本放送:2012年2月15日(水)
再放送:2014年8月13日(水)
再々放送:2025年2月5日(水)
第20週「あなたを守りたい」
花言葉の花「エンゼルランプ」
あらすじ
昭和35年(1960年)10月、テニスで秩父宮賞を受賞するなど頑張っていることを母の糸子に気付いてもらいたい聡子。聡子への無関心をたしなめられた糸子は秩父宮賞のことを仏前に報告し、聡子を喜ばせます。
その頃、女性経営者たちは若手から流行を聞き出したり北村を講師に招いて高級既製服=プレタポルテ商売を学ぶなどして時代に取り残されまいと努力。糸子は47歳、若い頃は待ち望んでいた時代の変化を怖いと感じるようになっていました。
月日が流れ優子の妊娠したお腹が大きくなった頃、高級クラブのママとして働くサエがやって来ました。その頃流行のシンプルなデザインとは真逆のドレスを注文するサエ。流行よりも自分の欲求を優先するサエに糸子は惚れ惚れするのでした。
昭和35年(1960年)12月、卒業を控えた直子は東京の百貨店での出店を勧められていました。一方の聡子はテニスの活躍を糸子が喜ばないと直子に打ち明けます。昭和36年(1961年)正月、優子は長女の里恵を出産しました。
感想
ついに聡子の物語が動き始めそうな予感。三姉妹の中で一番気になる存在だったので待ちに待った時がやっと来たのか。それともマイペースの聡子のこと、またしばらくの間、マイペースで停滞してしまうのか。
さてそんな聡子の気持ちをしっかりと察している千代さんの繊細なこと。「たまには聡子のことも褒めたりや、あんたのひざに足のっけていじらしい、この足でテニス頑張ってるって気づいてもらいたい」
糸子のひざに足をのせているそんな何気ない仕草で心の中を察するなんて。実は自分もまったく気がつかなかったので、千代お母ちゃんにはいい勉強をさせてもらいました。北村さんのプレタポルテ・セミナーよりためになります。
千代お母ちゃん聡子をかまっていないことをやんわりと咎められ、かなりわざとらしく「秩父宮賞受賞」を糸子が仏前に報告した直後の聡子の反応が実にいい。ちょっとだけ足をバタバタさせ、満面の笑みを浮かべるだけ。
月並みな演出なら、喜びを大仰に母親に伝えたりうれし涙にむせんだりするところなのでしょうか、そんなケレン味たっぷりの安っぽい演出をきっぱり拒絶し、聡子のマイペースな性格をバランス良く崩しながら喜びを表現。この場面忘れられません。
母からは頭のネジが何本も緩んでいるみたいな言い方をされるマイペースの聡子ですが、実はすごい観察眼を持っていることが今回判明。高校卒業後の進路を直子に尋ねられた聡子の返答にかなりびっくりしました。
「うちが(テニスの)賞をとってもちょっとしか喜ばなかった、直子が装麗賞の時のほうが喜んだ」
マイペースのように見えて優子、直子と同様に母親から認めてもらいたかった。でも母親から認められることを強烈に渇望していた姉の二人とは違って、自分が認められていない事実を自然体で受け止めている聡子の達観ぶり。三姉妹の中で一番怖い存在かも知れません。