2025/7/1(火)第14週「幸福よ、どこにいる」
あらすじ
高知新報が夕刊発行の申請を行うことになりました。申請が通った後の夕刊の編集長には東海林が任命され、それを機に、東海林の部下であるのぶと岩清水の二人も夕刊を担当することになりました。
東海林は、のぶと岩清水を率いて倉庫を夕刊の編集局にする準備を始めました。準備をしながら東海林は言いました。戦時中は戦争を美化し、戦争が終わったら過去をなかったことにする新聞に愛想を尽かしていると。
東海林の言葉にのぶが応えました。自分も教師として間違ったことを教えてきた。そんな自分が記事を書くのは恐ろしいと。のぶの気持ちを聞かされた東海林は、戦後の今を生きる人たちの声を伝える夕刊にしようと決意を語りました。
一方、嵩は健太郎や康太とともに進駐軍で回収した廃品を売る店を開いていました。そんな中で嵩は、廃品の中にあったアメリカの雑誌の漫画に夢中になりました。同じころ朝田家では、ラジオから流れるのど自慢の歌声にメイコが聴き入っていました。
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感想
今回は、2つの大きなフラグが立ちました。
嵩くんと東海林さんのフラグ
一つ目は嵩くんと東海林さんのフラグです。
浮かない顔をしながら廃品を持って帰る嵩くん。
嵩くんが言いました。
これはアメリカさんにとってはゴミだと。
ゴミを集める仕事が嵩くんは嫌なのでしょう。
かと言って仕事を見つけることができなかったのかもしれません。
好きでもない仕事をイヤイヤながらも食べて行くために仕方なくやっているらしい嵩くん。
そんな嵩くんがアメリカの雑誌の漫画に夢中に。
かつて、漫画を描くことに夢中になっていた日々を思い出したのかもしれません。
美術学校時代や製薬会社での仕事も思い出したのかも。
それまで浮かない顔だった嵩くんは、見る見る楽しそうな顔に。
嵩くんの中でスイッチが入りました。
嵩くんがそろそろ自分が納得の行く仕事探しを始めるフラグが立ちました。
また、この雑誌についてはもう一つのフラグの要素もあるかなと。
事前にアナウンスされている展開によると、高知新報の夕刊発行は中止に。
申請が却下されることが考えれます。
そして、ヒマになってしまった東海林さんは取材をしに(またはヤケ酒をあおりに)闇市へ行き、そこでアメリカの雑誌を手に入れる。
そのアメリカの雑誌にヒントを得た東海林さんは雑誌の刊行を決意。
愛想を尽かした新聞ではなく雑誌の刊行というプロジェクトに東海林さんは乗り気に。
そして雑誌は創刊され、のぶちゃんはその雑誌の編集者になる。
こんな展開が用意されているのですが、おそらく東海林さんが闇市で手に入れる雑誌は嵩くんが夢中になっていた雑誌。
そして、その雑誌は東海林さんが雑誌を創刊するフラグではないか。
そんな気がしています。
メイコちゃんのフラグ
一方、メイコちゃんもフラグが立ちました。
農家のお手伝いから帰ってきたメイコちゃんは、ラジオから流れてくるのど自慢の歌声に釘付けに。
いつだったか、健ちゃんがメイコちゃんの歌声を絶賛したことがありました。
今にして思えば、あの健ちゃんの言葉もこれから始まるらしいメイコちゃんのストーリーのフラグだったのかもしれません。
これから始まるらしいメイコちゃんのストーリーは、前週に放送された予告の中で暗示されていました。
夢を叶えるために東京に行きたい、みたいなことをメイコちゃんが言う映像がそれです。
メイコちゃん、歌手になるという夢を持つのかもです。
また、事前にアナウンスされている今後の展開の中で、どうやら夢を反対されたメイコちゃんが家出をするエピソードもあります。
家出をしたメイコちゃん、高知ののぶちゃんの家に居候をするそうです。
そんなメイコちゃんのフラグ。
それが今回の最後の瞬間の、ラジオから流れてくるのど自慢の歌声に釘付けになるメイコちゃんの表情であるような気がします。
予習レビューと史実のリアルエピソード
のぶちゃんが高知新報で働き始める
高知新報にとっては戦後初となる女性記者として入社したのぶちゃんの、新聞記者としての新しい生活が始まります。
ところで前週、高知新報への就職が決まったのぶちゃんに対して蘭子ちゃんがこんなことを言いました。
「お姉ちゃんが記者、大丈夫?」
羽多子さんとメイコちゃんも、蘭子ちゃんのこの問いかけを受けて「なんか要らんことしそう」と懸念を表明。
一方、のぶちゃんの採用を決めた理由を高知新報の東海林さんは次のように語りました。
「人手不足で猫の手も借りたい(中略)猫の手として採用する」
のぶちゃんはあくまでも猫の手です。
どうやら即戦力としては期待されてはいないらしい。
にもかかわらずのぶちゃんは、入社初日から取材現場に放り込まれてしまいます。
猫の手が要らんことをしてしまうのか?
