も。

ヤムおじさんが真っ先に心配するのは嵩くんのことです。

ところで、ヤムおじさんはどうして自分であんパンを嵩くんに渡そうとしなかったのか。

最初は疑問に感じました。

合格あんパンはヤムおじさんが自分で手渡したのに。

さらに言えば、すでにのぶちゃんは結婚が決まっており、今さら嵩くんとのぶちゃんの距離を縮めようとしても手遅れなのに。

嵩くんは今、深い悲しみのどん底にいるはずです。

だからヤムおじさんは、こんな時は自分よりものぶちゃんが近くにいた方がいいと考えたのかもです。

自分よりは「一番古い友達」の方が今の嵩くんの気持ちが求めているだろうと。

あるいは嵩くんを案じるのぶちゃんの気持ちを考え、のぶちゃんにあんパンを持たせたのかもしれません。

いずれにせよヤムおじさん、口は悪いけど本当に優しい。

告白のタイミング

最後、嵩くんがのぶちゃんに言いかけました。

「ずっと伝えたかったことがあったんだ」

嵩くんついに告白か。

しかし、その直前ののぶちゃんの言葉によって言うに言えなくなったらしい。

のぶちゃんの言葉とはこれです。

「うちは嵩の一番古い友達やき」

さすがにこれを言われてしまったら告白しようにもできない。

嵩くん、再び告白の機会を失ってしまいました。

とは言っても今さら告白しても手遅れなのも事実。

ある日、嵩くんは健ちゃんに卒業制作を仕上げたら告白すると宣言しました。

健ちゃんはずいぶん先の話になるなと反応していましたが・・・

あのタイミングで告白していれば手遅れにはならなかったかもです。

それで思い出すのは『カムカム』の勇くんです。

勇くんは甲子園に出れたら安子ちゃんに告白すると決めていました。

しかし、それによって機会を失いました。

そのことで学んだ勇くんは、大人になってから桃太郎くんにアドバイス。

惚れたらすぐに告白せよ、みたいなことを言って。

あのアドバイスと同様のアドバイスを嵩くんが誰かから受けていたら。

そして嵩くんが実行に移していたら。

嵩くん、残念。

今週のどこかのタイミングで嵩くんは手遅れだったことを知るのでしょう。

でも、その先でのぶちゃんと再会できたとき、その時こそ後悔しない行動をとるものと思われます。

しかし、そんな日が来るのは物語の後半以降のはず。

嵩くんが日向の道を歩むのはまだまだ先の話のようです。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

のぶちゃんの祝言の準備が進む

前週の終わりごろ、のぶちゃんと次郎さんの結婚が決定。

朝田家は祝福ムードに包まれました。

そして今週は昭和15年(1940年)1月。

のぶちゃんと次郎さんの祝言の準備が進んでいるところから始まります。

次郎さんは船乗りです。

そのため、次郎さんの時間は船上にいることがほとんどです。

なので、次郎さんが航海に旅立つ前のわずかに陸の上にいるタイミングに、祝言をあげることが決まりました。

ところで、のぶちゃんの祝言を、本当は派手に祝ってやりたいのが朝田家の人々の気持ちです。

特にカマジイの性格を考えると、可愛い孫娘の祝言を全力で祝ってあげたいところかと。

しかし今のご時世ではそれも無理。

贅沢は敵だ、という時代ですから。

そこで、家族だけのささやかな祝言にすることに。

そんな状況から今週のストーリーが始まります。

のぶちゃんの結婚

実は今週、寛先生が亡くなります。

寛先生の最期については次の項でお伝えします。

さて、寛先生が亡くなった翌月。

のぶちゃんと次郎さんの祝言の日を迎えます。

上にも述べたように家族だけのささやかな祝言です。

朝田家と若松家、両家の家族たちがのぶちゃんと次郎さんを囲んで記念撮影。

記念撮影にはヤムおじさんも加わります。

撮影するのはカメラが趣味の次郎さん。

しかし新郎が写真に入らないのは困る。

そこで、ヤムおじさんと撮影交代。

この記念写真だけがのぶちゃんと次郎さんの祝言の思い出です。

ところで、記念撮影にあたりのぶちゃんは結太郎さんの遺品のソフトハットを膝に乗せて。

蘭子ちゃんは豪くんの遺品の袢纏を膝に乗せて記念撮影に挑みます。

その際、蘭子ちゃんは豪くんの遺品の袢纏をカマジイの肩にかける気遣いを見せます。

悲しみを共有する蘭子ちゃんとカマジイ。

切なく美しい場面ですが、こんな気遣いを見せられるようになったのは、蘭子ちゃんの心が癒され始めていることを示しているのかな?とブログ主は期待しています。

のぶちゃんと次郎さんの新婚生活

今週、祝言をあげるのぶちゃんと次郎さんの新婚生活が始まります。

のぶちゃんと次郎さんは、高知市内に新居を構えます。

女子師範学校の寮に入るために一度は朝田家を出たのぶちゃん。

御免与尋常小学校の先生になってからは朝田家で暮らしていましたが、再び朝田家を出ていくことになります。

なお、のぶちゃんは結婚後も教師を続けます。

そこでのぶちゃんは高知の自宅から御免与尋常小学校まで汽車で通勤を開始。

以上が今週ののぶちゃんの変化です。

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