あんぱん

月刊誌の準備をするのぶ / あんぱん 第70回

2025/7/4(金)第14週「幸福よ、どこにいる」

あらすじ

メイコがのぶの家で暮らし、高知で仕事をして東京に行くためのお金を貯めることになりました。一方、のぶたち高知新報の面々は月刊誌の刊行に向けて取材や記事の執筆に加えて、雑誌の広告取りの営業まで行うようになりました。

誌面の準備は着々と進むものの広告が取れないことが大きな課題でした。のぶは広告取りの営業に名乗りをあげ日々奔走。しかし、のぶの努力はなかなか身を結ばず、広告取りは思うように進みませんでした。

そんなある日、同期の琴子が広告を出してくれそうな知り合いを紹介するとのぶに提案。琴子の知り合いとは、のぶが営業に行ってすでに番頭に断られていた質屋でした。しかし、質屋の店主は広告掲載を快諾しました。

その数日後、高知新報で入社試験が行われることになりました。のぶは入社試験の手伝いを東海林に頼まれ試験会場へ。そしてのぶが受験生に原稿用紙を配っていると、会場に遅れて入ってきた受験生に目がとまりました。それは嵩でした。

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感想

今週の振り返り:高知新報の人々

前週から始まった戦後編。

前週は戦争が終わったとはいえ、まだまだ重苦しい空気に支配されるストーリーでした。

しかし、のぶちゃんが嵩くんと四年ぶりの再会を果たしたのを機に、のぶちゃんの心が再起動。

次郎さんが遺した夢を追ってのぶちゃんが動き始めました。

そして高知新報に入社。

ここまでが前週。

今週は、高知新報に入社したのぶちゃんの記者としての活動が始まりました。

しかし、戦後初の女性記者として採用されたのぶちゃんでしたが、のぶちゃんが配属された部署や、どうやらあまり期待されていない人が集まる部署らしい。

そんな部署が夕刊を担当すると決まるものの、進駐軍の許可が降りずに夕刊は中止。

上手くいかないことばかりの週でしたが、前週までののぶちゃんとは一転して、何があっても明るさを失わないので安心して観ていることができました。

朝ドラのヒロインはこうでなくっちゃと思う一週間でもありました。

今週は主要舞台が高知新報に移り、新キャラも本格登場。

東海林さんと岩清水くんは前週に初登場しましたが、初登場時の強い印象のとおりの楽しいキャラ。

そして同期の琴子ちゃん。

入社初日の挨拶では緊張して言葉を噛むのぶちゃんに対して、琴子ちゃんは優等生的な完璧な挨拶をしました。

なので、のぶちゃんを見下すライバルになるのかと思いきや、意外にも心優しいポンコツキャラでした。

しかし、結婚相手を見つけるために新聞社に入っただけのことはあります。

男を見る目があるのでしょうか。

新聞社の男性のほとんどが既婚であることを衝撃のバッドニュースと嘆く一方、貴重な独身者の岩清水くんは対象外とキッパリ。

そして今回、質屋の店主のハートをしっかりとつかんでいたらしい。

広告取りの営業で成果を出せずに悩むのぶちゃんを助けたのは、なんと琴子ちゃん。

あの人に頼めば間違いないと確信した上でのぶちゃんに紹介したのでしょう。

恐るべし琴子ちゃん。

そんなこんなで今週から登場し始めた高知新報の人々、楽しくてよかった。

今週の振り返り:メイコちゃん

今週はメイコちゃんのストーリーも始まりました。

しかし、よくよく考えてみるとメイコちゃんのストーリーの始まりは前週だったのかも。

それは復員し御免与にやって来た健ちゃんとの再会場面です。

今週のメイコちゃんはのど自慢に夢中。

そして、のど自慢に出たいがために家出をくわだてるほど。

振り返ってみるとメイコちゃんが歌に興味を持ったきっかけは、浜辺で披露した歌声を健ちゃんに褒められたことにあります。

そして、今回も思い出すのは健ちゃんのこと。

メイコちゃんがのど自慢にこだわるその気持ちの奥には健ちゃんの存在がいるのかもです。

今週の振り返り:嵩くん

戦争が終わってから出番が少なくなった嵩くん。

前回まで、今週の出番は健ちゃんと一緒に廃品を売る闇市の場面だけ。

しかも、その場面の嵩くんは終始浮かない顔を浮かべている。

闇市の店先に並べている商品を見ながら、アメリカさんにとってはこれはゴミでしかないという嵩くん。

ゴミを売ることに気乗りがしないらしい。

前週の絶望の中に希望を見出した嵩くんの姿は、今週の嵩くんにはありませんでした。

しかし最後の最後に嵩くんが思いがけない形で登場。

今回の最後、嵩くんが高知新報にやって来ることは事前に知っていましたが、こんな形で登場するとは・・・

絶句するのぶちゃん。

しかし嵩くんはまだのぶちゃんの存在に気がついていないらしい。

そして嵩くんの入社試験の結果は次週におあずけです。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

嵩くんがライフワークと再会?

