2024/5/7(水)第6週「くるしむのか愛するのか」
あらすじ
嵩は幼いころに亡き父・清に連れて行ってもらった銀座の美村屋に足を運びました。嵩は店内に飾ってある美村屋のパン職人たちの写真に目を奪われました。その写真の中に草吉らしき人物が写っていたからです。
同じころ、入隊を目前に控えた豪に釜次は休みを与えました。休みをもらった豪は草吉に連れられ魚釣りへ。草吉は豪に言いました。戦場では逃げて生き延びろと。続けて草吉は会っておきたい女はいないのかと豪に尋ね、豪は毎日会っているとだけ答えました。
一方、蘭子が豪に思いを寄せていることに気づいているのぶは、蘭子のことを羽多子に相談しました。羽多子も蘭子の気持ちに気がついていました。そして羽多子も蘭子と豪の距離を縮めてあげたいと考えていました。
豪のことで思い詰める蘭子は、羽多子に結太郎との馴れ初めを聞かせてもらいました。羽多子と結太郎の結婚は釜次が独断で決めたものでした。しかし結婚後に結太郎は出張先から羽多子に手紙を送り続けていました。
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感想
ヤムおじさん
今週の最大のトピックは豪くんの出征と蘭子ちゃんの反応です。
その一方で、ヤムおじさんも今週のストーリーの中心の一人なのかもしれません。
先週の最後にチラッとだけ映った銀座美村屋の店内に飾ってあったヤムおじさんらしき人物が写っている写真。
その写真が回収されました。
前回はヤムおじさんがそこに写っていることに気がつかなかった嵩くん。
今回はしっかりと気づく。
しかも、そこに写っている人物がヤムおじさんであることを確信もしました。
この嵩くんの発見によって、ヤムおじさんが過去にワケありであることが見えてきました。
ただの面白いおじさんではなさそうです。
ヤムおじさんは銀座の一流店のパン職人でありながら何故やめてしまったのか。
またヤムおじさんが初めてドラマの中に登場した頃、ヤムおじさんは御免与の人々を田舎者扱いしていました。
ヤムおじさんは都会の方が好きな都会人ということも考えられる。
そんなヤムおじさんがどうして都会を捨てたのか。
謎が深まるばかりです。
嵩くんがヤムおじさんの写真を銀座で見つけたの同じ頃、ヤムおじさんは豪くんと一緒に釣りへ。
すっかり忘れていましたがヤムおじさんと豪くんは同室だったんですね。
と言うことはヤムおじさんにとって物理的な距離が最も近いのが豪くん。
豪くんにとっても物理的な距離が最も近いのがヤムおじさんの存在です。
ヤムおじさんと豪くん、何年も同じ部屋で暮らしているのでかなり親しい間柄であることが想像できます。
そんなヤムおじさんと豪くんの会話もワケあり要素でいっぱいでした。
「行くな、戦争なんてろくなもんじゃない」
「戦争なんていい奴から死ぬ」
「地獄に行くと思ってやりたいこと全部やっておいた方がいい」
思えば豪くんに赤紙が届いたときも、ヤムおじさんはかなり強い反応を示していました。
ヤムおじさん、戦争に関してつらい過去があるらしい。
豪くんもそのことに気がついたらしくヤムおじさんに戦争に行ったことがあるのかと尋ねるものの、ヤムおじさんは答えない。
ヤムおじさんの戦争の過去と、ヤムおじさんが美村屋をやめた過去。
これらは関連しあっているのか?