色々と混乱が起こることが予想されます。
【史実】リアルのぶちゃんが新聞社に就職するまで
今週から描かれるのぶちゃんのエピソードは史実をモチーフにした展開となります。
そこで、史実の中でリアルのぶちゃんが新聞社に入社するまでの間にどのような人生を歩んできたのか。
簡単にまとめてみます。
リアルのぶちゃんは女学校を卒業後、師範学校には進学していません。
リアルのぶちゃんは、女学校卒業後は上京して東京の会社に就職。
しばらくその会社で働いた後に結婚しました。
この結婚相手が次郎さんの実在モデルです。
結婚相手はのぶちゃんよりも6歳年上で高知県生まれの男性です。
次郎さんの年齢はドラマの中では明らかにされていませんでしが、のぶちゃんより大人の落ち着きがあったので6歳ぐらい年上の設定なのでしょう。
さて、リアル次郎さんは日本郵船に勤務していました。
戦争が始まって海軍に召集。
そしてリアル次郎さんは、終戦直後に病死しました。
終戦直後の死別の史実はドラマの中でも再現されました。
夫を亡くしたリアルのぶちゃん。
自力で生活する必要が生じる中、たまたま女性記者を募集していた高知新聞社に応募。
女性記者の採用条件は
・高等女学校卒業以上の学力があること
・20歳から30歳まで
リアルのぶちゃんは高等女学校卒。
そして1924年生まれで応募時の1946年は24歳でした。
【史実】リアルのぶちゃんが新聞社に就職
昭和21年(1946年)4月、リアルのぶちゃんは高知新聞社の戦後初の女性記者として入社しました。
このとき、女性記者の募集枠2名に対して応募総数は31名。
15倍の競争率を勝ち抜いての入社でした。
リアルのぶちゃんは入社後、最初に配属されたのが社会部でした。
しかし、高知新聞社で『月刊高知』という雑誌を創刊することが決まり、リアルのぶちゃんは『月刊高知』編集部に移動。
新聞記者として入社したはずが編集者として働くことになりました。
なお、リアルのぶちゃんが高知新聞社に入社した二ヶ月後の昭和21年(1946年)6月。
リアル嵩くんが高知新聞社に入社しました。
リアル嵩くんの高知新聞社への入社が、記念すべきリアルのぶちゃんとリアル嵩くんの出会いの瞬間です。
ただし、ドラマの中でのぶちゃんと嵩くんが同僚として再会するのは次週以降になりそうです。
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東海林さんも、新聞社の手のひら返しに忸怩たる思いを持っていたのですね。
のぶちゃんと同じ気持ちを共有する、心強い仲間です。
「遊軍さんは、暇でいいにゃあ」
遊軍、と言えば、昔深夜テレビで遊軍記者を主人公とする『追跡』というドラマがありました。
事件を追跡し、つぶさに取材して記事を書き、結局自分でその記事をボツにする遊軍記者を、中村敦夫さんが演じていました。
上司の常田富士夫さん、愛車のベスパ。
とても味わい深く面白いドラマでした。
このドラマで初めて「遊軍記者」というものを知りました。
コン太くん、無事復員して来ていたのですね。
一緒に仕事が出来てて、良かった。
相変わらずのいやしんぼだけど。
「言論の自由ね。」東海林さん戦時中に思う所あったんだね。それにしても地方紙で夕刊とは随分思いきった事を。夕刊の編集部って窓際っぽい。倉庫が本部って昔の刑事ドラマ「大追跡」(相葉雅紀主演の新作とは別)の遊撃捜査班みたい。もともと遊軍だし。昔の報道をちゃんと反省している東海林さんは偉い。「うそ偽りない生の声」みんなの戦中の苦い思い出が作り出したか。三人の廃品回収販売業、戦力になりそうなのは健太郎君だけ。