カーネーション

善作の嘘、そして泰造の出征 / カーネーション 第64話

本放送:2011年12月17日(木)
再放送:2014年6月19日(木)
再々放送:2024年12月5日(木)
第11週「切なる願い」
花言葉の花「カスミソウ」

あらすじ

昭和18年(1943年)3月、木之元や木岡たちの助けで病院通いをする善作。自分でおこしたボヤで火傷したことが恥ずかしい善作は、たき火で転倒した人を助けようとして火傷を負ったと嘘を言うものの、出来過ぎた話しも心苦しい気がします。

その頃、勝が戦地から送ってきた葉書が届きます。戦地から帰ってきたら、たっぷり食べさせてあげよう、ゆっくり休ませてあげようと思う反面、浮気のことをこってり油をしぼってやろうとも思う糸子。

一方で、着物に戻せるモンペ教室は大繁盛。いつも定員はすぐに埋まってしまいます。出征する夫や息子を一張羅からつくったモンペで見送りたいという客が増えつつありました。そんなある日、八重子が客としてモンペ教室にやって来ました。

モンペをつくり終えると泰蔵が出征することを糸子に告げる八重子。玉枝と勘助は泰蔵を見送らないだろうから、糸子に見送ってほしいと懇願する八重子。糸子は勘助にした仕打ち、八重子に言った言葉を涙を流して謝るのでした。

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感想

善作お父ちゃんの作り話が良く出来過ぎ。近所でたき火で転んだお婆さんを助けて火傷した、お婆さんは無事だった。木之元のおっちゃんがこの作り話を怪我をした若者に聞かせると、その若者は感激。

家に帰ってからの善作お父ちゃん、作り話を聞かせてしまった若者には悪い事をしたと反省はするものの、かといって正直に本当のことを言うのは不細工。こんなことで恥ずかしがるなんて、善作お父ちゃんらしいですね。

そんな中、勝さんから葉書が届きました。普段は看病、家事、子育て、商売と忙し過ぎて忘れている勝さんのことですが、いざ勝さんの葉書を前にすると複雑な思いで胸の中はいっぱい。子供に葉書を読んであげられないほど。

昌ちゃんが糸子に変わって、三人の子供たちに読んであげました。昌ちゃん、糸子にとってなくてはならない存在ですね。昌ちゃんの読む手紙を、猛獣直子が今日は珍しく食い入るような瞳で聞いていたのが印象的でした。

勝さんが弟夫婦の家に猛獣直子を預けた時、切なくて切なくて寒空の中、涙を流しっぱなしだった勝さんですが、父からそんなに愛された猛獣直子。勝お父ちゃんのことが大好きなのでしょう。

さて、着物に戻せるモンペ教室は大繁盛。定員はあっという間に埋まり、帰されてしまう人、ゴリ押しで入って来る人、糸子の企画はまた大当たりしました。しかし、面白いと思ったのは集まったお客さんがおばちゃんばかりということ。

最初の教室は定員集まらず、集まったのはサエさんや一番とんがった若い人。流行ってくるとおばちゃんばかり。ユニクロも原宿に出店した頃はとんがった若い人ばかりえしたが、今はおばちゃん、おじちゃんのほうが多いかも。これと同じですね。

また、サエさんたちが大胆に着物にハサミを入れていたのに対して、おばちゃんたちはなかなかハサミが入れられない。一番新しいものが大好きなとんがった人と、流行ってから集まる人たちの性質の対比もしっかり描き込まれています。

そんなモンペ教室に八重子さんが来ました。すでに定員オーバー、しかし切羽詰まった八重子さんの表情に糸子、何かを察したのでしょうか。無理矢理席をつくって八重子さんを入れてあげます。

そして教室が終わり、おばちゃんたちは皆帰りました。一人、店に残る八重子さん。泰蔵さんが出征すると糸子に告げ、見送りに来てほしいと頭を下げる。糸子は言ってもいいの?

八重子さんがやって来た時から何とも気まずそうな顔をしていた糸子ですが、勘助を苦しませたこと、八重子さんに八つ当たりしてひどいことを言ってしまったこと。心の中であれからずっと悔やんでいたみたいです。その後悔が気まずそうな顔に。

見送りに来てほしいと頭を下げる八重子さんに、糸子、珍しく人前で大粒の涙をポロポロ流しながら、頭を床にすりつけて過去の非を詫びます。勘助のこと、八重子さんのこと、こんなに苦しんでいたんですね。

糸子と八重子さんの和解の場面、夕方の薄暗い店の中に夕陽が優しく差し込む美しい照明も絶妙。その光が糸子と八重子さんを背後から優しく包み込む。テレビドラマ離れした劇映画レベルの美しい映像を堪能させてもらいました。

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