本放送:2011年12月10日(木)
再放送:2014年6月12日(木)
再々放送:2024年11月28日(木)
第10週「秘密」
花言葉の花「ヒメウツギ」
あらすじ
とうとう来てしまった召集令状に冷静さを装って署名捺印する勝。相変わらず繁盛する店の仕事の忙しさのおかげで、気持ちを紛らわすことができる糸子。勝は、ひとり実家に出征の挨拶に帰ります。
出征前夜、勝のために料理をたくさん準備する糸子。遅くなってからやって来た善作に、すみません、赤紙が来てしまいましたと泣きながら頭を下げる勝。善作も涙を堪えるのが精一杯です。糸子は二人から離れると、一人泣き崩れました。
その夜、勝と善作は一晩中飲み明かし、明くる朝には二日酔いのむくんだ顔をして勝は出征。糸子、そして優子と直子が「行ってらっしゃい、頑張って来て」と元気に声をかける中、言葉が口から出ない善作。
数日後、勝が出征の時に来ていた背広が家に送り返されて来ました。背広の中に手紙が入っているのではないかと善作。糸子が探すと背広のポケットから出て来たのは勝が女性と一緒に写っている1枚の写真。それは歌舞伎で会った女性でした。
感想
糸子が初めて味わう新婚さん気分のその時、皮肉にも召集令状。受け取る際に署名捺印を求められる勝さん、受け取る際に署名捺印が必要だったなんて今回初めて知りました。映画やドラマでこれまで見た受取場面、すべて受け取りっぱなしでした。
糸子が勝さんの髪の毛をバリカンで刈る場面。大事にしようと心に誓った勝さんがもしかするといなくなってしまうかもしれない、その準備をする残酷さ。見ていて実につらい場面でした。
勝さん出征前夜、カツレツをつくる糸子。同じ時代、同じ大阪が舞台の『ごちそうさん』ではヒロインが闇屋に手を出して辛うじて料理を作っていましたが、糸子は代金代りにもらった食料が豊富。闇屋にも手を出していないとの由。
こんな時に何を言ったらいいのかわからない善作お父ちゃん、遅れて登場。「お父さんすんません、赤紙来てしまいました」と泣きながら何度も何度も頭を下げる勝さん。常に上機嫌な人だけに、この時の勝さんの姿はつらいものがありました。
そんな勝さんの肩を抱く善作お父ちゃんも涙をこらえるのがやっとで言葉が何ひとつ出て来ません。義理の息子ながらも、これほど深く勝さんのことを愛していたのか。気の強い糸子も泣き崩れてしまいました。
明くる朝、勝さんを送り出す時も、善作お父ちゃんは悲しくて悲しくて言葉が出て来ません。勘助を送り出す時は、日露戦争の時の経験を楽しそうに語っていた善作お父ちゃんでしたが、昭和17年頃は帰らぬ人が増え続けていた頃。勘助を送り出した時の明るさが嘘のようです。
出発の時に着ていた上等な背広、戦地では不要だから送り返されてきました。その背広のポケットから勝さんと女性のツーショット写真が。その女性、いつぞや歌舞伎座で挨拶してきたあの女性。あやしい・・・。