本放送:2011年10月29日(土)
再放送:2014年5月2日(土)
再々放送:2024年10月19日(土)
第4週「誇り」
花言葉の花「アマリリス」
あらすじ
限られた時間で洋裁の基本を出来得る限りを叩き込もうと厳しく指導する根岸先生に必死でついてゆく糸子。偶然その様子を見た勘助はたじろぎ声も掛けられません。賑やかなお別れ会の翌朝、糸子は涙を流して根岸先生に別れを告げました。
根岸先生が去った後、灯が消えたように静まり返る小原家。店先に並んでいる売れない反物や季節はずれのアッパッパを見てますます気が滅入ってくる糸子。そんな中、善作がラジオを購入。朝から晩までラジオ三昧の家族は明るさを取り戻します。
それから2年経った昭和7年(1932年)19歳になった糸子は洋服を縫えるようになったものの、岸和田では商売になりません。その頃、東京銀座の百貨店で火災が発生。安全確保のため百貨店の女店員の制服は洋服でという機運が高まります。
そんな世の中の機運で商機を見いだす糸子。はやる気持ちを抑えながら、この商機をどう活かすかを考えました。そしてある日、糸子は自分のアイディアが大阪初であることを心の中で祈りながら心斎橋の百貨店探しに駆け出すのでした。
感想
根岸先生が素晴らしい。糸子が直接の指導をしてもらったのはわずか一週間。そんな短期間にも関わらず別れを告げる糸子が大粒の涙をポロポロ流すことに全く違和感がないほど、心のこもった、そして鬼気迫る洋裁のレッスンでした。
洋裁の技術もさることながら、根岸先生の洋服の哲学、仕事に対する哲学のひとつひとつが観ているだけの僕の心にも突き刺さってきました。素晴らしい師匠に出会えて糸子を羨ましいと思いつつも、朝ドラを通して良き師に巡り会えたことに感謝です。
走り去って行く根岸先生を乗せた車にいつまでもいつまでも涙を流しながら深々と頭を下げる糸子。『仰げば尊し』が聞こえてくるような切なくて美しい場面でした。
そんな師との出会いから時は2年進んで昭和7年、糸子19歳。その頃も尚、岸和田では洋服を欲しがる人はいないとか。心斎橋の場面では洋装のご婦人もたくさん歩いているので、街によって和装ばっかりだったり和洋混在だったりだったんですね、当時は。
和洋混在はともかく、せっかくの技術と情熱がありながら需要がないために作るものといえば手提げと前掛けばかりで実に勿体ないと思っていたところが、ワクワクするような物語の展開がはじまりそうな第4週の結末。
根岸先生が去った後、すぐに昭和7年にならず、その前に善作お父ちゃんがラジオを買って来る場面を入れる理由が見ていて途中までさっぱりわからなかったのですが、糸子の人生の転機になりかねないようなニュースの第一報を糸子に聞かせるためだったんですね。
銀座の百貨店火災。この大惨事で、百貨店女店員の制服の洋服化を進めようという機運が高まり、この機運に絶好の商機を見いだす糸子。そしてその商機を活かすアイディア一番乗りを目指す糸子。
パッチ屋の桝谷大将が口を極めて絶賛した糸子の商才がついに本領発揮か!?いよいよ楽しみになって来ました。
追記:糸子の商才は言うまでもないですが、糸子の商才にに気づいていた桝谷大将もすごいですね。心から糸子のことを大切にし、糸子の仕事ぶりを日夜真剣に見つめていたんでしょう。桝谷大将も素晴らしい師匠でした。