前回の本欄で、リアル嵩くんがその後の人生を動かし始めるような「あるもの」と出会ったことを記しました。

今週、その「あるもの」がドラマの中で再現されます。

ドラマの中で嵩くんは健ちゃんと一緒に廃品回収を開始。

史実と同様、ドラマの中の嵩くんは進駐軍の兵舎に足を運んで廃品回収するものと思われます。

そして、廃品回収業を続ける中で、嵩くんはガラクタの中でアメリカの雑誌を発見。

きっと進駐軍の兵隊が読み終えて捨てたものと思われる古雑誌。

嵩くんは、その雑誌に掲載されていた美しくて斬新なデザインに心が躍る思いがします。

思えば戦時中、美しいものを美しいと言って喜べない世相に対して嵩くんは反発していました。

のぶちゃんとの関係がギクシャクしたのも美しいものをめぐっての口論がきっかけでした。

軍隊に入ってからは、嵩くんは美しいものからさらに遠ざかってしまいました。

嵩くん、美しいという概念自体を忘れているかもです。

そんな中で出会ったアメリカの古雑誌の中にあったデザイン。

それは、嵩くんにとって数年ぶりの美しいものとの再会のはずです。

そして、この再会を通して、嵩くんは戦前に心に決めたライフワークを思い出すものと思われます。

【史実】リアル嵩くんとアメリカの古雑誌との出会い

前回の本欄に記したとおり、リアル嵩くんは戦友に誘われて廃品回収業を営む会社の仕事を手伝うことになりました。

そして、回収した廃品を再生して生活雑貨として販売する仕事を続ける中で、それまで動かなくなってしまった頭脳が動き出すようになります。

そんな中でリアル嵩くんは、回収した廃品の中にたまにアメリカの雑誌が紛れ込んでいるのを見かけるようになりました。

当事、日本国内はあらゆる物資が欠乏していました。

しかし、敵国だったアメリカは戦前も戦中も戦後も物資は潤沢。

リアル嵩くんがゴミの中に見つけたアメリカの雑誌も、当時の日本ではあり得ないような上質の紙が使われていました。

しかもカラー印刷です。

ブログ主は終戦直後の日本の出版物を収集していた時期があるのですが、当時の日本の出版物は紙は粗末なわら半紙。

カラーはあり得ない。

そして、活字はつぶれて読みにくいことこの上ない。

そんな出版物ばかりの環境の中で見つけた上質な紙とカラー印刷のアメリカの雑誌。

美しいものが大好きなリアル嵩くんにしてみたら、美術品のように見えたはずです。

【史実】リアル嵩くんの「憧れの心」の再生

ドラマの中でも再現されたように、リアル嵩くんは幼い頃から美しいものへの「憧れの心」を持っていました。

しかし、あまりにも長かった軍隊生活。

過酷な経験ばかりを強いられた日々の中で麻痺した心は、美しいものへの「憧れの心」も忘れてしまっていました。

しかし、アメリカの雑誌を見るうちに、リアル嵩くんの中で「憧れの心」が少しづつよみがえってきたのだそうです。

リアル嵩くんはアメリカの古雑誌の中に気に入ったページがあると、それを切り取って自宅へ持ち帰る。

自宅で美しいデザインを食い入るように眺める。

そんな日々を繰り返す中で、リアル嵩くんの「憧れの心」が息を吹き返してきました。

そしてリアル嵩くんは、もっと文化的な仕事をしたいと思うようになります。

そんな中でリアル嵩くんは、高知新聞が記者を募集していることを知り、応募しようと決意。

リアル嵩くんとリアルのぶちゃんの出会いのカウントダウンが始まります。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

    琴子さん、やるなあ。メイコさん口まで出かかった名前は健太郎君?試験会場で再会した二人。これから真の第二章が始まる?

  2. 名乗る程の者ではございません より:

    広告欲しかったら高知市にある北村カメラ店に行きなよ、出来て間もない今じゃ大企業カメラのキタムラの第一号店だよ

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