本放送:2012年3月28日(水)
再放送:2014年9月24日(水)
再々放送:2025年3月19日(水)
最終週/第26週「あなたの愛は生きています」
花言葉の花「カーネーション」
あらすじ
平成17年(2005年)12月。優子は、東京の病院での講演の代役を糸子に頼み、ただでさえスケジュールが詰まっている糸子の身体を案じる孝枝は激怒。しかし、「よっしゃ、行っちゃるわ」と二つ返事で引き受ける糸子は多忙の中を縫って東京へ。
講演の前の打ち合わせで、糸子はその病院の前看護師長・川上という女性を紹介されました。川上は岸和田の病院で行われたファッションショーに感動し、東京での講演の手伝いのボランティアを志願してきたのです。
講演が終わり、糸子は川上と会話をはじめます。以前、岸和田に住んでいたことがあるという川上。生まれは長崎で、父はその昔、糸子のもとで世話になったと言い始めます。・・・川上は周防の娘だったのです。
周防を思い出し涙が止まらなくなる糸子。その時病院に到着した優子は、川上に過去の母の非を謝罪。川上は、糸子が憎むに当たらない人だと年をとってから理解できるようになった。残っていた汚い感情も糸子の眼を見て消えたと優子に告げるのでした。
感想
周防さんがその後どうなったかは不明のままでしたが、最後の最後に周防さんの娘を通して周防の名が登場。周防さんとの間には何らこじれたものはなかったものの、思えば周防さんの息子と娘はつらい思いをさせられたままでした。
今回、そのうちの娘の心の中のわだかまりが清算。糸子がこの世に残したたったひとつの掛け値がこれで消えてなくなりました。(まだ他にもあるのかも知れませんが、劇中に登場するのはこれだけです)
「長い長い記憶を持ってる、それが年寄りの醍醐味とも言える。守り続けて闇のうちに葬るはずやったもんが、うっかり開いてまうこともある。老いぼれた身体に轟くこと、打ちのめすこと、容赦のうて。ほんでも、これを見るために生きて来たような気もする。」
糸子のこの台詞に打ち上げ花火の映像がかぶりましたが、とある花火職人さんの言葉を思い出しました。その職人さんがおっしゃるには「人生は線香花火」。映像は打ち上げ花火でしたが、糸子の台詞と花火に通じるものがある話しでした。
火をつけてから、赤い火の玉がじわじわと大きくなる様は「牡丹」
パチパチと弾けながら火が飛び散る様は「松葉」
飛び散る火花の勢いがなくなる様は「柳」
赤い玉が落ちてしまう直前、最後にパッ!パッ!と残りの火花を散らすのが「散り菊」
何気なく見ている線香花火の火花ですが、その火花の成長の様子を植物にたとえることで、その成長が人の人生によく似ていることがわかる。たしかそんな話しでした。
最後の散り菊は、落ちる寸前の赤い火の玉には「轟くこと、打ちのめすこと、容赦のうて」。でも、最後の「パッ!パッ!」がはかなくも美しい。それを見たくて懸命に花火を持ち続けるのが線香花火。