2024/5/5(月)第6週「くるしむのか愛するのか」
あらすじ
昭和12年(1937年)春、東京高等芸術学校に入学する嵩が東京へ出発する日を迎えました。出発間際、嵩は草吉から手紙を渡されました。汽車の中でその手紙を開くと、それはのぶからの手紙でした。
一方、のぶは女子師範学校の最終学年である二年生になり、後輩を指導する立場になりました。一年後には教師になる二年生の生徒たちに向けて黒井の指導はより一層厳しくなり、のぶたちは愛国心を叩き込まれました。
嵩は登校初日に、受験会場で出会った健太郎と再会。健太郎は補欠合格していたのです。嵩たちの担任教師となった座間は、銀座に行って世の中を感じろと学生たちに告げました。嵩と健太郎はさっそく銀座を散策し銀座の美しい街並みに魅了されました。
東京での生活が始まって早々、嵩はのぶに手紙を出しました。東京での自由な生活を満喫していることを知らせる嵩からの手紙にのぶは腹を立てました。女子師範学校で日々を過ごすのぶに自由などなかったからです。
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感想
のぶちゃんと嵩くんのすれ違い
嵩くんが東京に出発する日を迎えました。
柳井家の人々に見送られる嵩くん。
そこへヤムおじさん。
俺の気持ちだと言ってヤムおじさんは嵩くんに手紙を渡し、嵩くんはさりげなく「気持ち悪!」
その手紙はのぶちゃんからのものでした。
のぶちゃん、なぎなたの試合でうさ子ちゃんに敗れ、黒井先生から厳しく叱責されたことを引きずっているらしい。
嵩くんの見送りはせず、なぎなたの稽古に励むのぶちゃん。
嵩くんの見送りどころではなかったのかもしれません。
以上が今回のアバンタイトル。
そして今回の最後は、嵩くんからの手紙を受け取ったのぶちゃんの姿。
ここには自由があるという嵩くんに対して、のぶちゃんには自由がない。
以下、ちょっとだけネタバレが含まれます。
今週、のぶちゃんと嵩くんの間に気持ちのすれ違いが生じます。
二人の気持ちのすれ違いが今週のメインテーマとも言えます。
今週描かれる二人の気持ちのすれ違いは、次週以降でさらに拡大するはずです。
今回のアバンタイトルで、嵩くんを見送らなかったのぶちゃん。
今回の最後、嵩くんからの手紙に腹を立てたのぶちゃん。
さらに高知の女子師範学校での環境と、東京の美術学校での環境のギャップ。
これらは今週から始まる、のぶちゃんと嵩くんのすれ違いのフラグのような気がします。
高知の女子師範学校と東京の美術学校のギャップ
今週から始まるのぶちゃんと嵩くんのすれ違いのストーリー。
二人の間にすれ違いを生じさせるのは、それぞれが通う学校の環境のギャップにあります。
そのギャップが今回、実にわかりやすく描かれました。
最初に描かれたのは東京の美術学校の様子です。
座間先生が嵩くんに問いかけました。
君は何になりたいのかと。
いきなり質問されて何も答えられない嵩くん。
でも座間先生は、それでよしとする。
続けて座間先生はデザイン学校に入ったからと言ってデザイナーになる必要などないとまで言う。
学生たちの将来は自分で自由に決めろ。
それが座間先生、そして美術学校の考え方。
この美術学校の場面と対比して描かれたのが女子師範学校の教室の場面。
黒井先生が、うさ子ちゃんに続いてのぶちゃんに問いかけました。
立派な教師とはどんな教師かと。
即答できないのぶちゃん。
美術学校の座間先生が即答できなくともそれで良しと言うのに対して、師範学校の黒井先生は即答できなことを許さない。
しかも、学生たちの将来は自分がすべて決めるみたいなスタンス。
座間先生と黒井先生、考え方が正反対です。
この両者の違いが、やがてのぶちゃんと嵩くんの間のすれ違いを拡大させてしまうのでしょう。
今週の主なトピック
第6週「くるしむのか愛するのか」の主なトピックは次の4つです。
