本放送:2011年10月10日(月)
再放送:2014年4月14日(月)
再々放送:2024年9月30日(月)
第2週「運命を開く」
花言葉の花「プリムラ」
あらすじ
昭和2年、女学生になった糸子は相変わらず裁縫に夢中になっていました。しかし裁縫が好き過ぎるあまり、裁縫の実技は誰よりも早く終わり教科書もすべて暗記するほど読んでしまった糸子には、大好きな裁縫もその授業は退屈なだけです。
その頃、父の善作は謡の教室をはじめ弟子から月謝を取って稼いでいました。謡の教室のついでに呉服も売る算段でしたが商売には結びつきません。女学校の学費を払えなくなったら糸子が学校に通えなくなると祖母のハルと口喧嘩が絶えない善作。
糸子は自分なりに工夫を重ねながら妹たちにアッパッパをつくってあげていました。可愛らしいデザインのアッパッパに妹たちは大喜び。しかし深夜まで裁縫するなと祖母のハルから咎められる糸子は、早く大人になって思う存分裁縫をしたいと切望。
そんなある日、呉服の集金に行くよう、糸子は父の善作から言いつけられます。集金の道すがらとあるパッチ屋のミシンに目が釘付けになる糸子。ミシンに心を奪われた糸子は、これこそ自分が乗れるだんじりだと有頂天になるのでした。
感想
ミシンとの出会いの場面がすごいの一言です。得体の知れない音に引き寄せられ、それが何をする機械なのかもわからないうちから目が釘付けとなり、その機械の操作がはじまった途端、目を見開き、口をあんぐり開き、そのまま固まった糸子。
幽体離脱して魂だけがミシンのところに行ってしまったのかも。そして魂だけがミシンのところに残り、自分の身体だけ自動歩行して家に帰った。ミシンに残った魂は「うちが乗れるだんじりなんや」と大喜び。そんな気さえしたミシンとの出会い場面。
でも、これくらいインパクトのある描き方がないとその後、話しがもたなくなるんでしょう。その出会いが、ヒロイン自身の自己実現の範疇にとどまらず、やがて世の中に大きな影響を与え、更に子供たちを通して世界に影響を与えるのだから。
でも、これほどの激烈な出会いがないとエンジンかからないタイプの人というのも、出会いの後こそ普通人よりずっと幸福ですが、出会いの前は不幸この上ないのかも知れません。実際、女学校での糸子の退屈そうなこと。居眠りで豪快に転倒は笑えましたが。
出会いといえば、糸子は近所の下駄屋のおばちゃんからアッパッパなら簡単につくれると教えてもらったのがきっかけで裁縫に夢中になり、今回までずっと裁縫一筋みたいですが、裁縫に夢中にはなれども裁縫は「だんじり」ではなかったんですね。
ミシンとの出会いで「だんじりや!見つけてしもた、だんじりや。あれはうちが乗れるだんじりなんや」と幽体離脱した魂(?)が絶叫してましたが、裁縫は「だんじりや!」とはゆきませんでした。一体どこが違うのか、これから明らかになるんでしょうか。
ところで話しが前後しますが、尋常小学校時代に友達がいなさそうだった料亭吉田屋のご令嬢・奈津。相変わらず友達がいないのに超然としていられるなんてなかなかタフな神経の持ち主だと感心しました。
その奈津の以心伝心の人(?)泰蔵さんも変わらず爽やか一筋ですが、その弟の勘助は一体どうしてしまったのか。糸子に声をかけられても浮かない顔、というか心が屈折してそうな顔。脇も、一癖も二癖もある人物で固められていよいよ面白くなってきました。