ブギウギ

急死した大和礼子の葬儀 / ブギウギ 第25回

2023/11/3(金)第5週「ほんまの家族や」

あらすじ

大和礼子が出産後に病院で亡くなったという知らせがスズ子たちのもとに届きました。その数日後、礼子のお別れの会が劇団の稽古場で行われ、お別れの会の会場には大勢のファンが詰めかけました。

礼子のお別れの会には礼子の両親もやって来ました。礼子の母親は股野にあいさつするものの、礼子の父親は娘を亡くした怒りを口にし、その場を立ち去ろうとしました。そんな礼子の両親とスズ子は初めて対面しました。

一方、ツヤはスズ子への思いを梅吉に語りました。スズ子が東京へ行ったら帰って来なくなるような気がする。スズ子は本当のことを知ってしまったのではないか。それでもスズ子を自分だけの子として手放したくないと。

スズ子は改めて東京に行きたいと両親に告げ頭を下げました。スズ子の願いをついにツヤは受け入れ、スズ子を励ましました。ほどなくして東京へ行くことが決まったスズ子と秋山美月の退団公演が行われるのでした。

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感想

今週の振り返り

今週は前半の2回が香川を舞台にスズ子ちゃんが出生の秘密を知ってしまうまでのエピソード。

今週の後半の3回は、それから3年後の大きなチャンスをつかむ直前のスズ子ちゃんのエピソード。

2つのお互いに関連のないエピソードが1つの週に入ったのが今週。

放送を見るまでは、今週はそんな週なのかと考えていました。

しかし、一見するとお互いに関連のない2つのエピソードが、実は深く関連しあっていました。

お互いに関連のない2つのエピソードを結びつけていたのは、スズ子ちゃんとツヤさんの微妙な関係の変化です。

前半と後半の間の3年はスキップされたので「微妙な関係の変化」の描写はありませんでした。

しかし前半の最後で「微妙な関係の変化」が暗示されました。

スズ子ちゃんが大阪に帰ってきてツヤさんと対面した瞬間に、スズ子ちゃんとツヤさんが微妙な表情を浮かべながら見つめ合ったのが変化の暗示。

そして後半では、過去3年間の「微妙な関係の変化」がセリフを通してさりげなく語られました。

例えばスズ子ちゃんが「別れのブルース」にハマったときのツヤさんの反応。

スズ子ちゃんが「別れのブルース」にハマったのは、ただ単にその歌を自分の歌手活動の参考にしたかったからだけです。

しかしツヤさんはそうは考えなかった。

スズ子ちゃんが「別れのブルース」にハマっているのは両親との別れを考え始めているのだとツヤさんは考えました。

そして、両親との別れを考え始めているのは本当のことを知ってしまったのが理由だろうと。

おそらく過去3年間、ツヤさんはそんな取り越し苦労を続けてきたに違いない。

一方、取り越し苦労が増えたそんなツヤさんの変化をスズ子ちゃんも感じ続けてきたものと思われます。

お母ちゃんは以前のお母ちゃんではない。

スズ子ちゃんがそんなふうに考えていたらしいことがはっきりと分かったのは、上京することをツヤさんに反対された場面です。

上京を賛成してくれると信じていたスズ子ちゃんでしたが、ツヤさんは意外にも上京に反対しました。

しかも強い口調で。

そのときにスズ子ちゃんは叫びました。

「前のお母ちゃんだったらこんなことは言わない」

思わず口に出たスズ子ちゃんのその言葉が、ツヤさんの変化を察していたスズ子ちゃんのそれまでの気持ちを語っていました。

ツヤさんの変化

そして今回、ツヤさんは胸の内のすべてを梅吉さんに語りました。

スズ子ちゃんを育てているうちに自分だけの子供にしたくなったと。

自分だけの子供したくなったというのは、別の言い方をするとスズ子ちゃんをキヌさんに返したくなくなったということ。

そして「自分だけの子供」という言葉にはツヤさんの焦りの気持ちも見え隠れします。

いつかキヌさんの子供になってしまうかもしれないという焦りの気持ちが。

もしかするとツヤさんは、過去3年どころかスズ子ちゃんを引き取ってからずっと、顔には出さないものの、無意識のうちに取り越し苦労を重ねてきたのかも。

その無意識のうちの取り越し苦労は、スズ子ちゃんの香川行きをきっかけにはっきりと意識した取り越し苦労に変化。

それが過去3年間のツヤさんの変化の正体なのかもしれません。

梅吉さん

前回、六郎くんが意外にも素敵な言葉でスズ子ちゃんを励ましました。

そして今回は、梅吉さんが意外な姿を見せました。

スズ子ちゃんの上京のことで悩むツヤさんに対する梅吉さんの言葉や態度のことです。

梅吉さん、こんな一面もあったんだ(笑)