ヤムおじさんの謎が深まるばかりです。
追記:
一方でヤムおじさんは気づかいの達人だなと思いました。
豪くんの好きな人が朝田家の中にいることを察したヤムおじさん、のぶちゃんはあり得ない、メイコちゃんはまだ子供と消去法で豪くんを問い詰めました。
ここまで問い詰めたら好きな相手が誰かは確定。
しかし、年上が好きなのか?羽多子さんか?クラバアか?と笑いでごましてくれるヤムおじさん、本当に粋で優しい人です。
蘭子ちゃん
ヤムおじさんが好き過ぎてヤムおじさんの話ばかりになってしまいましたが、今週の主人公は蘭子ちゃんです。
今回、蘭子ちゃんに繊細な名演に泣かされっぱなしでした。
ヤムおじさんと釣りに行ってきた豪くん。
釣り上げた「大物」は金魚ほどの大きさしかない小さなヤマメでした。
爆笑するのぶちゃんとメイコちゃん。
落ち込む豪くん。
そんな豪くんを見守る蘭子ちゃんの優しい眼差し。
豪くんがいなくなると寂しいと言うメイコちゃんに対して蘭子ちゃんは言いました。
「お国のためにご奉公する、そんなこと言ったらあかん」
この時の蘭子ちゃんの感情の押し殺しっぷりと言ったら・・・
蘭子ちゃんの名演の数々に、将来の朝ドラヒロインの風格を見たような気がします。
予習レビューと史実のリアルエピソード
のぶちゃんは最終学年
のぶちゃんと嵩くんは同じ学年ですが、女子師範学校に現役合格したのぶちゃんは今週は最終学年です。
一年後には教師になるため、黒井先生から覚悟を問われます。
黒井先生がのぶちゃんらの生徒たちに覚悟を問う場面、これは嵩くんが通う東京高等芸術学校の座間先生との比較対象の場面になります。
黒井先生の覚悟の問いかけに対して、うさ子ちゃんは、裁縫を教えて銃後を支える立派な女子を育てたいと答えます。
一方、のぶちゃんは子供たちに体操の楽しさを教えたいと答えます。
黒井先生、「体操の楽しさ」というのぶちゃんの答えが気に食わないらしい。
黒井先生はのぶちゃんだけに問いかけます。
立派な教師とはどのような教師と考えているのかと。
しかし、のぶちゃんは答えられません。
すると黒井先生が自らの口から言い始めます。
立派な教師とは大和魂を持つ教師であること。
日本が誇る先哲の教えを血肉とし、お国のために尽くすのが立派な教師であると。
生徒たちの将来像を一方的に決めつけてしまう黒井先生。
嵩くんが通う東京高等芸術学校の座間先生とは正反対です。
のぶちゃんと嵩くん、正反対の教育を受けることが二人の間にすれ違いを生じさせてしまいます。
のぶちゃん
今週、のぶちゃんの身近な人物が徴兵されるのを機に、のぶちゃんは戦地に旅立つ兵隊さんのために何かしたいと考え始めます。
そんな中でのぶちゃんは、慰問袋を作って兵隊さんに送ることをうさ子ちゃんに提案。
のぶちゃんのこの発案は、うさ子ちゃんだけでなく女子師範学校の全校生徒の知るところとなり、学校をあげて慰問袋づくりが始まります。
そして、休日には高知の街角で慰問袋に入れる日用品を買うための献金を呼びかける活動まで始めるのぶちゃん。
そんなのぶちゃんの活動は新聞に載り、のぶちゃんは校長先生からも「愛国の鑑」と言われるほどに。
校長先生が「愛国の鑑」と認めたら、黒井先生も、他の生徒たちも認めざるを得ない。
そしてのぶちゃんは「愛国精神の鑑」として全校生徒の注目を集める存在に
のぶちゃん自身も、自分の信念に確信を持てるようになるのですが、このことが東京で自由を満喫している嵩くんとのすれ違いを決定的なものにしてしまいます。
戦争の足音が聞こえ始める女子師範学校
昭和12年(1937年)の春から始まる今週は、週内に数ヶ月がスキップして昭和12年(1937年)7月。
女子師範学校では、黒井先生が盧溝橋事件を生徒たちに伝えます。
盧溝橋事件=日中戦争の勃発です。
いよいよ戦争が始まります。
盧溝橋事件の勃発を生徒たちに伝えた黒井先生はまた、生徒たちを鼓舞します。
日本は一丸となって勝利に向かって一致団結する。
男子が戦場に向かう中で、その銃後を守るのは女子の役割だ。
そして、女性教師は女子の規範たるべき存在なのだから、忠君愛国の精神を肝に命じなさいと。
同じころ、嵩くんは東京で「戦争」を実感しない暮らしを送っています。
のぶちゃんと嵩くんのすれ違いが顕在化しはじめます。
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ヤムおじさん、何か戦争で辛い思いをしたのだろうか?日本では、日中戦争以前は、第一次大戦?日露戦争でも行ったのかな?
20〜30年前になるので、ヤムおじさんは何歳かな?
ヤムおじさんが美村屋を辞めて、御免与に腰を落ち着けるまで、放浪していた理由がうっすらとわかってきた。ヤムおじさんってなんか寅さんみたい。
山寺さんの圧倒的名セリフと言えばエヴァ梶の「葛城、焦っても何も解決しない」だろう、これが出たら信頼度90%(体感)の激熱展開確定