2025/11/21(金)第8週「クビノ、カワ、イチマイ。」

あらすじ

錦織がスキップをマスターしようと生徒たちに隠れて学校の廊下で練習を続けていました。しかし錦織は、その姿を中学校での教え子である小谷、正木、錦織の弟・丈、そしてヘブンに見られてしまいました。

そこにいた面々がスキップの発祥の地はアメリカなのかと話題にする中、ヘブンがアメリカ生まれでないことが判明。そこでヘブンのことをもっと知ろうと、ヘブンの家でヘブンについてのクイズ大会を開くことになりました。

クイズ大会にはトキも加わりました。第一問はヘブンの生まれた国。第二問はヘブンが嫌いな食べ物。その後も次々とヘブンに関するクイズが出題されるものの、錦織だけが一回も正解することができませんでした。

一問も正解できなかった錦織は、写真の中の女性が何者なのか出題してほしいとヘブンに依頼。るとトキが錦織を制止しました。大切な人のことに触れるべきではないと。トキのその心づかいにヘブンは心から感謝しました。

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感想

今週の振り返り:解雇のピンチ

今週のサブタイトルは「クビノ、カワ、イチマイ。」。

このサブタイトルは、女中としてヘブンさんに雇ってもらったトキちゃんは何度も解雇をほのめかされギリギリのところで仕事を続けることを暗示。

そしてサブタイトルの暗示どおり、何度も解雇のピンチがありました。

最初のピンチは月曜日のしょっぱなに描かれた「妾」問題でした。

ヘブンさんは朝から不機嫌。

その理由は、自分が妾を囲ったと松江の人々から誤解を受けていること。

自分は妾を描こうような男じゃないというプライドがあるヘブンさんは、誤解がどうしても受け入れられません。

そして誤解をなくすには解雇するのが最速。

そう考えたのでしょう。

焦るトキちゃん。

しかし錦織くんが責任を感じて人々の説得をすると約束してくれました。

錦織くん、松江に帰ってきたら不器用な面ばかりが目立ちますが、なかなかいいところがあります。

次のピンチは「ビア」。

トキちゃんは「ビア」が何を意味するのかまったくわからない。

そんな中、錦織くんの助言によって「ビア」をようやく手に入れたものの、今度は「ビア」みたいな発砲飲料の取り扱いが分からない。

ヘブンさんに「ビア」を出す直前、トキちゃんは瓶を振りました。

これはヤバいとハラハラしていたら、案の定「ビア」が飛び散り大惨事に。(笑)