ツヤさんが梅吉さんに惚れた理由、やっと少しだけ分かったような気がします。

ただし、その直後には自分には根性がないことを自慢する姿によって、いつもの梅吉さんに戻ってしまいましたが(苦笑)

しかし考えてみれば根性がないことを自慢するなんて、梅吉さんは器の大きな男なのかもしれません。

梅吉さんの真似をして「わいも根性がない」と根性なし自慢をした六郎くんの器の大きさがどれくらいかはよくわかりませんが・・・

次週

次週からはいよいよ東京編です。

翌週から翌々週にかけて、スズ子ちゃんの歌手としての評価が大きく変わるはずです。

いよいよ「歌手・福来スズ子」の物語が本格的に始まるようです。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

大和礼子の実在モデルである飛鳥明子さんが亡くなったのは昭和12年(1937年)。

桃色争議の責任をとって退団してから4年後のことでした。

飛鳥明子さんは退団後に宝塚の指揮者と結婚。

振付師として大阪松竹少女歌劇団に復帰し、後輩たちの指導をしていました。

しかし昭和12年(1937年)8月に病死。

享年29歳でした。

今週のドラマでは、大和礼子の死とからめて主人公が上京するかどうかを迷う場面が描かれます。

主人公が上京を迷うのは両親と離れることの後ろめたさ、です。

史実では何があったのでしょうか?

その頃の笠置シヅ子さんの養家は銭湯を廃業し散髪屋を開業したもののこれも廃業。

養家の収入がなくなる中、「松竹楽劇団」からスカウトされたことで笠置シヅ子さんの給料が大幅にアップ。

家計の助けになることもあり笠置シヅ子さんは上京に大いに乗り気でした。

しかし養母は、笠置シヅ子さんの上京に対して前向きではありませんでした。

そのころすでに養母は病気の兆候があらわれていました。

なので最愛の娘との別れが耐えがたかったのでしょう。

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POSTED COMMENT

  1. 縁起物大好き より:

    ブギウギで、ツヤさんが鈴子さんの東京行きを賛成する回で「カムカムエブリバディ」で使われていた「キジマたび」(雉真繊維)の看板があってびっくりしました。

  2. 還暦のたつお より:

    名乗る程の者様。早速のご返答ありがとうございます。歴史の流れを知っているのに「昭和天皇物語」目が離せません。クライマックスは同じ原作者の「日本のいちばん長い日」の当たりかな。
     礼子さんの父親役、上杉祥三さんでしたね。娘に対する愛情と独占欲。自分の敷いたレールを歩いてくれなかった事に対する怒り。そして娘を失った事へのやり場のない思いを梅丸にぶつける。それらをないまぜにした名演でした。彼の姿を見たことが、ツヤさんに鈴子さんの旅立ちを許す契機になったのかな?いよいよ来週は東京編。

  3. 名乗る程の者ではないでおま より:

    昨日放送で名前の出たフレッドアステアさん、マドンナのヒット曲「Vogue」の歌詞にも出てきますね、ジーンケリーさんと並んで(余談ながらこの曲にモンローさんの名前も出てきますがコンサートでその箇所はノーマジーンと歌われてました、マドンナさんの拘りかな?)
    個人的にはミュージカルよりも「タワーリングインフェルノ」でのパッとしない詐欺師が印象に残っています、最後に無言でネコを渡されるシーンが悲し過ぎましたので

  4. 名乗る程の者ではないZ より:

    次週予告より

    東京は怖えとこなんだよのセリフに茨田さんがカットインされていましたね🤣
    なんや怖い顔やなあという第一印象がドラマ初回にあった口悪いおばはんやなあと面と向かって言う関係に変わる展開にウキウキですわ😁

    やっとジャズがやれる
    これは流行りだった古賀メロディに寄せた曲作れと大阪で言われ続けていた服部先生の本音なんでしょうね

  5. 丹善人 より:

    礼子さんのお父さん、亡くなってもなお許さなかった。恨み続けるのかな。
    亡くなってもなおスズ子の背中を押してくれた。根性無し3人と肝っ玉母さんと。
    実質両方の血を受け継ぐんですね。
    で、次週より東京編。実質大阪編はもう終了か。

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