ブギウギ

一つにまとまらない劇団 / ブギウギ 第11回

2023/10/17(火)第3週「桃色争議や!」

あらすじ

礼子が演出を手がける公演に向けての稽古が本格的に始まりました。演出を任された礼子による稽古はいつになく厳しいものでした。そんな中、後輩の美月と比較された和希は深く落ち込んでしまいました。

一方のスズ子は、その公演で大役をつかみたい一心から、厳しい稽古に必死になって取り組んでいました。しかしスズ子もまた、礼子やリリーの才能を目の当たりにして、自分に才能はあるのか悩んでいました。

自信を失った和希がついに稽古を休んでしまいました。一方、美月の厳しい指導に音をあげた新入生たちもやめたいと言い出しました。もう限界だと訴える新入生たちをスズ子は必死になって励ましました。

美月と向き合ったスズ子は、美月が求めているのは努力する才能であることを知りました。一方、梅吉もまたやめたらそこで才能は終わりだとスズ子に告げました。誰もがもがいていることを悟ったスズ子は、より一層稽古に励むのでした。

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感想

才能に悩む人々の回でした。

桜庭和希

花咲から移籍してきた秋山美月はすでに才能が磨かれているとはいえ、桜庭和希にしてみれば後輩は後輩。

前回、桜庭和希は後輩から厳しい指摘を受けました。

今回、大和礼子によって後輩と比較され、後輩を手本にしろとまで言われる。

これはつらい。

努力すればなんとかなることもある。

しかし、どれほど努力してもなんとかならないこともある。

ことに才能が求められる世界では努力だけでは難しい。

スズ子ちゃんのセリフによれば、桜庭和希が稽古を休むのは初めてとのこと。

これまで一度たりとも稽古を休まったなかったということは、相当な努力を積み重ねてきているはずです。

それでも芽が出ない。

芽が出ないばかりか後輩から厳しい指摘を受け、後輩と比較される。

努力すれば芽が出るとはっきりわかっていれば努力は続けられます。

努力だけでは足りないとはっきりわかっていればあきらめもつく、というものです。

努力で報われるのか、報われないのか。

才能は芽を出すのか、出さないのか。

将来が見通せない桜庭和希、救いを見出せることはできるのかな?

リリー白川

努力よりも才能だけで今のポジションを獲得してしまったかに見えるのがリリー白川。

同期が自分の才能のことに思い悩み必死に稽古する中、リリー白川の関心事は稽古よりも男のこと?

そんな能天気な日々を送っていながら、大和礼子の厳しい指導の中でも悩むことはないらしい。

リリー白川を見ていると、努力が必ずしも報われるわけではない、そんな気持ちになります。

リリー白川という同期を持つ桜庭和希もそんな気持ち、それ以上の気持ちになっているのに違いない。

それともリリー白川は人の見ていないところで努力するタイプなのかな?

ただ一つだけ言えること。

恋に浮かれていることが歌や踊りに花を添えていることだけは間違いなさそうです。

秋山美月

努力か、才能か。

このテーマに対して秋山美月がするどい一言を言いました。

「才能いうんは頑張る才能のことです」

努力する才能こそが才能。

努力の先で才能が芽を出すことを期待するのではなく、努力そのものに集中するために「努力する才能こそが才能」という考え方を持つようになったのかな?

秋山美月はリリー白川とは異なるアプローチでここまで来たのかもしれません。

梅吉さん

梅吉さんはかつて脚本家を目指していたこと。

繰り返し挫折しても脚本を書き続けているという梅吉さんのプロフィールがここに来て回収されました。

梅吉さんは言いました。

やめたら終わり。

秋山美月に通じる考え方です。

しかし、秋山美月は努力する才能に集中した結果、今のポジションがある。

梅吉さんも、やめなかったけれど今のポジション。(笑)

秋山美月と梅吉さん、どこが違うのかな?

スズ子ちゃん

周囲の面々の「才能」に触れてスズ子ちゃんは何を悟ったのか。

その答えが見つかるのはまだ少し先のことかもしれません。

努力と才能の問題、主人公は自分の中にどのように落とし込むのでしょうか。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

入団してから6年経つ鈴子ちゃんは自分の「売り」が見つからないことが悩みです。

一方、笠置シヅ子さんは入団してから数年を経たころに、自分は踊りでは世に出られないと、自分自身の限界に気がついたようです。

そこで踊りから声楽へ転向。

笠置シヅ子さんは「売り」を踊りから歌にシフトしました。

ただし、声楽は独学に限りなく近い状態での修練だったため、自己流の発声法でたびたび喉をつぶしたのだとか。

また、笠置シヅ子さんが入団して5年目の昭和7年(1932年)。

笠置シヅ子さんは『春の踊り』に顔を真っ赤に塗った道化娘・ポンポーサー役で出演。

兵列の中をコミックソングを歌いながら縫って歩くという役がきっかけとなって、笠置シヅ子さんのその後のキャラクターが出来上がったと言われています。

『春の踊り』出演を機に笠置シヅ子さんは「売り」を見つけのでしょう。

実際、笠置シヅ子さんはこの役について自伝の中で

・この役で私の行き方も決まった
・ファンもついてきた

という言葉を残しています。

ドラマの中の鈴子ちゃんは入団6年目で「売り」が見つからないことが悩みとして描かれます。

しかし笠置シヅ子さんは入団5年目ですでに「行き方」が決まっていました。

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POSTED COMMENT

  1. 名乗る程の者ではないZ より:

    みんな~いっかあ?

    というフレーズが多用されていた人気ドラマ「熱中時代」で鈴子さんの中の人の父親とタイ子さんの中の人の母親は共演してましたね、40年以上前に

  2. あさのあさみ より:

    今まで新入生が全員辞めた教育係はいない
    林部長ニコニコとプレッシャーかけます
    スズ子ちゃんならなんとかするだろうと信頼してますね

  3. 丹善人 より:

    社会とは、いろいろな背景を持っている人が集まっているのだから、
    理由や事情が異なれば考え方も違うのは当然のこと。それを受容しなければ、
    衝突は日常茶飯事。
    そういった物は、共通の「敵」が現れることで同じ方向を向けるように
    なるのでしょうね。
    というのが今週のテーマか。

    藤間紫さん登場。本物のプロの舞踊家。もっとも、藤間紫を聞くと
    僕の世代では先代をどうしても思い浮かべるので、役者としては
    別名を名乗られてますが。これで子役の子は全員大人に変身。

  4. 還暦のたつお より:

    股野さんバレバレ。鈴子さん自分の歌の才能に気付かず。秋山さんのあれ今ならパワハラ。新入生はっきり言ったな。ノリツッコミで返す鈴子さん。リーダーとして秋山さんと談判。彼女には彼女なりの思い悩みが。タイ子さんは芸者さんへ。継続は力なり。

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