「ビア」を見つけるという成果を出したのに、それが解雇ピンチのトリガーになってしまう気の毒なトキちゃん。

その次のピンチはヘブンさんの執筆中に大きな音を立ててヘブンさんを怒らせた件。

しかしこの時にトキちゃんがやっていたことが、トキちゃんとヘブンさんの関係性が大きく変わる転機となりました。

今週の振り返り:トキちゃんとヘブンさんの関係性が変わる転機

トキちゃんはヘブンさんの寝室に蚊帳を準備。

蚊の絵を描いた紙片を蚊帳の四方八方に貼り付ける工夫で、ヘブンさんは生まれて初めて見るであろう蚊帳が何なのかを理解しました。

理解しただけでなくテントの中みたいだと大喜び。

テントの中みたいという楽しみばかりでなく蚊に刺されないで安心して眠れるというオマケまでついてきたヘブンさん。

その感動をヘブンさんはイライザさんに宛てた手紙に書きました。

その直後にはトキちゃんが活ける花が美しいと感激を必死になって伝え、トキちゃんも自分が士族のたしなみをヘブンさんから期待されていることを理解。

トキちゃんのことを見直すヘブンさん。

ヘブンさんが求めていることをはっきりと理解し始めるトキちゃん。

二人の心が通じ合うあたりから、一視聴者としてようやく安心してドラマを見ていられるようになりました。

そして今回

そして今回の最後。

イライザさんが何者なのかを出題してほしいとヘブンさんい頼み込む錦織くんをトキちゃんが制止しました。

すると言葉は分からないながらもヘブンさんはトキちゃんの優しい心づかいを察知。

トキちゃんとヘブンさんの心が通い合う瞬間でした。

その一ヶ月後、お互いに「よろしく」と言って頭を下げ合うトキちゃんとヘブンさん。

二人の物語が本格的に始まったような気がします。

すると・・・

来週はライバルが出現だそうです。

来週もいろいろとありそうですね。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

「洋妾(ラシャメン)」

今週、トキちゃんを女中として迎えるヘブンさんですが、妾を囲ったと世間から誤解されることにストレスを感じるようです。

ドラマの中でもすでに何度か登場しますが、この時代の西洋人の女中は「洋妾(ラシャメン)」と呼ばれ軽蔑の対象でした。

日本人の妾よりも軽蔑されていたとも言われています。

この「洋妾(ラシャメン)」について以下に簡単にまとめてみました。

ラシャメンは漢字で「羅紗緬」と表記し、もともとの意味は綿羊のことです。

幕末の日本ではこんなウワサが流れていたようです。

西洋人の船乗りは食用と性欲の解消の為に船にヒツジを載せているらしい。

そのため西洋人を相手にする遊女はヒツジ=ラシャメンと呼ばれるように。

西洋人の女中も多くの場合は実際に妾のような存在だったため遊女と同じ扱いでヒツジ=ラシャメンと呼ばれるようになったという説があります。

日本が開国してほどなくラシャメンに「洋妾」という漢字が当てられるようになりました。

なお、西洋人男性の妾の報酬は日本人男性の妾の報酬よりもはるかに高額。

そのため日本人男性の妾たちの嫉妬の対象となり、日本人男性の妾以上に軽蔑されるようになったのではないかと考えられています。

トキちゃんの実在モデルの第一印象

ドラマの中で錦織くんが女中候補としてトキちゃんをヘブンさんに推奨。

しかしヘブンさんはトキちゃんの手足が太いことから、トキちゃんは農家の娘であろうと勘違いします。

このヘブンさんの勘違いは史実をモチーフにした勘違いです。

ヘブンさんの実在モデルであるラフカディオ・ハーンが、トキちゃんの実在モデルである小泉セツさんを見た第一印象は「手足が太い」でした。

小泉セツさんの手足が太かったことには理由があります。

ドラマの中で再現されたとおり小泉セツさんは機織工場で働き続けていました。

その機織工場での作業で手足が太くなっていました。

なお、小泉セツさんの手足が太くなった理由を聞かされたラフカディオ・ハーンは、自分が誤解していたことをすぐに理解。

その後、ラフカディオ・ハーンは小泉セツさんに次のように告げたそうです。

「あなたは貞実な人です」

ヘブンさんの実在モデルの第一印象

一方、小泉セツさんは女中になる前からラフカディオ・ハーンに関する情報を聞かされていました。

勤務先の学校で生徒たちからも、同僚の教員たちからも敬意を払われていること。

実績のある作家であること、などなど。

また、当時日本にやってきた多くの西洋人は日本人を野蛮と見下していました。

しかしラフカディオ・ハーンは日本人や日本文化に敬愛の気持ちさえ抱いていることも女中に入る前に知らされていたようです。

また小泉セツさんがラフカディオ・ハーンの家に入った頃、小泉セツさんが目にしたラフカディオ・ハーンの様子の一部が記録に残されています。

初めて見るもの聞くものに感動を覚えると、そのことを常に書き留めていたこと。

また、ラフカディオ・ハーンは日本風の生活様式に強いこだわり見せ、西洋の生活様式を徹底して排除しようとしたこと。

その一方で、牛乳、卵、ステーキ、ビールなどを好んでいたことなど。

セツとラフカディオ・ハーンの意思の疎通

ドラマの中では英語が通じないトキちゃんにヘブンさんがストレスを感じる様子が描かれます。

異言語のコミュニケーションについて実際にはどのようなことがあったのか。

以下に簡単にまとめてみました。

ラフカディオ・ハーンはセツに文筆活動のアシスタントとしての仕事を託しましたが、そんな二人の間には大きなハードルがありました。

ラフカディオ・ハーンは日本語が上手でななく、セツもまた英語を話せませんでした。

二人は言語による意思の疎通が極めて困難だったのです。

二人はすぐに打ち解け合い心が通じ合う仲になることだけはできました。

それでも日々の暮らしを送る上で何かを伝える必要がある時でさえ、言葉が通じずお互いに難儀することもしばしばでした。

よって、複雑な話をするときなどは西田千太郎の通訳を頼んだりもしました。

しかし、セツが求められていた文筆活動のアシスタントとしての仕事の主なものは、日本の伝説や怪談、神話をセツが語って聞かせることでした。

都度、通訳を頼むわけにはゆかない二人は、ついに二人の間だけで通じる言葉を作り上げました。

二人の間だけで通じる言葉は「へるんさん言葉」と呼ばれていました。

この「へるんさん言葉」は、後に生まれた二人の子供たちですら分からなかったと言われています。

「へるんさん言葉」の「へるん」とは「ハーン(Hearn)」の誤記です。

ラフカディオ・ハーンが松江に英語教師として赴任した際、辞令に「ラフカヂオ・ヘルン」と記載されていたのが由来です。

ラフカディオ・ハーンはこの「へるん」という誤記をたいそう気に入り、「へるん」というハンコまで作りました。

さて「へるんさん言葉」は次のような「文法」で成り立つ言葉です。

・日本語の単語と慣用句を使う
・助詞「てにをは」は使わない
・動詞は活用せずに使う
・形容詞も変化させない
・英語の語順

「へるんさん言葉」を作ったのはラフカディオ・ハーンでしたが、セツも真似をしながら「へるんさん言葉」を使うようになりました。

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