NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ブギウギ』
2023年10月16日 〜 10月20日放送
18歳になったスズ子
昭和8年(1933年)。梅丸少女歌劇団は関西で人気の劇団となり、18歳になったスズ子は、脇役として活躍。劇団を支える存在の一人になっていました。
そのころ、花咲歌劇団から移籍した男役の秋山美月が人気を集め、男役として芽が出ない和希は自分の将来のことが気がかりでした。
一方、スズ子は給料の半分を実家に仕送りしてツヤを喜ばせていたものの、自分の売りが見つからないことがそのころのスズ子の悩みでした。
和希が退団すると言い出す
そんなある日、和希が家庭の事情で退団すると言い出しました。引き留めようとするスズ子に対して和希は問いかけました。才能がないのにどうして続けられるのかと。
どんなに下手でも歌と踊りが好きで好きでしょうがないからだ。スズ子の答えに和希は心を動かされ、劇団を続ける決心をしました。
スズ子と和希のやり取りを聞いていた大和も、誰もやめさせたくない、皆で楽しくやりたいとと訴え、団員たちの心は一つになりました。
人員削減と賃金削減
その翌日、会社が人員削減と賃金削減を通告しました。給料が減らされることになり、一度は劇団を続けると決心した和希は退団を余儀なくされました。
一方、残った団員たちは大和のもとに結束。大和は大熊社長に宛てた嘆願書を部長の林に託しました。しかし会社の対応を不服とした大和はストライキを呼びかけました。
橘だけはストライキに反対でした。大和の立場が危うくなることが橘は心配だったのです。しかしストライキは決行され「桃色争議」と新聞で報じられるのでした。
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今週の展開
11: 10/16(月) スズ子が中心メンバーに
11: 10/17(火) 一つにまとまらない劇団
13: 10/18(水) 桜庭がやめると言い出す
14: 10/19(木) 会社と劇団員が対立する
15: 10/20(金) 劇団員たちのストライキ
予習レビューと史実のリアルエピソード
実在人物・企業名 | 劇中人物・企業名 |
笠置シヅ子 | スズ子 |
飛鳥明子 | 大和礼子 |
『春のおどり』
昭和8年(1932年)。
子供時代の主人公の名前は「鈴子」でしたが、18歳になった主人公の名前の表記は「鈴子」から「スズ子」に。
さて、ドラマの中のスズ子ちゃんは、自分の売りや才能が見えずに苦悩していますが、史実の中のリアルスズ子ちゃんはこの頃すでに注目を集める存在に。
その後のリアルスズ子ちゃんのキャラクターも出来上がりつつありました。
史実では前年の昭和7年(1931年)。
リアルスズ子ちゃんは大阪松竹座の公演『春のおどり』の中で歌ったコミックソングで一躍注目を集める存在になっています。
大和礼子
梅丸少女歌劇団(USK)に入団したスズ子ちゃんの憧れの先輩、大和礼子が再び登場します。
大和礼子の実在モデルは飛鳥明子。
飛鳥明子は明治40年(1907年)生まれで笠置シヅ子さんより7歳年上です。
ドラマの中でのスズ子ちゃんと大和礼子の年齢差もそのくらいに設定してあるようです。
飛鳥明子
飛鳥明子は開業医の家に生まれ、高等女学校を卒業後に松竹楽劇部に入団。
クラシックバレエの才能が認められ、劇団内でスタートの地位を獲得しました。
バレエシューズの入手が困難だった当時、飛鳥明子はバレエシューズの代わりに包帯を巻いて稽古に取り組んだと記録に残されています。
ドラマの中でも描かれる「桃色争議」を主導し、その責任をとって退団。
退団後に結婚し振付師として活躍するものの、昭和12年(1937年)29歳の若さで病没しました。
梅丸少女歌劇団(USK)と梅丸楽劇団(UGD)
実在人物・企業名 | 劇中人物・企業名 |
笠置シヅ子 | スズ子 |
ドラマの中では大阪の梅丸少女歌劇団(USK)と、東京の梅丸楽劇団(UGD)の二つの劇団が登場しますが、リアルの劇団の変遷はもっと複雑です。
ドラマの中
大阪:梅丸少女歌劇団(USK)
東京:梅丸楽劇団(UGD)
創設時の名称
大阪:松竹楽劇部
東京:東京松竹楽劇部
松竹楽劇部が創立されたのは大正11年(1922年)。
昭和3年(1928年)には、東京の浅草松竹座を拠点にして東京松竹楽劇部が発足。
大阪と東京の二つの劇団はその後、以下のように名称が変更されています。
改称
大阪:大阪松竹少女歌劇団(OSSK)
東京:松竹少女歌劇団(後のSKD)
そして松竹は、東京のSKDと大阪のOSSKからメンバーを選抜し、そこに男性ダンサーも加えた新劇団を東京で発足させました。
新劇団名
東京:松竹楽劇団(SGD)
拠点:帝国劇場
松竹楽劇団(SGD)が発足したのは昭和13年(1938年)。
このとき、笠置シヅ子さんも松竹楽劇団(SGD)のメンバーとして選抜されました。
しかし戦況の悪化により、松竹楽劇団(SGD)はわずか3年で解散しました。
また、大阪松竹少女歌劇団(OSSK)は昭和18年(1943年)に大阪松竹歌劇団(OSK)に改称されています。
帝国劇場について
帝国劇場は現在は東宝の傘下にありますが、昭和5年〜14年(1930年〜1939年)の間は松竹と賃貸契約を結んでいました。
なお帝国劇場は、帝劇ビルの再開発にともない令和7年(2025年)に閉館されることが発表されています。
再開発後に新劇場の開館がアナウンスされていますが詳細は未発表です。
SKDとOSKの現在
東京のSKDは平成8年(1996年)に解散。
一方、大阪のOSKは昭和46年(1971年)から近鉄の傘下に。
しかし平成15年(2003年)、近鉄の経営危機により解散。
解散後も自主公演を続け、平成19年(2007年)にワンズカンパニーというイベント会社の傘下に。
OSK日本歌劇団として活動を続けています。
本作で男役のトップスター・橘アオイを演じる翼和希さんはOSK日本歌劇団所属です。
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