スズ子の妊娠が判明する / ブギウギ 第80回

2024/1/25(木)第17週「ほんまに離れとうない」

あらすじ

病状が落ち着いてきた愛助は、スズ子と神奈川県箱根の芦ノ湖畔に旅行に出かけました。旅先でスズ子と愛助は、二人の将来のことを話し合いました。旅を終え帰京したスズ子は身体の異変を感じました。スズ子は妊娠していました。

大阪に戻り入院している愛助に、スズ子は妊娠したことを手紙で知らせました。山下と坂口は、スズ子が妊娠したことをトミにはまだ伝えるべきでないと考えていました。しかし愛助はトミにすべてを話してしまいました。

スズ子の妊娠をトミが知ってしまったことに頭を痛める山下と坂口に対してスズ子は言いました。自分が大阪に行ってトミに話をする。トミに納得してもらってから結婚を許してもらい子供を産みたいと。

しかし山下はスズ子が大阪に行くことを止めました。身重のスズ子がトミの前に姿をあらわすことで騒ぎになることを山下は案じたのです。そしてトミの説得は山下が引き受けることになりました。

感想

サブタイトルの回収

今週のサブタイトル「ほんまに離れとうない」が回収されました。

このサブタイトル、愛助くんのセリフだったとは。

さて、愛助くんが口にしたセリフは言うまでもなく大阪に戻る愛助くんが一時的ではあるにせよスズ子ちゃんと離れるのを惜しむ言葉です。

しかし次週の木曜日には「一時的」では済まないような事態が発生する模様。

「一時的」では済まないような事態のフラグ。

それが愛助くんの今回のセリフであり、今週のサブタイトルであるような気がします。

スズ子ちゃんが妊娠

スズ子ちゃんが妊娠した事実を視聴者に伝える描写が秀逸です。

村山興行で打ち合わせ中に急に席を立つスズ子ちゃん。

あわてて部屋から出て行くスズ子ちゃんは口元をおさえていました。

次のカットは、愛助くんがいなくなったスズ子ちゃんの家。

愛助くんの服にスズ子ちゃんが語りかけました。

「愛助さん、やっぱりやったで」

そしてスズ子ちゃんはお腹をあたりさする。

このあたりでスズ子ちゃんの妊娠が見えてきました。

そして次のカットは腰を抜かさんばかりに驚いている山下さんと坂口さんの姿。

驚きすぎて言葉を失う山下さんと坂口さん。

しかし山下さんはようやく口を開きました。

「失礼なこと聞きますけど、産みはるおつもりですか？」

この山下さんのセリフで、何が起こったのかがすべて明らかに。

山下さんの「産みはる」の一言が出るまで、「妊娠」だの「おめでた」などという直接的な表現は一切なし。

朝ドラの中でヒロインの妊娠が判明する場面はいくつも見てきましたが、今回の描写はこれまでにない斬新な描写でした。

最終週の予想

最終週の直前週までの展開が判明。

最終週の直前週で描かれるのは

・若手新人歌手の登場
・若手新人歌手へのスズ子ちゃんの焦り
・時代の変化を感じる羽鳥先生

などです。

若手新人歌手とは、どうやら美空ひばりさんをモデルにしたキャラクターらしい。

実在の美空ひばりさんとは全く異なる設定にはしてありますが。

また、スズ子ちゃんが若手新人歌手に対して焦りを募らせるのは、歌手をやめ俳優に転業することのフラグと思われます。

というわけでスズ子ちゃんが歌手から俳優になるまでが本作で描かれるものと思われます。

以上が最終週までの予想です。

また最終週に至るまでに前半の登場人物の一部が回収されます。

梅吉さんはこれから２度登場。

あのダメンズだった梅吉さんはすっかり立ち直っています。

スズ子ちゃんの幼馴染みのタイ子ちゃんも登場しますが、タイ子ちゃんは気の毒な境遇に立たされています。

そして、大和礼子の娘が登場します。

大和礼子は出産と同時に亡くなりましたが、あの時に生まれた子供です。

大和礼子の娘は意外な形で登場しますが、ここでは伏せておきます。

予習レビューと史実のリアルエピソード

スズ子ちゃんは愛助くんと結婚するために歌手をやめることを検討。

そのことをスズ子ちゃんが羽鳥先生に相談すると、羽鳥先生は歌手をやめることに猛反対し『ジャズ・カルメン』を一緒にやろうと提案。

この『ジャズ・カルメン』は、史実では昭和22年（1947年）1月29日より日劇で上演。

すでに妊娠していることがわかっている笠置シヅ子さんが、『ジャズ・カルメン』に挑むと決めるまで、次のような経過をたどっています。

『ジャズ・カルメン』は、笠置シヅ子さんの妊娠が判明する直前に開演予定でした。

しかし東宝争議により延期。

笠置シヅ子さんが妊娠５ヶ月のタイミングで出演することになってしまいました。

吉本頴右さんは、笠置シヅ子さんに出演を見合わせてほしいと考えていました。

そこで吉本頴右さんは、笠置シヅ子さんが通っている産院の櫻井医師に相談してから決めるように笠置シヅ子さんに告げました。

相談を受けた櫻井医師は、自分が楽屋でつきっきりでいるので出演するように回答。

そんな経緯があって、妊娠中の笠置シヅ子さんの『ジャズ・カルメン』への出演は実現しました。