1:嵩くんが東京高等芸術学校に入学
2:のぶちゃんは最終学年
3:のぶちゃんと嵩くんのすれ違い
4:豪豪くんに召集令状が届く
【その1】嵩くんが東京高等芸術学校に入学
嵩くんの東京での新生活が始まります。
嵩くんが通うことになるのは東京高等芸術学校の図案科、今でいうデザインです。
嵩くんが東京暮らしを始めることで新キャラも登場します。
一人は東京高等芸術学校での担任教師である座間先生。
座間先生は自由を愛する先生です。
そして自由を愛する座間先生の考え方が、のぶちゃんと嵩くんの間にすれ違いを生じさせてしまうことになります。
もう一人の新キャラは辛島健太郎。
嵩くんの同級生です。
さらに、嵩くんが一人暮らしをするはずだった大森の下宿に転がりこんでくるので、出番の多いキャラになるものと思われます。
また、上京した嵩くんはお父さんに買ってもらった思い出のあんパンを求めに美村屋へ。
そして美村屋の店内に飾ってあったパン職人たちの写真の中に、嵩くんはヤムおじさんの姿を発見します。
【その2】のぶちゃんは最終学年
一浪した嵩くんが新入生なのに対して、現役合格したのぶちゃんは二年制の学校なので最終学年を迎えます。
師範学校の最終学年なので一年後はのぶちゃんは学校の先生です。
そんな中で担任の黒井先生は「立派な教師」像をのぶちゃんたち生徒に押し付けるように伝えます。
嵩くんが通っている東京高等芸術学校の座間先生とは正反対です。
なにしろ座間先生は、デザインを学んでいるからといってデザイナーになる必要などない。
自分の将来は自分で決めろという考え方の持ち主なので。
さらに女子師範学校の黒井先生が忠君愛国を肝に銘じろと生徒たち告げるのに対して、座間先生は自由をこよなく愛する人物です。
のぶちゃんと嵩くん、それぞれの先生は正反対の考え方です。
正反対の考え方の先生にそれぞれ学ぶのぶちゃんと嵩くん、今週からすれ違いがひろがっていくようです。
【その3】のぶちゃんと嵩くんのすれ違い
嵩くんとのぶちゃんのすれ違いが最初に顕在化するのは、嵩くんが高知に電話するときです。
嵩くんは図案コンクールに応募して入選。
多額の賞金を手にします。
そこで嵩くんは美術学校の同級生たちとドンチャン騒ぎ。
騒ぎの中で嵩くんは高知に電話します。
嵩くんは千尋くんに電話するのですが、千尋くんは気を利かせてのぶちゃんを柳井家に呼んで嵩くんと話をさせる。
これが気遣いが地雷に・・・
電話越しに聞こえてくるドンチャン騒ぎを耳にしたのぶちゃん。
そのときすでにのぶちゃんは軍国少女になっているので、嵩くんの浮かれっぷりに激怒。
のぶちゃんと嵩くんのすれ違いが顕在化します。
【その4】豪くんに召集令状が届く
のぶちゃんが今週に入って軍国少女になってしまうそもそものきっかけ。
それは豪くんに届いた召集令状です。
兵隊さんが命懸けて戦っているというのに浮かれてる場合かと、のぶちゃんが嵩くんに一喝する背景には、豪くんの召集があるのです。
さて、豪くんが召集されることになり、最もショックを受けるのは蘭子ちゃんです。
今週、豪くんと蘭子ちゃんの切なすぎるストーリーが描かれます。
朝ドラでここまで切ない恋のストーリーが描かれるのは『カムカム』の安子ちゃん以来かもしれません。
詳細は本欄では伏せておきますが、豪くんと蘭子ちゃんの切なすぎるストーリーが描かれる回は、間違いなく号泣回になるかと思います。
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この学校って「あさひなぐ」並みに長刀はかりやってないか?
健太郎「今日も見つけた美人の数・・・・・。」
リアル健太郎君は後に「おはなはん」のタイトル画も担当したとか。
うさ子「裁縫を教えて銃後を支える・・・・。」
晴斗「お前らの将来は真っ白だ・・・・・銀座に行け・・・・・。」
この差はどうだろう?